元体育会ソッカー部な国会議員!元榮太一郎(参議院議員&弁護士ドットコム株式会社 代表取締役会長)のJリーグを世界一のリーグへ 「第1回:株式会社横浜フリエスポーツクラブ代表取締役COO 上尾和大 Vol.5」
1993年当時のJリーグと同時期にスタートしたイングランドのプレミアリーグの市場価値は1対1であった。しかし、現在ではかなりの差をつけられている。「どうすればJリーグがプレミアリーグに追いつくほど盛り上がるのか?サッカーに携わる方々の待遇がより良くなるのか?」そんな課題に対して、元体育会ソッカー部の元榮太一郎が動いた。サッカー関係者から話を聞き、実行に移していく新企画。第1弾はJ2リーグに所属する横浜FCの上尾和大社長との対談である。進行役はKING GEARの発起人である金子達仁が務めた。
菊池 康平
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2019/07/16
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――スタジアムを作る計画は、横浜FCさんとしてはどうなんですか?
上尾:まずはスタジアムを満員にしてから言えることですが、間違いなくずっとあのままではいけないとは思います。
ただ、三ツ沢公園という場所も含めて非常に愛着があるスタジアムですし、東京オリンピックの前からあるサッカー専用スタジアムとして、文化的に残しておかなければいけないという部分も大いにあるのかなと考えています。
ただ、この先にそれこそ日本1、世界1になることを考えた時には、今のスタジアムでは足りない面が多々ありますし、改修できるのであればベストかもしれませんが、周りの環境を考慮するとおそらく改修は難しいと思います。
――三ツ沢公園内の陸上競技場のところに4万人規模のスタジアムって作れてしまいそうな気がするんですけどね。
上尾:現実離れしているかもしれませんし、何のしがらみも考えずに申しますと場所としてはそこを改修するというのが一番の希望ですね。
愛着のある「三ツ沢公園」の中ですし、そこが一番イメージしやすいなとは思っています。
――それを実現するためのネックは?
上尾:ネックは、行政との関係などまだまだ課題は残っているかなと思います。
――政治の出番じゃないですか、元榮さん。プロ野球もそうですし、Jリーグのいくつかのチームでは、ボールパークのような形でスタジアム周りを盛り上げようという取り組みをやってるじゃないですか。三ツ沢はそれも厳しいんですよね?
上尾:そうですね。もっとスタジアム周りを盛り上げたいと思って提案してもなかなか自分たちの思う通りにはいかず許可がおりないのが現実です。
元榮:どういうことをやる時に許可が必要なんですか?
上尾:例えばキッチンカーですね。我々は今、スタジアムグルメをもっと充実させたいと思っています。
新しいお客さんや家族で来られた方たちも楽しめる、屋台や縁日のような非日常的なものがスタジアムに出来れば、多くの方たちが集まるのではないかと思うのですが、場所や火器の取り扱い等制限されてしまうんです。
簡単に言うとBBQみたいなものもできないんですよ。スタジアムの中に入ったら賑わいがありますが、スタジアムへ行くまでの段階でわくわくするような環境は作りづらいです。
――バス停から結構歩くし、ドイツやポルトガルなんかでは、駅を降りてスタジアムへ歩いていく前にダーッと店が並んで、ユニフォームを買ったり、酒を飲んだり、ホットドックを食べたりというのがワクワクじゃないですか。
それがゼロなんですよね。「誰のための公園?何のための公園?」というのが抜け落ちてしまっている気がします。みんなが楽しい思いをするのが公園だと思うんですけれど。
元榮:資金力のある企業がしっかり力を入れて、第2、第3段階の進化をする上で、そういうところにお金を使えるような企業に、もっともっとJに関わってもらうのが全ての始まりのような気がします。
――横浜FCさんのトレーニング施設は完全に自前ですか?
上尾:いえ、横浜市水道局様と賃貸借契約を結んで賃料をお支払いしております。
ーー特に資金が潤沢ではないJ3のチームになると、スタジアム使用料だったり、練習場の使用料はだいぶボディーブローにはなっているんですよね。これをなんとかしてあげられないかなとずっと思っていて。
元榮:ヴェルディをサポートさせて頂いてた時も、味の素スタジアムの使用料に相当な金額を払っていたと思います。国も地方合わせて1100兆円の借金の状態で、予算は本当に厳しいんですよ。やはり民間の資金を気持ちよく生み出すような制度設計の方が今の時代には合っていると思います。
今もどちらかと言えば、公園法に基づいて市が決めているようなキッチンカーがダメとかいうルールも、自由に活用できるようにするという制度変更一つで、子供が楽しめますよね。
自由にカスタムメイドできるように、ルール改正みたいなものはありかなという気がします。
――参考にしたいのはヤフオクドームのやり方ですね。スタジアム自体をグルメパーク化していくことで、試合のない日でも人とお金が動くようにしていく。
ヤフオクドームは常設のレストランも作ったんですよ。つまり試合がない時でもお客さんが来るレストランで、試合の日はそこから試合も見れます。
公園法を改正してレストランも作り、試合がない日でも駐車場が完備されて、すごく行きやすいですし、そこのスタジアムに行く習慣をつけてもらうことにもなりますよね。
良い腕を持っている若い人たちに安く貸し出して、集客してもらうというのは、ぜひやってもらいたいなと思っています。でも公園法がある限り無理ですよね?
