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本田千尋の『フロム・トレーニングセンター』vol.20 ”銀髪”のケヴィン・カンプルが履くアディダス『エックス 16 + ピュアカオス BLUE BLAST』  

金子塾卒業生にして、現在はドイツに拠点を置くスポーツライター本田千尋のちょっと変化球な企画。ブンデスリーガのスターはどんな音楽で気持ちを高め、どんなクルマで移動時間に鋭気を養い、そしてどんなスパイクで闘っているのか。トレーニング・センターからのダイレクト・レポートをお伝えします。

Icon img honda600 本田 千尋 | 2017/03/14
「憧れの選手は、ジネディーヌ・ジダンだよ」  

ケヴィン・カンプルが子供たちを前に、レバークーゼン系列のサッカースクールでそう口にしたのは、昨年の夏のことだ。  

銀髪のスロベニア代表MFは、ドイツ北西部ノルトライン=ヴェストファーレン州のゾーリンゲンに生まれた。両親はスロベニアからの移民である。  

子供の頃、地元のクラブVfBゾーリンゲンでサッカーを始めると、レバークーゼンのスカウトの目に止まる。そして同クラブの下部組織で育ったカンプルは、2010年、トップチームに昇格する。  

それから、幾つかのクラブを渡り歩いた。  

RBザルツブルクで頭角を現し、ボルシア・ドルトムントを経て、15年8月、レバークーゼンに“復帰”。  



アディダス『エックス 16 + ピュアカオス BLUE BLAST』を履いて活躍するカンプルは、自分がジダンに焦がれるように、今やすっかり子供たちの憧れの的となった。  

なお、無邪気な子供たちには、愛車が【ポルシェ パナメーラ ディーゼル】であることも自慢した。  

〈B.I.G : Hypnotize〉、〈Calvin Harris : How deep〉、〈Jason Derulo : Want to want me〉といったクールなクラブ・ミュージックを好む。レバークーゼンのシュミット監督もカンプルのことを“冷静なタイプ”と分析する。  

しかし、家族を愛する強い気持ちを胸に秘めている。  

「僕は誰よりも家族を愛しているし、こうして皆で集まってクリスマスを祝えるのは嬉しいね」  

レバークーゼンに“復帰”してから、半年後のクリスマス。スロベニアからドイツを訪れた祖母と叔父、両親、そして恋人のヴァネッサとともに過ごした特別な日。  

その時、母のアニカは、息子の“復帰”を誰よりも喜んだ。ケヴィンはドルトムントで残留争いに巻き込まれ、苦しい時期を過ごしていた。  

「復帰してケヴィンはまた幸せになった。息子が幸せであることは、私にとって最も美しい“クリスマス・プレゼント”だよ」