〜新しい形の引退式〜『田中浩康氏、HIROYASU祭りでファンと共に新たな門出を祝う』
2018年12月9日、14年間に及ぶプロ野球選手としてのキャリアを終えた田中浩康氏を囲みランチクルーズを楽しむ『HIROYASU祭り2018』が開催された。田中浩康氏はご存知、東京ヤクルトスワローズ、そして横浜DeNAベイスターズで活躍した名二塁手。二塁手として二度のベストナイン(2007年、2012年)、ゴールデングラブ賞(2012年)を受賞。そして史上6人目の通算300犠打と輝かしい成績を残した。
小林英隆
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2018/12/20
本イベントはスポーツ/エンターテイメントに特化した集団「スポタメ」、全国主要都市を高速バスで繋げる「WILLER TRAVEL」、クルーズ船で優雅な食事を楽しむことができる「ヴァンテアンクルーズ」らが協力することによって開催された。チケットは瞬く間に売り切れ、本イベントに対する期待度の高さを伺わせた。
会場入り直前の田中浩康氏
HIROYASU祭りで司会を務めるのはフリーアナウンサーの新保友映氏。明朗な声で場を和ませた。 SNSを積極的に活用した企画が特徴的 船内ではこのイベントに参加しなければ楽しむことができない企画が開催された。SNSを活用しながら企画を成立させたのが特徴的だった。代表的な企画を挙げると「田中浩康にリクエスト」。この企画はTwitterのハッシュタグ”#田中浩康にリクエスト”で集められたツイートの中から厳選されたものが、実際に実行された。
写真は実際に採用された田中浩康氏へのリクエスト。
「えっ、まさかこんなこともやるのか…?」という驚きの連続だった。SNS連動企画は他にも田中浩康氏へのメッセージを集めるためにも使われた。興味がある方はハッシュタグ”#田中浩康への手紙”をTwitter上で検索してもらいたい。ファンからの田中浩康氏への愛が溢れている。
◆田中浩康氏だからこそ語れるトークを堪能することができた
「田中浩康にリクエスト」が実行されていく過程で、プロ野球という選ばれた人間だけが集う世界で活躍を続けた田中浩康氏だからこそ語ることができるトークを堪能することができた。例えば「ベイスターズに入って一番衝撃的だったことは何ですか?」では、自身の所属した2球団の違いを分かりやすく我々に語ってくれた。他にもメジャーリーグから復帰した青木宣親選手についてや、2015年の東京ヤクルトスワローズの優勝決定試合でのエピソードを披露した。
トランプで選ばれたリクエストが実行された。
イベント中にファンからのリクエストに応えて赤ちゃんを抱っこする田中浩康氏。
横浜DeNAベイスターズ時代、若手と積極的にコミュニケーションを取り若手達の間で流行っている音楽を聞いてみたり、洋服を購入したとのこと。山崎康晃選手からの「Twitterで野球を盛り上げましょう!」というメッセージが田中浩康氏の琴線に触れたエピソードも。
田中浩康氏からファンに逆に質問する企画も。「東京ヤクルトスワローズファンの特徴と横浜DeNAベイスターズファンの特徴」などを質問した。
ファンへのグッズプレゼントコーナーも!田中浩康氏が現役時代に愛用していたグッズが惜しげもなくファンにプレンゼントされた。
司会を努めた新保氏は「浩康さんの人柄がよく表れていたと思います。ユニークな会話の中にも真面目さ、誠実さのようなものを皆様、感じることができたと思います」と語った。
グッズが当選した女性。「ヒーローインタビューでしか田中浩康氏の言葉をじっくり聞いことがなかったので今日は乗船してよかったです!」とのこと。
当選した男性。「グッズをもらえると思っていたので嬉しかった」とのこと。また「浩康さんの新たな一面を知ることができて参加してよかった」と満面の笑みを見せてくれた。
思い思いにランチクルーズを堪能した。 引退式の代わりになる花道を用意したかった
本イベントの発起人の一人である加藤謙次郎氏に本イベントの趣旨を訪ねた。加藤氏は「引退試合の代わりになる花道を何か用意できないかと考えて企画しました。素晴らしい実績を残した田中浩康氏が引退試合も無いのは寂しい。
そこでファンの皆様と区切りの機会を設けるために何かできないかと考えたのが発端です。クルーズ船の出港と、田中浩康氏の新たな人生への出港を掛けてみました(笑)」とのこと。
◆応援してくれたファンの皆様に挨拶ができて良かった
イベントを終えた田中浩康氏は「現役を引退した一つの区切り。自分を応援してくれたファンの皆様に感謝の声を届ける良い機会でした。本イベントは東京ヤクルトスワローズ時代に一緒に仕事をした加藤(謙次郎)さんの縁で繋いでいただきました。今後も縁を大切にしながら仕事をしていければと思います」と語った。
一人一人、丁寧にハイタッチでファンを見送る田中浩康氏。
ファンはそれぞれ、田中浩康氏への想いを伝えてから下船した。
◆新しい引退式を提示してくれた
