DMMが欧州サッカーに描く夢 「vol.3 ベルギー国王が来た時と同じ対応をされた日」
昨年の11月にDMMがベルギー1部リーグのシントトロイデンの経営権を取得した。なぜベルギーのチームを買収したのか?たくさんのなぜをシントトロイデンの会長でDMM.comの取締役を務める村中悠介さんに聞かせて頂いた。Vol.3ではJリーグのチームと業務提携をした理由や社交の場にもなるビジネスシートについての話などを聞きました。
菊池 康平
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2018/05/09
<Vol.2はこちら>
―― 一時期、霜田正浩(現レノファ山口の監督)さんがコーチに就任されましたが、現地の選手とのコミュニケーションはいかがでしたか?
村中 霜田さんは英語が出来ますので全然問題なく選手とコミュニケーションを図っていました。練習中に霜田さんの時間帯もありました。色々な練習メニューを知っていて、選手を飽きさせない様にバリエーション豊かな練習をされていました。
それが日本人指導者の良いところなのかなって思ってます。良い選手も発掘じゃないですけど「あの選手良いよね」などの話はしていました。何人か目立ってきそうだねって。
―― ファジアーノ岡山と大分トリニータとの業務提携をされましたよね。色々なチームがある中で、はじめにこの2チームを選んだ基準や狙いを教えてください。
村中 岡山はシントトロイデンと同じく地方都市で、課題感は似ているかなと思いまして。岡山と言ったら近くに大阪があって広島があって、四国があって挟まれていますよね。
どうやってファンや収入を増やしていくか?その工夫のところだったり、育成や良い選手をどう獲得していくか?と課題感は似ています。
大分もJリーグのチームに囲まれているので、やはり昔に比べると大変になってきていると思います。同じような課題感や、そこでのノウハウは都市型のチームとは違うところがあるのではないかと想像しています。そこのノウハウを共有できたらと考えています。
また、大分トリニータは我々のCEOの立石さんが以前に在籍されていたこともあり、課題感が分かっており、意思疎通を含めてやりやすい点が決め手となりました。
―― 業務提携をしてどのようなことを進めていきますか?
村中 まずは人的交流とスカウティングなどの情報共有です。選手の採り方やルールの違いなどを共有していきます。あとは育成も深いところを共有できればと考えています。
なかなか育成や選手の情報って入らないじゃないですか。上辺の良い選手などの情報しか入ってこない。何が良いのか?また育成の何が良いのか?具体的なことが知りたいです。
あとはどういうところでキャッシュポイントが運営的にあるのか。恐らく日本とベルギーでは運営面も全然違うと思うので共有したいですね。日本でうまくいっている施策をベルギーでも試したりしたいです。
あとは、入場者を増やす施策の共有やスタジアムセキュリティーをどうしているか?などなど沢山あります。
―― 入場者数の話がでましたが、ベルギーでは年間シートはどれくらいあるんですか?
村中 決めてないんですけれど、ほとんどは年間シートのお客さんですね。あとはビジネスシートが多いです。
―― ビジネスシートっていくらくらいなんですか?
村中 色々プランがあるんですが、そんなには高くないです。そこで食事して試合を観る流れです。
―― ロイヤルボックスなどで観戦することは日本では少ないですよね?
村中 そうですね。日本だとスタジアムの管理が、基本は自分達ではなく、行政とかじゃないですか。恐らく料理を出すだけでも大変だと思います。ビジネスシートはスポンサーメリットが大きいんです。お酒を飲みながら交流してるんですよ。
相手チームの会長さんとか、関連の人とかも実業家ばっかりなんで。そこで話してビジネスが生まれたり、社交の場が出来るんです。試合の2時間前に食事して、試合を見て、終わってからは飲んでいるんです。
以前に森岡(亮太)選手が出ていたベフェレンとうちとの試合があったんで見に行ったんですけど、相手がRemoFrit(レモフリット)という地元のポテト屋さんが会長のチームなんです。
食事した後に試合を見て、終わって負けたので帰りたいと思ったんですけど、そこからポテトとパンとビールが出てきて。20時キックオフなんで22時にですよ(笑)
食べないわけにはいかないので食べましたが。そのポテトを会長は食べさせたいんですよ!最初に出してくれればいいのに(笑)
でもみんな仕事で何かやっている人たちなので、繋がりはいいですね。例えば日本では、ファーストキッチンで「しゃかしゃかポテト」が流行っていますよ!とか教えたら、すぐやりそうですよ。距離感は近いですよね。それも含めてスポンサーさんに返せたらなって思いますね。
あとすごいのは、サッカーチームってすぐに記事になっちゃうんですよ。良し悪しはありますが(笑)裏を返せば露出が増えるじゃないですか!
ベルギーで何か広告しようと思っても、なかなか取り上げてもらえないと思いますが、サッカーの切り口だと取り上げられやすいんです。僕がベルギーに行っただけでパパラッチに写真撮られましたよ。こんなの記事になるのかな?って思っていました(笑)
市長のとこにもアポイント取って訪問したらすごい待遇をされたんですよ。3〜4人でしゃべるレベルを想像していたら、タスキみたいなのもかけられて。
そしたら、半年前にベルギー国王が来た時と同じ対応ですって。やり過ぎですよね!サッカーの凄さも改めて認識しました。せっかくなんでそういうのは使わなきゃなって思いますね。
Vol.4へ続く
写真提供:シント=トロイデンVV
STVV(シント=トロイデンVV)日本公式サイト
https://stvv.jp/
―― 一時期、霜田正浩(現レノファ山口の監督)さんがコーチに就任されましたが、現地の選手とのコミュニケーションはいかがでしたか?
