V %e3%83%95%e3%82%a1%e3%83%bc%e3%83%ac%e3%83%b3%e9%95%b7%e5%b4%8e 1

プレッシャーを乗り越え、さらなる高みへ!昇格圏内の力強さを見せつけるV・ファーレン長崎の予想と展望

あと1歩で届かなかった自動昇格。その後のプレーオフも1回戦敗退と、リーグ3位という好成績にもかかわらず、悔しさが勝る2024年シーズンだった。だからこそ、J1昇格の本気度が伝わるような積極補強で、今オフシーズンの主役を演じている長崎。シーズンMVP級のインパクトを示したFWマテウス・ジェズスをはじめ、FWエジガル・ジュニオやFWフアンマ・デルガドら“暴力的”な得点力を誇った外国人選手を残留させたほか、J2トップのセーブ率を誇る山形の守護神GK後藤雅明の引き抜き、J1チャンピオンのキャプテンMF山口蛍の加入、ラトビア1部リーグのFK・RFSの10番MFエメルソンのスカウトなどを成功させた。よい選手を集めれば勝ち抜けるリーグではないのがJ2とはいえ、それにつけても昇格の最右翼となる戦力の厚さであることは疑いの余地はない。※イラスト/vaguely

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/02/17

2024年シーズンを振り返るー攻守ともに圧倒的な戦力で優勝候補に

当初就任予定だったカリーレ監督との交渉が頓挫し、急きょコーチだった下平隆宏監督が指揮を採ることになった2024年の長崎。サポーターとしては不安が拭えないバタバタの始まりだったものの、3位でプレーオフ進出を達成。3節から24節まで22試合負けなしの記録を樹立するなど、合計得点はリーグトップの圧倒的な攻撃力を背景に、猛威を奮った。2位横浜FCのモタつきもあり、最終節まで自動昇格の可能性すら残したシーズンだったが、プレーオフでは1回戦で仙台にあっさり敗れて終戦。大一番で勝ち切ることのできる集中力こそが、来期のカギになりそうだ。

▼2024年シーズンの成績

J2リーグ:3位(18勝10分10敗/50得点44失点)
J1昇格プレーオフ:1回戦敗退
JリーグYBCルヴァンカップ:1回戦敗退
天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会:4回戦敗退

2025年シーズン予想フォーメーション

全試合に出場したDF田中隼人がレンタル元の柏レイソルへ復帰、GK若原智哉とキャプテンを努めてきたMF秋野央樹の移籍、そしてCBヴァウドの退団など、主力級の選手の流出は相次いでいるが、それについても攻守において大きなバージョンアップを果たしたシーズンオフだ。何よりも、10得点のFWファンマ・デルガド、15得点のFWエジガル・ジュニオ、18得点のMFマテウス・ジェズス、12得点のMFマルコス・ギリェルメという合計55ゴールの外国人カルテットが全員残留。加えて山形から引き抜いたGK後藤雅明は、昨シーズンにセーブ率がリーグトップの実績でビルドアップ能力にもたける実力者。そして怪我の影響で出場が限定されたものの、まだまだJ1で一線級の働きを見せるMF山口蛍の加入は、プレー面でも精神面でもチームに与える影響はとてつもなく大きいことが想像できる。ラトビア1部リーグのFK・RFSから加入するMFエメルソンは、左ウィングを主戦場にする攻撃的な選手。そして横浜FMのDFエドゥアルドと甲府のDF関口正大の加入は、田中やヴァウドが退団したDFラインの穴を埋める。外国人の出場枠は4人なので、下平監督がどう差配するのかに注目したい。攻撃時は4-3-3、守備時は4-4-2と使い分けるイメージの昨年の長崎だが、ここでは4-3-3で予想する。GKは後藤なのは間違いないだろう。CBはエドゥアルドと櫛引一紀。右SBは関口、左SBは米田隼也がファーストチョイスだろう。山口をどこに配置するかで構成が変わりそうなMF。ここでは、アンカーで使うことを想定した。インサイドハーフはMF名倉巧とMF安部大晴が有力か。右ウィングはチーム最多スコアラーのMFマテウス。MF増山朝陽をここに配置し、FWマテウスを最前線に置くオプションもあるし、FWマテウスをインサイドハーフで使うのも強力だろう。左ウィングはMF松澤海斗にも期待したいが、やはりMF笠柳翼が濃厚だ。そして最も悩ましいのがCF。ここでは昨年のゴール数順で、FWエジガルにした。

Thumb v e38395e382a1e383bce383ace383b3e995b7e5b48e
イラスト/vaguely

2025年シーズンの展望ー補強成功で攻撃力爆発、チームの課題はプレッシャー

戦力の厚さだけ考えれば、圧倒的に昇格候補の筆頭だ。昨年の課題だった“勝ちの取りこぼし”を埋めるべく、GK、DF、MFで豪華な補強が成功。助っ人たちが昨年通りの活躍を見せれば、どのチームの守備も簡単に崩してしまうほどの攻撃力が保証されているのはわかる。最大の敵となるのは、プレッシャーか。“昇格して当然”と思われても仕方がないほどの編成ゆえのプレッシャーの大きさを上手くいなしながら、自分たちのサッカーを表現できるかがカギになりそうだ。

新加入選手/移籍情報(2025年2月16日時点)

IN

【GK】
井岡 海都/ガイナーレ鳥取/26歳(完全移籍)
後藤 雅明/モンテディオ山形/30歳(完全移籍)

【DF】
田所 莉旺/帝京高校/18歳
エドゥアルド/横浜F・マリノス/31歳(完全移籍)
モヨ マルコム強志/藤枝MYFC/23歳(復帰)
関口 正大/ヴァンフォーレ甲府/26歳(完全移籍)
高畑 奎汰/ジュビロ磐田/24歳(完全移籍)

【MF】
エメルソン/FK RFS(ラトビア)/25歳(完全移籍)
山口 蛍/ヴィッセル神戸/34歳(完全移籍)
齋藤 遼太/阪南大学/22歳
松本 天夢/新潟医療福祉大学/22歳
青木 俊輔/法政大学/22歳

【FW】
山崎 凌吾/セレッソ大阪/32歳(完全移籍)

OUT

【GK】
ルカ ラドティッチ/ブラウブリッツ秋田/24歳(2026年1月31日までの期限付き移籍)
若原 智哉/ジェフユナイテッド市原・千葉/25歳(完全移籍)

【DF】
モヨ マルコム強志/ポルティモネンセSC/23歳(期限付き移籍)
ヴァウド/パイサンドゥSC/32歳(完全移籍)
田中 隼人/柏レイソル/21歳(復帰)
青木 義孝/FC町田ゼルビア/26歳(完全移籍)
白井 陽貴/いわきFC/24歳(2026年1月31日までの期限付き移籍)
成瀬 竣平/柏レイソル/24歳

【MF】
秋野 央樹/アビスパ福岡/30歳(完全移籍)
大渕 来珠/未定/21歳
五月田 星矢/テゲバジャーロ宮崎/22歳(完全移籍)

※記事内の情報は配信時点の情報です