『タビオ・ランニングソックス』元オリンピックマラソンランナーの一言で誕生!
タビオ株式会社(本社・大阪市浪速区 代表取締役社長 越智勝寛)は、足にやさしい靴下を全力で追求し、高品質でファッション性及びスポーツ性に富んだ日本製の靴下を、満足いく適正な価格でお客様に提供し続けている。今回は、多くのマラソンランナーから支持されるランニングソックスの開発に携わる田口喜広氏に、開発苦労話や機能性等について語っていただいた。
佐久間秀実
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2017/10/30
タビオ株式会社1968年創業
もの・お店・人づくりに決して妥協することなく、お客様にとって最高の商品づくりとお店づくりを目指している。
経営理念・・・「熱愛」「顧客中心」「不易流行」「和」
タビオ株式会社
商品部 課長
田口喜広氏
――ランニングソックスは、どのようにして誕生したのですか。
田口:2003年、弊社にNTT西日本の方が営業で来られた時に、「マラソンする時に良いソックスが無いんですよね。」と言ってきたんですよね。
そこで、「彼の足に合うマラソン用の靴下を作ってみよう」と、弊社現会長の発案で開発が始まりました。その方は、2008年北京オリンピックにマラソン日本代表選手として出場した大崎悟史さんとなります。
――開発から完成するまでにどれほどの期間を要しましたか。
田口:2004年からヒアリングと企画を始め、2006年に初めて商品化されたので2年程となりますね。
――具体的に何を行いましたか。
田口:弊社はカジュアルの靴下を中心に展開してきたので、ランニングに関するノウハウが全くなかったですし、ランニング用のソックスを作るのに適したニッターさんもいなかったんですよね。
ですが、どうにか奈良で工場さんを見付けることができまして、大崎さんがどういったソックスを履きたいのかをヒアリングし続けましたね。
――田口さんはマラソン経験がありますか。
田口:私は元々マラソンとは縁がなく、全く走っていなかったので非常に大変でした。開発当初は、陸上チームの合宿先で、「モニターとして靴下を履いてください!」と言うと、「履くけど、お前も走れ!」と言われて、いきなり30㎞も走らされましたからね(笑)。
――それで走ったのも凄いですね(笑)。
田口:私が20代の時でしたし、数日間どうにか走ることができましたが地獄でした(笑)。今やれと言われても無理ですね。
――命懸けで開発されたものなのですね。
田口:楽しんでやらせていただきました(笑)。
――初めて完成したソックスに、滑り止め機能は付いていましたか。
田口:付いていましたね。ほぼ、このスタンダードタイプが原型で、2012年にモデルチェンジをしています。2006年頃は今と違って、皆さん靴下にこだわりが無かったんですよね。シューズには力を入れていましたが。
こちらから提案してサンプルをお渡しすると、「ここがこうで、生地はこの方がいい」と少しずつ明確となり、足に肉刺(まめ)ができにくく、疲れにくいものとなりました。
――私(著者)は、2011年の東京マラソン時からタビオさんの5本指のランニングソックスを使用しています。初めて履いた時の感覚は、かなりフィットして、締め付け具合が良い印象でした。
田口:ありがとうございます。肉刺ができないように、ズレを防止するようにしています。特許を取得していまして、土踏まずから足首にかけて3段階に圧力設計をかけてアーチを保持するコンセプトで、肉刺ができにくいようにするにはどうすれば良いかということで作りましたね。
――いつから5本指タイプを販売開始したのですか。
田口:2006年からスタンダードタイプの販売を開始しまして、2007年から全国各地のマラソン大会のブースで我々の商品をPR販売している時に、「5本指のソックスはないの?」という声をかなり多くいただき、2009年から5本指タイプも販売しています。
現在、弊社のランニング用では5本指がメイン商品となっていますね。これも土踏まずをしっかりとホールドし、耐久性が非常に優れています。
――御社のソックスは物凄く丈夫ですよね。実は、6年前のものを今でも履いています。
田口:ありがとうございます。マラソン大会の会場などでも、多くのお客様から同じような感想をいただいています。 スタンダードタイプのものは実業団の選手の方々から、5本指タイプのものは市民ランナーの皆さんから、非常に高い評価をいただいています。
――他に特長はありますか。
