U-20 W杯戦士の世界と戦うスパイクVol.13 【イタリア編】~『~GK大国・イタリア』を存分に見せつけた今大会。 ~
ウルグアイとの3位決定戦を制し、3位に輝いたのはイタリアだった。日本と同じグループで、最終戦では2−2のドロー決着に終わったチームは、やはり相当な実力を持っていた。
安藤隆人
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2017/06/14
彼らが優勝候補であることは、日本VS南アフリカの試合の後に行われたウルグアイ戦で明らかになった。この試合はめまぐるしく攻守が入れ替わり、局面でのバトル、組織的なサッカー、すべてを含めてもハイレベルで、まさに今大会のベストバウトと言っても過言ではない試合だった。
イタリアはこの試合では0−1で敗れたが、3位決定戦ではきっちりとリベンジをした格好で、大会をフィニッシュした。
もともと前評判が高いチームだった。フィールドプレーヤーに関しては、フィオレンティーナで活躍するエンリコ・キエーザの息子であるMFフェデリコ・キエーザ、ACミランの秀英MFマヌエル・ロカテッリは選出されず、攻撃センスに溢れたMFニコロー・バレッラ(カリャーリ)が怪我で離脱をしてしまったが、それ以外は、ほぼこの年代の最強メンバーが揃った。
攻撃は、アスコリでリーグ40試合出場し8ゴールをマークするなど、個で打開出来るハイセンスアタッカーとして、来季はユヴェントス入りが内定しているイタリア期待のMFリッカルド・オルソリーニに多くの注目が集まった。
今大会、オルソリーニは右FWとして噂に違わぬプレーを見せたが、190cmのターゲットマンであるアンドレア・ファヴィッリ(アスコリ)、左利きのボランチのマッティーア・ヴィターレ(チェゼーナ)なども存在感を放った。
そしてイタリアのお家芸である守備は、ブレシアで不動のレギュラーとしてプレーしているCBフィリッポ・ロマーニャと、今季セリエAで10試合に出場し、急成長を見せている守備のユーティリティーでもある、187cmのCBリッカルド・マルキッツァ(ASローマ)のコンビを軸に安定をしていた。
そして、イタリアにとって大きかったのが、懸念していたGK陣の奮闘だった。当初は一番の注目のポジションだったGKだが、主軸選手の辞退者が続出。
ACミランの絶対的守護神であり、A代表にも選出されている世界的GKジャンルイジ・ドンナルンマ、同じくA代表のアレックス・メレト(SPAL)の世界トップクラスの第1、第2GKが揃って辞退し、第3GKが正GKとなる事態となった。
しかし、繰り上げで正GKとなったイタリアセリエBのプロ・ヴェルチェッリに所属する、アンドレア・ザッカーノが抜群の存在感を放った。
至近距離のシュートも驚異的な反射神経でビッグセーブを連発。ミドルシュートの処理も安定しており、183cmという身長の低さを気にさせない、圧巻のゴールキーピングを見せた。
そして、ウルグアイとの3位決定戦では、今度は実質第4GKである、チーム最年少の17歳である、アレッサンドロ・プリッツァーリ(ACミラン)がスタメン出場。ファインセーブを連発し、延長戦も含めて完封すると、PK戦では2本を立て続けにストップし、チームを3位に導くなど、『GK大国・イタリア』を存分に見せつけた。
スパイクはイタリアと言えばプーマのイメージが強いが、プーマは確認出来ただけで3人と少なく、ナイキが多くを占めていた。
(以下がU-20イタリア代表主要選手のスパイク一覧)
【GK】
①アレッサンドロ・プリッツァーリ(ACミラン)、プーマ・エヴォスピード
⑫アンドレア・ザッカーノ(プロ・ヴェルチェッリ)、プーマ・エヴォパワー
㉑サムエル・ペリサン(ウディネーゼ)、不明
【DF】
②ジュゼッペ・スカレーラ(フィオレンティーナ)、不明
③フェデリーコ・ディマルコ(エンポリ)、ナイキ・ハイパーヴェノムファントム
⑤フィリッポ・ロマーニャ(ブレシア)、ナイキ・マジスタオーデン
⑥マウロ・コッポラーロ(USラティーナ)、ナイキ・ティエンポ
⑬レオナルド・セルニコラ(テルナナ)、不明
⑭ジュゼッペ・ペッツェーラ(パレルモ)、ナイキ・マーキュリアルベロチIII
⑮マッティア・ビターレ(チェゼーナ)、不明
⑱パオロ・ギリオーネ(SPAL)、不明
⑲リッカルド・マルキッツァ(ASローマ)、プーマ・エヴォパワー
【MF】
④ニコロ・バレッラ(カリアリ)、ナイキ・不明
⑧ロランド・マンドラゴーラ(ユヴェントス)、ナイキ・ティエンポ
⑪マッテオ・ペッシーナ(コモ)、ナイキ・ティエンポ
⑳アルフレド・ビフルコ(カルピFC)、不明
【FW】
⑦リッカルド・オルソリーニ(アスコリ)、ナイキ・マーキュリアルベロチIII
⑨アンドレア・ファヴィッリ(アスコリ)、ナイキ・ハイパーヴェノムファントム
⑩ルカ・ヴィード(チッタデッラ)、不明
⑯フランチェスコ・カッサータ(アスコリ)、不明
⑰ジュゼッペ・パニコ(チェゼーナ)、ナイキ・マーキュリアルベロチIII