筆者は本イベントを通して、新しい引退試合を提示されたように感じた。プロ野球選手は勿論、アスリートに必ず訪れる引退。華やかな引退式で見送られるのは一部だけで、ひっそりとキャリアを終えるアスリートのほうが多いだろう。
しかし本イベントのような趣旨のイベントが増えれば、ファンに暖かく見守られながら次のステージに旅立てるアスリートが増えることを意味する。ファンも応援していたアスリートへ門出の言葉をかけることができる。『HIROYASU祭り2018』は我々に新しい形の引退式を提示してくれたのだ。
取材・文/小林英隆
写真/牧田綾子
会場入り直前の田中浩康氏
HIROYASU祭りで司会を務めるのはフリーアナウンサーの新保友映氏。明朗な声で場を和ませた。 SNSを積極的に活用した企画が特徴的 船内ではこのイベントに参加しなければ楽しむことができない企画が開催された。SNSを活用しながら企画を成立させたのが特徴的だった。代表的な企画を挙げると「田中浩康にリクエスト」。この企画はTwitterのハッシュタグ”#田中浩康にリクエスト”で集められたツイートの中から厳選されたものが、実際に実行された。
写真は実際に採用された田中浩康氏へのリクエスト。
「えっ、まさかこんなこともやるのか…?」という驚きの連続だった。SNS連動企画は他にも田中浩康氏へのメッセージを集めるためにも使われた。興味がある方はハッシュタグ”#田中浩康への手紙”をTwitter上で検索してもらいたい。ファンからの田中浩康氏への愛が溢れている。
◆田中浩康氏だからこそ語れるトークを堪能することができた
「田中浩康にリクエスト」が実行されていく過程で、プロ野球という選ばれた人間だけが集う世界で活躍を続けた田中浩康氏だからこそ語ることができるトークを堪能することができた。例えば「ベイスターズに入って一番衝撃的だったことは何ですか?」では、自身の所属した2球団の違いを分かりやすく我々に語ってくれた。他にもメジャーリーグから復帰した青木宣親選手についてや、2015年の東京ヤクルトスワローズの優勝決定試合でのエピソードを披露した。
トランプで選ばれたリクエストが実行された。
イベント中にファンからのリクエストに応えて赤ちゃんを抱っこする田中浩康氏。
横浜DeNAベイスターズ時代、若手と積極的にコミュニケーションを取り若手達の間で流行っている音楽を聞いてみたり、洋服を購入したとのこと。山崎康晃選手からの「Twitterで野球を盛り上げましょう!」というメッセージが田中浩康氏の琴線に触れたエピソードも。
田中浩康氏からファンに逆に質問する企画も。「東京ヤクルトスワローズファンの特徴と横浜DeNAベイスターズファンの特徴」などを質問した。
ファンへのグッズプレゼントコーナーも!田中浩康氏が現役時代に愛用していたグッズが惜しげもなくファンにプレンゼントされた。
司会を努めた新保氏は「浩康さんの人柄がよく表れていたと思います。ユニークな会話の中にも真面目さ、誠実さのようなものを皆様、感じることができたと思います」と語った。
グッズが当選した女性。「ヒーローインタビューでしか田中浩康氏の言葉をじっくり聞いことがなかったので今日は乗船してよかったです!」とのこと。
当選した男性。「グッズをもらえると思っていたので嬉しかった」とのこと。また「浩康さんの新たな一面を知ることができて参加してよかった」と満面の笑みを見せてくれた。
思い思いにランチクルーズを堪能した。 引退式の代わりになる花道を用意したかった
本イベントの発起人の一人である加藤謙次郎氏に本イベントの趣旨を訪ねた。加藤氏は「引退試合の代わりになる花道を何か用意できないかと考えて企画しました。素晴らしい実績を残した田中浩康氏が引退試合も無いのは寂しい。
そこでファンの皆様と区切りの機会を設けるために何かできないかと考えたのが発端です。クルーズ船の出港と、田中浩康氏の新たな人生への出港を掛けてみました(笑)」とのこと。
◆応援してくれたファンの皆様に挨拶ができて良かった
イベントを終えた田中浩康氏は「現役を引退した一つの区切り。自分を応援してくれたファンの皆様に感謝の声を届ける良い機会でした。本イベントは東京ヤクルトスワローズ時代に一緒に仕事をした加藤(謙次郎)さんの縁で繋いでいただきました。今後も縁を大切にしながら仕事をしていければと思います」と語った。
一人一人、丁寧にハイタッチでファンを見送る田中浩康氏。
ファンはそれぞれ、田中浩康氏への想いを伝えてから下船した。
◆新しい引退式を提示してくれた
筆者は本イベントを通して、新しい引退試合を提示されたように感じた。プロ野球選手は勿論、アスリートに必ず訪れる引退。華やかな引退式で見送られるのは一部だけで、ひっそりとキャリアを終えるアスリートのほうが多いだろう。
しかし本イベントのような趣旨のイベントが増えれば、ファンに暖かく見守られながら次のステージに旅立てるアスリートが増えることを意味する。ファンも応援していたアスリートへ門出の言葉をかけることができる。『HIROYASU祭り2018』は我々に新しい形の引退式を提示してくれたのだ。
取材・文/小林英隆
写真/牧田綾子