村中 霜田さんは英語が出来ますので全然問題なく選手とコミュニケーションを図っていました。練習中に霜田さんの時間帯もありました。色々な練習メニューを知っていて、選手を飽きさせない様にバリエーション豊かな練習をされていました。
それが日本人指導者の良いところなのかなって思ってます。良い選手も発掘じゃないですけど「あの選手良いよね」などの話はしていました。何人か目立ってきそうだねって。
―― ファジアーノ岡山と大分トリニータとの業務提携をされましたよね。色々なチームがある中で、はじめにこの2チームを選んだ基準や狙いを教えてください。
村中 岡山はシントトロイデンと同じく地方都市で、課題感は似ているかなと思いまして。岡山と言ったら近くに大阪があって広島があって、四国があって挟まれていますよね。
どうやってファンや収入を増やしていくか?その工夫のところだったり、育成や良い選手をどう獲得していくか?と課題感は似ています。
大分もJリーグのチームに囲まれているので、やはり昔に比べると大変になってきていると思います。同じような課題感や、そこでのノウハウは都市型のチームとは違うところがあるのではないかと想像しています。そこのノウハウを共有できたらと考えています。
また、大分トリニータは我々のCEOの立石さんが以前に在籍されていたこともあり、課題感が分かっており、意思疎通を含めてやりやすい点が決め手となりました。
―― 業務提携をしてどのようなことを進めていきますか?
村中 まずは人的交流とスカウティングなどの情報共有です。選手の採り方やルールの違いなどを共有していきます。あとは育成も深いところを共有できればと考えています。
なかなか育成や選手の情報って入らないじゃないですか。上辺の良い選手などの情報しか入ってこない。何が良いのか?また育成の何が良いのか?具体的なことが知りたいです。
あとはどういうところでキャッシュポイントが運営的にあるのか。恐らく日本とベルギーでは運営面も全然違うと思うので共有したいですね。日本でうまくいっている施策をベルギーでも試したりしたいです。
あとは、入場者を増やす施策の共有やスタジアムセキュリティーをどうしているか?などなど沢山あります。
―― 入場者数の話がでましたが、ベルギーでは年間シートはどれくらいあるんですか?
村中 決めてないんですけれど、ほとんどは年間シートのお客さんですね。あとはビジネスシートが多いです。
―― ビジネスシートっていくらくらいなんですか?
村中 色々プランがあるんですが、そんなには高くないです。そこで食事して試合を観る流れです。
―― ロイヤルボックスなどで観戦することは日本では少ないですよね?
村中 そうですね。日本だとスタジアムの管理が、基本は自分達ではなく、行政とかじゃないですか。恐らく料理を出すだけでも大変だと思います。ビジネスシートはスポンサーメリットが大きいんです。お酒を飲みながら交流してるんですよ。
相手チームの会長さんとか、関連の人とかも実業家ばっかりなんで。そこで話してビジネスが生まれたり、社交の場が出来るんです。試合の2時間前に食事して、試合を見て、終わってからは飲んでいるんです。
以前に森岡(亮太)選手が出ていたベフェレンとうちとの試合があったんで見に行ったんですけど、相手がRemoFrit(レモフリット)という地元のポテト屋さんが会長のチームなんです。
食事した後に試合を見て、終わって負けたので帰りたいと思ったんですけど、そこからポテトとパンとビールが出てきて。20時キックオフなんで22時にですよ(笑)
食べないわけにはいかないので食べましたが。そのポテトを会長は食べさせたいんですよ!最初に出してくれればいいのに(笑)
でもみんな仕事で何かやっている人たちなので、繋がりはいいですね。例えば日本では、ファーストキッチンで「しゃかしゃかポテト」が流行っていますよ!とか教えたら、すぐやりそうですよ。距離感は近いですよね。それも含めてスポンサーさんに返せたらなって思いますね。
あとすごいのは、サッカーチームってすぐに記事になっちゃうんですよ。良し悪しはありますが(笑)裏を返せば露出が増えるじゃないですか!
ベルギーで何か広告しようと思っても、なかなか取り上げてもらえないと思いますが、サッカーの切り口だと取り上げられやすいんです。僕がベルギーに行っただけでパパラッチに写真撮られましたよ。こんなの記事になるのかな?って思っていました(笑)
市長のとこにもアポイント取って訪問したらすごい待遇をされたんですよ。3〜4人でしゃべるレベルを想像していたら、タスキみたいなのもかけられて。
そしたら、半年前にベルギー国王が来た時と同じ対応ですって。やり過ぎですよね!サッカーの凄さも改めて認識しました。せっかくなんでそういうのは使わなきゃなって思いますね。
Vol.4へ続く
写真提供:シント=トロイデンVV
STVV(シント=トロイデンVV)日本公式サイト
https://stvv.jp/