田口:5本指に関しては、曲がっている形状で、土踏まずの三角部分にサポート機能があり、他の箇所には過度なストレスを与えることなく、指を自由に動かせるようにしています。
足の形に合わせて立体的にも作り、通常の靴下のように横幅の変化がないよう、編目の数を増減させて編んでいます。足の指の股の窮屈感が少なく、指先のフィット感も良いですね。滑り止めに関しては、薄いシリコンラバーを使い、一般的にあるものよりも違和感を減らし、グリップ力を増しています。
素材には、綿と消臭機能がある繊維をブレンドしたものに、吸汗速乾性のあるポリステルを巻き付けた複合素材を開発し、べたつき感が無く快適で、耐久性もある、ランニングに適したものにしています。
――スタンダードタイプと5本指タイプとでは、どちらが人気ありますか。
田口:販売量だけで言いますと、5本指となりまして、市民ランナーの方にとって快適みたいです。トップアスリートの方は、ガチッとサポートされて薄手で裸足感覚に近い、スタンダードタイプを好んでいますね。
――ランニングソックスは何種類あるのですか。
田口:色々アイテムが増えていまして、足袋型、冬用に丈が長いもの、フクラハギをサポートする着圧があるもの、クッション性あるものなど、ランニング用で14アイテム展開しています。
他に、ウールや和紙を使った素材やトレイルラン用もあるので、20アイテム程となりますね。お客様に様々なシーンでチョイスしていただけるように、沢山のものを揃えています。
――バリエーションが非常に豊富で凄いですね。
田口:サイズもカラーも豊富にありますので、どれを購入しようか迷われるお客様も多いみたいですね。靴下でこれだけ迷えるのはタビオ位ですとよく言われます。
今年行なったランニングソックスリサーチの結果によると、マラソン大会でタビオのソックスを履かれているランナーの方が43%もいらっしゃいました。好きなブランドもタビオが37%と、日本国内ではある一定の支持をいただいていると思います。
――今後の展開を教えていただけますか。
田口:お客様からご指摘を受ける部分がまだまだ多いので、より良いものを提案していけるようにしたいですね。そして、日本だけでなく海外の方にも5本指で良いソックスがあるというのを知っていただけたらと思います。 (了)
次回は、Jリーガーからの要望で誕生したタビオ・サッカーソックス編
タビオ・ランニングソックス http://www.tabio.com/jp/sportssocks-0177/
タビオ
http://www.tabio.com/jp/
取材協力/タビオ株式会社
写真提供/タビオ株式会社
取材写真/佐久間秀実
もの・お店・人づくりに決して妥協することなく、お客様にとって最高の商品づくりとお店づくりを目指している。
経営理念・・・「熱愛」「顧客中心」「不易流行」「和」
タビオ株式会社
商品部 課長
田口喜広氏
――ランニングソックスは、どのようにして誕生したのですか。
田口:2003年、弊社にNTT西日本の方が営業で来られた時に、「マラソンする時に良いソックスが無いんですよね。」と言ってきたんですよね。
そこで、「彼の足に合うマラソン用の靴下を作ってみよう」と、弊社現会長の発案で開発が始まりました。その方は、2008年北京オリンピックにマラソン日本代表選手として出場した大崎悟史さんとなります。
――開発から完成するまでにどれほどの期間を要しましたか。
田口:2004年からヒアリングと企画を始め、2006年に初めて商品化されたので2年程となりますね。
――具体的に何を行いましたか。
田口:弊社はカジュアルの靴下を中心に展開してきたので、ランニングに関するノウハウが全くなかったですし、ランニング用のソックスを作るのに適したニッターさんもいなかったんですよね。
ですが、どうにか奈良で工場さんを見付けることができまして、大崎さんがどういったソックスを履きたいのかをヒアリングし続けましたね。
――田口さんはマラソン経験がありますか。
田口:私は元々マラソンとは縁がなく、全く走っていなかったので非常に大変でした。開発当初は、陸上チームの合宿先で、「モニターとして靴下を履いてください!」と言うと、「履くけど、お前も走れ!」と言われて、いきなり30㎞も走らされましたからね(笑)。
――それで走ったのも凄いですね(笑)。
田口:私が20代の時でしたし、数日間どうにか走ることができましたが地獄でした(笑)。今やれと言われても無理ですね。
――命懸けで開発されたものなのですね。
田口:楽しんでやらせていただきました(笑)。