元榮:公園法が結構ハードルになっていますね。そこに来てもらう人たちに楽しんでもらうことを前提に作られていないというか。管理の為に作っている状況ですよね。
上尾:そこがクリアになるだけで、我々もお客様を呼ぶ環境づくりにもっと力を入れていくことができますし、可能性を感じているところですが、なかなかスムーズにいかないんですよね。法律や規制が変わってくるようであれば、流れは少し変わってくるのかなと思いますね。
元榮:色々な課題や可能性がわかりました。出来るところから変えていきましょう。
(了)
写真:佐藤主祥
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――スタジアムを作る計画は、横浜FCさんとしてはどうなんですか?
上尾:まずはスタジアムを満員にしてから言えることですが、間違いなくずっとあのままではいけないとは思います。
ただ、三ツ沢公園という場所も含めて非常に愛着があるスタジアムですし、東京オリンピックの前からあるサッカー専用スタジアムとして、文化的に残しておかなければいけないという部分も大いにあるのかなと考えています。
ただ、この先にそれこそ日本1、世界1になることを考えた時には、今のスタジアムでは足りない面が多々ありますし、改修できるのであればベストかもしれませんが、周りの環境を考慮するとおそらく改修は難しいと思います。
――三ツ沢公園内の陸上競技場のところに4万人規模のスタジアムって作れてしまいそうな気がするんですけどね。
上尾:現実離れしているかもしれませんし、何のしがらみも考えずに申しますと場所としてはそこを改修するというのが一番の希望ですね。
愛着のある「三ツ沢公園」の中ですし、そこが一番イメージしやすいなとは思っています。
――それを実現するためのネックは?
上尾:ネックは、行政との関係などまだまだ課題は残っているかなと思います。
――政治の出番じゃないですか、元榮さん。プロ野球もそうですし、Jリーグのいくつかのチームでは、ボールパークのような形でスタジアム周りを盛り上げようという取り組みをやってるじゃないですか。三ツ沢はそれも厳しいんですよね?
上尾:そうですね。もっとスタジアム周りを盛り上げたいと思って提案してもなかなか自分たちの思う通りにはいかず許可がおりないのが現実です。
元榮:どういうことをやる時に許可が必要なんですか?
上尾:例えばキッチンカーですね。我々は今、スタジアムグルメをもっと充実させたいと思っています。
新しいお客さんや家族で来られた方たちも楽しめる、屋台や縁日のような非日常的なものがスタジアムに出来れば、多くの方たちが集まるのではないかと思うのですが、場所や火器の取り扱い等制限されてしまうんです。
簡単に言うとBBQみたいなものもできないんですよ。スタジアムの中に入ったら賑わいがありますが、スタジアムへ行くまでの段階でわくわくするような環境は作りづらいです。
――バス停から結構歩くし、ドイツやポルトガルなんかでは、駅を降りてスタジアムへ歩いていく前にダーッと店が並んで、ユニフォームを買ったり、酒を飲んだり、ホットドックを食べたりというのがワクワクじゃないですか。
それがゼロなんですよね。「誰のための公園?何のための公園?」というのが抜け落ちてしまっている気がします。みんなが楽しい思いをするのが公園だと思うんですけれど。
元榮:資金力のある企業がしっかり力を入れて、第2、第3段階の進化をする上で、そういうところにお金を使えるような企業に、もっともっとJに関わってもらうのが全ての始まりのような気がします。
――横浜FCさんのトレーニング施設は完全に自前ですか?
上尾:いえ、横浜市水道局様と賃貸借契約を結んで賃料をお支払いしております。
ーー特に資金が潤沢ではないJ3のチームになると、スタジアム使用料だったり、練習場の使用料はだいぶボディーブローにはなっているんですよね。これをなんとかしてあげられないかなとずっと思っていて。
元榮:ヴェルディをサポートさせて頂いてた時も、味の素スタジアムの使用料に相当な金額を払っていたと思います。国も地方合わせて1100兆円の借金の状態で、予算は本当に厳しいんですよ。やはり民間の資金を気持ちよく生み出すような制度設計の方が今の時代には合っていると思います。
今もどちらかと言えば、公園法に基づいて市が決めているようなキッチンカーがダメとかいうルールも、自由に活用できるようにするという制度変更一つで、子供が楽しめますよね。
自由にカスタムメイドできるように、ルール改正みたいなものはありかなという気がします。
――参考にしたいのはヤフオクドームのやり方ですね。スタジアム自体をグルメパーク化していくことで、試合のない日でも人とお金が動くようにしていく。
ヤフオクドームは常設のレストランも作ったんですよ。つまり試合がない時でもお客さんが来るレストランで、試合の日はそこから試合も見れます。
公園法を改正してレストランも作り、試合がない日でも駐車場が完備されて、すごく行きやすいですし、そこのスタジアムに行く習慣をつけてもらうことにもなりますよね。
良い腕を持っている若い人たちに安く貸し出して、集客してもらうというのは、ぜひやってもらいたいなと思っています。でも公園法がある限り無理ですよね?
元榮:公園法が結構ハードルになっていますね。そこに来てもらう人たちに楽しんでもらうことを前提に作られていないというか。管理の為に作っている状況ですよね。
上尾:そこがクリアになるだけで、我々もお客様を呼ぶ環境づくりにもっと力を入れていくことができますし、可能性を感じているところですが、なかなかスムーズにいかないんですよね。法律や規制が変わってくるようであれば、流れは少し変わってくるのかなと思いますね。
元榮:色々な課題や可能性がわかりました。出来るところから変えていきましょう。
(了)
写真:佐藤主祥