DMMが欧州サッカーに描く夢 「vol.2 シントトロイデン市と共に!」
昨年の11月にDMMがベルギー1部リーグのシントトロイデンの経営権を取得した。なぜベルギーのチームを買収したのか?たくさんのなぜをシントトロイデンの会長でDMM.comの取締役を務める村中悠介さんに聞かせて頂いた。Vol.2では現在の組織やチームのスポンサーについてなどの話を聞きました。
菊池 康平
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2018/04/28
Vol.1はこちらから
――日本人選手の話になりますが、冨安健洋選手の獲得はU20日本代表の試合を見て決めたんですよね。やっぱり戦えるからですか?
村中 そうですね。あとは名古屋グランパスとのJ1昇格プレーオフでの決勝の試合の印象も強いです。
あの試合の前に代理人が「海外を含め色んな方が見てると思うので、がんがん当たれるってところを見せた方が良いんじゃない」って発破をかけていたらしいんです。相当激しくいっていましたよ。
でもベルギーではあれくらい激しいほうが良いですね。今は治ったのですが、怪我をしていたのでまた再発しないように慎重に復帰してほしいです。
――まずはクラブの株式の一部を取得して信頼関係を重ねバランスを見ながら進めてきて、昨年の11月に株式を完全に取得しましたよね。今の組織体制はどのような形ですか?
村中 今、組織が変わって、前オーナーはいなくなりました。またCEO(実際の現場の責任者)の人と立石さんが交代しました。
それに伴い、組織と役割などを見直している感じですね。テクニカルディレクターも探していたんですがやっとベルギー人のテクニカルディレクターと契約することが出来ました。
――テクニカルディレクターってどんな役割なんですか?
村中 まず、トップチームとセカンドチーム、ユースチームのアカデミーの強化も最初は兼ねないといけないと考えています。1つのチームをどうしていくか見れるような役割を担います。
――ユースなどの育成の組織はどうなっていますか?
村中 ユースとか下部組織がNPOになっていて別の組織になっているんです。今のシントトロイデンの役員にNPOの代表だった人が入っているので、まずはそこのリレーションをします。
どういうフィロソフィーでクラブをどうしていくのかなどを決めて、それに向かってみんなが同じ方向に向いていかないといけないんです。
――なぜ今まで育成が別の組織に分かれていたんですか?
村中 色々な理由はあったと思います。今まではどちらかというと外からフリーの選手を取ってきて、試合に出して、また出ていってを繰り返していたチームなんで。下部組織から選手を引き上げることをメインにしていなかったと思います。
もちろん下部組織から育ってきた選手はいるんですけど、方針の問題だったと思うんです。今後は下部組織からいい選手を採用して、育てていきたいと考えています。
――ユースなどの下部組織の監督などをまずは変えていかないといけないんですかね?
村中 ユースはそんなに弱くなくて強いんですよ。あとはやり方で変わるかなと考えています。育てた良い選手が出て行っちゃったりとかあるので。
良い選手だとどうしても強いチームから声がかかれば出ていっちゃうじゃないですか。それをどうすればいいか?どこのチームでも同じですが、例えばベルギーで1番強いアンデルレヒトの選手でもスペインから声かかったら引き抜かれちゃいますよね。
ではどうやってクラブに残りたいと思わせるかを考えないといけませんよね。「残りたい環境」なのか「残りたい指導者」なのか。街が好きとか、チームに憧れがあるとか、いろんな意味で総合的にうまくやっていかないと良い選手は残ってくれない。
そういう意味ではJリーグはうまくいっているのかなって思いますね。ユース世代がほかのチームに行っちゃうことは少なく、基本はユースで育ったトップチームにいくパターンが多いですよね。
日本は出来ていてなぜこっちはできないのか、その辺を突き詰めたいです。子供なんで本当は地元にいた方が親のサポートなどもあるし、いいはずなんですけれどね。
――地域密着で一貫して地元の選手を育ててトップチームに上げていって、地元のヒーローになってくれたら盛り上がりますよね。
村中 今、左サイドバックがユースから上がった地元の選手なんです。ただそういう選手が今一人なんで、今後どんどん増やせたらいいなって思います。
そうなると応援されるし、そういう雰囲気が必要ですね。バランスもあると思うので全員は出来ませんが、3~4人いてもおかしくないと思っています。
――今はローカル企業のスポンサーや広告がたくさん入っていると思うんですけれど、今後は日本の企業をスポンサーにしたいなどの考えはありますか?
村中 今季途中からチームを経営しているので、来季からの契約で色々な企業とは交渉しています。日本側で動いて日本の企業をあたっています。
――日本の企業をとるメリットや、どんな企業をターゲットにしているかなどを教えてください。
村中 もともとベルギーに会社があるところをあたっています。日本人会に入ったりして、お付き合いさせて頂いたりしています。
日本は日本で、もちろんメリットがでるように交渉をしています。ベルギーで広告を出すとか、日本でサッカー教室を開催するとかいろんなパターンがありますよね。
相手が何を求めているかを大事にしますが、今までやったことがないので状況に応じて相談させて頂くスタイルです。
あとはシントトロイデン市がかなり協力的なんです。そういうところを活用していきたいなと思っています。街を使った実験じゃないですけど、こんなことやりたいとか、あんなことやりたいとかは、小さい街でコンパクトなんでやりやすいかなと思っているんです。
Vol.3に続く
写真提供:シント=トロイデンVV
STVV(シント=トロイデンVV)日本公式サイト
https://stvv.jp/
――日本人選手の話になりますが、冨安健洋選手の獲得はU20日本代表の試合を見て決めたんですよね。やっぱり戦えるからですか?