――初めて完成したソックスに、滑り止め機能は付いていましたか。
田口:付いていましたね。ほぼ、このスタンダードタイプが原型で、2012年にモデルチェンジをしています。2006年頃は今と違って、皆さん靴下にこだわりが無かったんですよね。シューズには力を入れていましたが。
こちらから提案してサンプルをお渡しすると、「ここがこうで、生地はこの方がいい」と少しずつ明確となり、足に肉刺(まめ)ができにくく、疲れにくいものとなりました。
――私(著者)は、2011年の東京マラソン時からタビオさんの5本指のランニングソックスを使用しています。初めて履いた時の感覚は、かなりフィットして、締め付け具合が良い印象でした。
田口:ありがとうございます。肉刺ができないように、ズレを防止するようにしています。特許を取得していまして、土踏まずから足首にかけて3段階に圧力設計をかけてアーチを保持するコンセプトで、肉刺ができにくいようにするにはどうすれば良いかということで作りましたね。
――いつから5本指タイプを販売開始したのですか。
田口:2006年からスタンダードタイプの販売を開始しまして、2007年から全国各地のマラソン大会のブースで我々の商品をPR販売している時に、「5本指のソックスはないの?」という声をかなり多くいただき、2009年から5本指タイプも販売しています。
現在、弊社のランニング用では5本指がメイン商品となっていますね。これも土踏まずをしっかりとホールドし、耐久性が非常に優れています。
――御社のソックスは物凄く丈夫ですよね。実は、6年前のものを今でも履いています。
田口:ありがとうございます。マラソン大会の会場などでも、多くのお客様から同じような感想をいただいています。 スタンダードタイプのものは実業団の選手の方々から、5本指タイプのものは市民ランナーの皆さんから、非常に高い評価をいただいています。
――他に特長はありますか。
田口:5本指に関しては、曲がっている形状で、土踏まずの三角部分にサポート機能があり、他の箇所には過度なストレスを与えることなく、指を自由に動かせるようにしています。
足の形に合わせて立体的にも作り、通常の靴下のように横幅の変化がないよう、編目の数を増減させて編んでいます。足の指の股の窮屈感が少なく、指先のフィット感も良いですね。滑り止めに関しては、薄いシリコンラバーを使い、一般的にあるものよりも違和感を減らし、グリップ力を増しています。
素材には、綿と消臭機能がある繊維をブレンドしたものに、吸汗速乾性のあるポリステルを巻き付けた複合素材を開発し、べたつき感が無く快適で、耐久性もある、ランニングに適したものにしています。
――スタンダードタイプと5本指タイプとでは、どちらが人気ありますか。
田口:販売量だけで言いますと、5本指となりまして、市民ランナーの方にとって快適みたいです。トップアスリートの方は、ガチッとサポートされて薄手で裸足感覚に近い、スタンダードタイプを好んでいますね。
――ランニングソックスは何種類あるのですか。
田口:色々アイテムが増えていまして、足袋型、冬用に丈が長いもの、フクラハギをサポートする着圧があるもの、クッション性あるものなど、ランニング用で14アイテム展開しています。
他に、ウールや和紙を使った素材やトレイルラン用もあるので、20アイテム程となりますね。お客様に様々なシーンでチョイスしていただけるように、沢山のものを揃えています。
――バリエーションが非常に豊富で凄いですね。
田口:サイズもカラーも豊富にありますので、どれを購入しようか迷われるお客様も多いみたいですね。靴下でこれだけ迷えるのはタビオ位ですとよく言われます。
今年行なったランニングソックスリサーチの結果によると、マラソン大会でタビオのソックスを履かれているランナーの方が43%もいらっしゃいました。好きなブランドもタビオが37%と、日本国内ではある一定の支持をいただいていると思います。
――今後の展開を教えていただけますか。
田口:お客様からご指摘を受ける部分がまだまだ多いので、より良いものを提案していけるようにしたいですね。そして、日本だけでなく海外の方にも5本指で良いソックスがあるというのを知っていただけたらと思います。 (了)
次回は、Jリーガーからの要望で誕生したタビオ・サッカーソックス編
タビオ・ランニングソックス http://www.tabio.com/jp/sportssocks-0177/
タビオ
http://www.tabio.com/jp/
取材協力/タビオ株式会社
写真提供/タビオ株式会社
取材写真/佐久間秀実