世界陸上銅メダリスト『藤光謙司』にとってのファッションとは。「第6回アスリート・ドレッサー・アワード」受賞者vol.3
2017年ロンドン世界陸上4×100mリレーで銅メダルを獲得した日本チームでアンカーを務めた藤光謙司選手(ゼンリン)。大旋風を起こし続ける短距離界のリーダー的存在とも言える藤光選手は、ファッションについてどのように考えているのであろうか。単独インタビューを試みた。
佐久間秀実
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2017/12/22
小学生時代は浦和でサッカー少年として過ごす。中学生になると個人での結果を追求したくなり、友人からの誘いもあったことから本格的に陸上を始め、3年生の時に100mと200mで全国大会への出場を果たす。
そして、高校2年生の時に日本代表選手として世界ユース選手権200mとメドレーリレーに出場し銅メダルを獲得。
その後、日本選手権200mで3位となり、世界陸上200mと4×100mリレーに出場し、リレーでは4位に入賞。
日本選手権200m優勝。
アジア大会200m2位。4×100mリレー2位。
世界選手権200m出場。4×100mリレー6位。
300m日本新記録及びアジア新記録を達成。
数々の結果を出し続けてきた藤光選手は、2017年8月の2017年ロンドン世界陸上4×100mリレーでアンカーを務め銅メダル獲得の原動力となった。
現在31歳でありながら進化し続ける藤光謙司選手にとって、ファッションとは、どのようなものであるのか。話を伺ってみた。
――ファッションについて、どのように考えていますか。
藤光:ファッショナブルなアスリートが活躍すれば見え方が良いと思いますので、競技とファッションを結び付けて考えています。普段からファッション性が必要だと意識して競技を行っていますね。
――勝負カラーは、ありますか。
藤光:ゴールドですね。選手として目指しているのが金メダルで、身体のケアなどで金箔パックをしています。金には物凄くパワーがありまして、血流の流れを善くしてくれたり、リラックス効果があったりだとか、パフォーマンスをするにあたって物凄く良い影響をもたらしてくれます。縁起が良いカラーでもあるので、試合の時に必ず金が入ったものを身に付けています。
――大活躍をされたロンドン世界陸上の時にも、金を身に付けていましたか。
藤光:あの時は、金のネックレスを持っていきまして、切れるはずがないのに試合前に切れたので身に付けることができなかったんですよね。リレーの予選ではリザーブでしたし、サッカーのミサンガが切れるように何かの予兆だったのではないかと思います。決勝ではアンカーを走るというチャンスが巡ってきましたし、ゴールドは僕に好運をもたらしてくれているので、非常に大切な色であります。
――シューズへのこだわりは、ありますか。
藤光:競技の時に使う道具がシューズのみなので大切ですし、フィット感や自分の身体の使い方に合っているものを選ぶようにしていますね。人間の身体は毎日一緒ではないですし、靴についても毎日替えなければならないと思って選んでいます。
ファッション的なところでは、お洒落は足元からと言われていますし、足元のお洒落は非常に大切であると思い、靴に合わせて何を着るかを決めています。移動が多いので動き易さを考えてスニーカーを履くことが多いですね。
――普段は、どのような服を着ていますか。
藤光:シンプルイズベストで、スタンダードでジーンズに白Tみたいな感じなんですが、どこかにワンポイントで普通じゃない何かを取り入れています。自分にしか分からない見えないお洒落を楽しんでいますね。
――最後に、今後の展望をお聞かせいただけますか。
藤光:今年は、色々な場に露出をする機会が増えました。僕は、競技だけでなく競技以外でも見てもらうことが大切だなと思っています。陸上は、まだまだメジャーではなく、ようやく最近陽の目が当たり始めましたし、競技場を観衆で一杯にしたいですね。競技をしっかりとやりつつ、活躍の場を広げていけるようにできたらと思っています。 (了)
【プロフィール】
藤光謙司(ふじみつ けんじ)
1986年生まれ。陸上競技選手。
ゼンリン所属。300mの日本記録保持者。2017年ロンドン世界陸上4×100mリレー決勝でアンカーとして激走し見事銅メダルを獲得。31歳となった今でも進化をし続け、日本短距離チームを情熱で支えるリーダーとして選手達から絶大な信頼を得ている。
公式Twitter:https://twitter.com/kenny_0501
公式Instagram:https://www.instagram.com/gold_kenny51/
取材協力/Athlete Safari 阪急メンズ東京
写真提供/「日之出出版」
トップ写真/佐久間秀実