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SPIKE WARS -エピソード1 メーカー横断履き比べ企画-

メーカー横断履き比べ企画『スパイク・ウォーズ』

Icon kaneko 金子 達仁 | 2016/05/27

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-エピソード1 メーカー横断履き比べ企画-


【登場人物】
聞き手(編集部)
マスターナガイ(永井秀樹=東京ヴェルディ1969=)

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◆メーカーの枠を越えた履き比べに戸惑う永井秀樹(45)。



──それではマスター・ナガイ、始めましょうか。前代未聞、日本発にしておそらくは世界初であろうプロジェクト。
マスター永井 「ちょっと待った。そのマスターって何よ」

──あ、これはですね、キングギアの発起人Kが「すべてのコラムなり特集は映画かドラマのタイトルをもじったものにせよ」と。
マスター永井 「うん」

──で、永井さんの企画はですね、メーカーの枠を超えて、片っ端から履き比べをし、かつ寸評とジャッジを加えていただくものじゃないですか。
マスター永井 「そう聞いてるけど」

──ならばこれは戦争だと。ウォーだと。スパイク同士のウォーだと。
マスター永井 「ちょっと待った。まさかとは思うけど、だからタイトルはスパイク・ウォーズで、俺はマスター・ヨーダ的立場ってこと?」

──発起人Kとしてはそのつもりのようです。ちょっと苦しいかな、とは本人も認めておりましたが。
マスター永井 「ちょっと、じゃないでしょ。苦しすぎ」

──はい、スタッフ一同もそう思ったのですが、じゃ代案を出せと言われまして。
マスター永井 「そしたら出なかった、と」

──はい‥‥。
マスター永井 「ま、いいか。達ちゃん(発起人K)とは俺が高校2年の時からの付き合いだし、打ち合わせの時も、“スパイク界の達人(マイスター)になってくれ”って言われてたから」

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◆聞き手の発起人Kとは、国見高校2年の頃、欧州の地で偶然出会った。


──高校2年。ということは、マスター・ナガイが国見高校で全国初制覇をなさった時でございますね?
マスター永井 「そう。で、俺が高校選抜に選ばれて、ヨーロッパ遠征をしてた時、一人で放浪してた達ちゃんと出会ったのよ。まったくの偶然に。それこそ、あの人が大好きなボルシア・メンヘングラッドバッハのホーム・スタジアムで」

──ああ、聞いております。なんか、選抜の乗ってたバスがぬかるみでスタックして、選手たちがエンコラ押してるところにあの人が通り掛かったとか。
マスター永井 「うん。同じ日本人として見過ごせない、と思って手伝ってくれたらしいんだけど、そしたら、ウチ(国見)の小嶺先生から“キミはなんでこんなとこにいるんだ。ヨーロッパのサッカーを見て回ってる? じゃ、その時の様子を聞かせてくれないか”みたいなことになって、俺らの宿舎に連れてこられちゃったのよ」

──はあ。
マスター永井 「いまと違って、ヨーロッパのサッカーは現地に行かないと見られない時代だったから、小嶺先生もいろんなことを聞きたかったんだろうね。スペインから列車で各国を周りながらサッカーを見てきたっていうし、学生の分際で、その2年前にはメキシコのワールドカップも見に行ってたっていうんだから」

──本人曰く、異端児を超えて「こいつ大丈夫か?」的な目で見られてたそうです。
マスター永井 「でも、小嶺先生は興味津々だったし、実は俺らもそうだったのよ。で、達ちゃんが居候することになった部屋に俺とか礒貝(帝京)とかで押しかけて、メキシコでのマラドーナはどうだったのか、とか、カニージャって奴はどうなのよとか、いろいろ聞かせてもらってね。それからの付き合いかな」

──若い読者が生まれる以前の選手ですね(笑)。でも、確かにお付き合いは長い。
マスター永井 「で、数年前までは沖縄で一緒のチームだったし」

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◆思い出話に花が咲く。FC琉球時代も苦楽を共にした。


──あ、そうでした。FC琉球。トルシエが総監督やったりしてた。
マスター永井 「達ちゃんの立場はスーパーバイザーだったのかな。何をやってたのかは知らないけど(笑)。まあ、あれは琉球が九州リーグに所属してた時、達ちゃんに連絡して“いまこういうところでプレーしてるんだけど、取材に来てくんない?”ってお願いしたら、大特集を組んでくれて、そしたらフロントの人間が勝手に“カネコタツヒト・FC琉球ドリームアドバイザー”って名刺を作っちゃったのがきっかけらしい(笑)」

──なんか、FC琉球ではいろいろあったみたいですね。良くも悪くも(笑)
マスター永井 「あった。凄くいい出会いもあったし、反面、思い出したくもないような裏切りもあったし(笑)」

──ま、そのあたりについては機会を改めてお伺いするとして、今回は連載第一弾として、この6足、お持ちしました。マスター・ナガイにはすべてのスパイクを履いていただき、忌憚なきご意見をうかがえればと。
マスター永井 「あれ? 達ちゃんからは去年のカンボジア戦で日本代表選手が履いた全スパイクって言われてたけど、6足だけ?」

──はい。調べたところ、全部で13モデルもあるということが判明しまして、まずはその半分を試着していただければと。
マスター永井 「了解。じゃ、どれからいこうか」

(以下次号へ)取材協力/東京ヴェルディ1969

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マスター永井「了解。じゃ、どれからいこうか」





次回  SPIKE WARS -エピソード2 6足のスパイク登場-