村中 そうですね。あとは名古屋グランパスとのJ1昇格プレーオフでの決勝の試合の印象も強いです。
あの試合の前に代理人が「海外を含め色んな方が見てると思うので、がんがん当たれるってところを見せた方が良いんじゃない」って発破をかけていたらしいんです。相当激しくいっていましたよ。
でもベルギーではあれくらい激しいほうが良いですね。今は治ったのですが、怪我をしていたのでまた再発しないように慎重に復帰してほしいです。
――まずはクラブの株式の一部を取得して信頼関係を重ねバランスを見ながら進めてきて、昨年の11月に株式を完全に取得しましたよね。今の組織体制はどのような形ですか?
村中 今、組織が変わって、前オーナーはいなくなりました。またCEO(実際の現場の責任者)の人と立石さんが交代しました。
それに伴い、組織と役割などを見直している感じですね。テクニカルディレクターも探していたんですがやっとベルギー人のテクニカルディレクターと契約することが出来ました。
――テクニカルディレクターってどんな役割なんですか?
村中 まず、トップチームとセカンドチーム、ユースチームのアカデミーの強化も最初は兼ねないといけないと考えています。1つのチームをどうしていくか見れるような役割を担います。
――ユースなどの育成の組織はどうなっていますか?
村中 ユースとか下部組織がNPOになっていて別の組織になっているんです。今のシントトロイデンの役員にNPOの代表だった人が入っているので、まずはそこのリレーションをします。
どういうフィロソフィーでクラブをどうしていくのかなどを決めて、それに向かってみんなが同じ方向に向いていかないといけないんです。
――なぜ今まで育成が別の組織に分かれていたんですか?
村中 色々な理由はあったと思います。今まではどちらかというと外からフリーの選手を取ってきて、試合に出して、また出ていってを繰り返していたチームなんで。下部組織から選手を引き上げることをメインにしていなかったと思います。
もちろん下部組織から育ってきた選手はいるんですけど、方針の問題だったと思うんです。今後は下部組織からいい選手を採用して、育てていきたいと考えています。
――ユースなどの下部組織の監督などをまずは変えていかないといけないんですかね?
村中 ユースはそんなに弱くなくて強いんですよ。あとはやり方で変わるかなと考えています。育てた良い選手が出て行っちゃったりとかあるので。
良い選手だとどうしても強いチームから声がかかれば出ていっちゃうじゃないですか。それをどうすればいいか?どこのチームでも同じですが、例えばベルギーで1番強いアンデルレヒトの選手でもスペインから声かかったら引き抜かれちゃいますよね。
ではどうやってクラブに残りたいと思わせるかを考えないといけませんよね。「残りたい環境」なのか「残りたい指導者」なのか。街が好きとか、チームに憧れがあるとか、いろんな意味で総合的にうまくやっていかないと良い選手は残ってくれない。
そういう意味ではJリーグはうまくいっているのかなって思いますね。ユース世代がほかのチームに行っちゃうことは少なく、基本はユースで育ったトップチームにいくパターンが多いですよね。
日本は出来ていてなぜこっちはできないのか、その辺を突き詰めたいです。子供なんで本当は地元にいた方が親のサポートなどもあるし、いいはずなんですけれどね。
――地域密着で一貫して地元の選手を育ててトップチームに上げていって、地元のヒーローになってくれたら盛り上がりますよね。
村中 今、左サイドバックがユースから上がった地元の選手なんです。ただそういう選手が今一人なんで、今後どんどん増やせたらいいなって思います。
そうなると応援されるし、そういう雰囲気が必要ですね。バランスもあると思うので全員は出来ませんが、3~4人いてもおかしくないと思っています。
――今はローカル企業のスポンサーや広告がたくさん入っていると思うんですけれど、今後は日本の企業をスポンサーにしたいなどの考えはありますか?
村中 今季途中からチームを経営しているので、来季からの契約で色々な企業とは交渉しています。日本側で動いて日本の企業をあたっています。
――日本の企業をとるメリットや、どんな企業をターゲットにしているかなどを教えてください。
村中 もともとベルギーに会社があるところをあたっています。日本人会に入ったりして、お付き合いさせて頂いたりしています。
日本は日本で、もちろんメリットがでるように交渉をしています。ベルギーで広告を出すとか、日本でサッカー教室を開催するとかいろんなパターンがありますよね。
相手が何を求めているかを大事にしますが、今までやったことがないので状況に応じて相談させて頂くスタイルです。
あとはシントトロイデン市がかなり協力的なんです。そういうところを活用していきたいなと思っています。街を使った実験じゃないですけど、こんなことやりたいとか、あんなことやりたいとかは、小さい街でコンパクトなんでやりやすいかなと思っているんです。
Vol.3に続く
写真提供:シント=トロイデンVV
STVV(シント=トロイデンVV)日本公式サイト
https://stvv.jp/