震災から10年 J1川崎フロンターレが川崎市内で募金を呼びかけ「支援はブームじゃない」
昨季2冠のサッカーJ1リーグの川崎フロンターレは、東日本大震災から10年の節目となる3月11日に川崎市内で募金活動を実施。クラブOBの中村憲剛氏(現FRO)や井川祐輔氏らも参加し、被災地への変わらぬ支援を呼び掛けた。
白鳥 純一
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2021/03/16
2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年の節目を迎えたこの日、サッカーJ1リーグの川崎フロンターレは、武蔵溝ノ口駅と溝の口駅を繋ぐペデストリアンデッキで募金活動を実施。
クラブのFRO(フロンターレ リレーションズ オーガナイザー)を務める中村憲剛さんや、クラブOBの井川祐輔さんなどが参加し、被災地への変わらぬ支援を訴えた。
マスコットのカブレラとともに、募金箱を持って街頭に立つ井川祐輔さん。2017年までチームに在籍し、DFとして活躍した。
「支援はブームじゃない。」を合言葉に、10年に渡って被災地の復興支援を行ってきた川崎フロンターレ。津波の甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市では、サッカー教室の開催や算数ドリルの寄付といった活動を10年に渡って継続してきた。
2015年には、陸前高田市とクラブによる友好協定「高田フロンターレスマイルシップ」を締結。支援だけではなく、日本酒造りなどの多岐に渡る交流を今も続けている。
募金を呼びかける川崎フロンターレのマスコットのふろん太と、応援番組「囲碁将棋と明日美のハッピーフロンターレ」(ラジオ日本)のMCを務める奥田明日美さん。
「SukiSukiフロンターレ」(iTSCOM)のMCを務める阿井莉沙さんと、フロンターレユースの皆さんも活動に参加し、募金を呼びかけた。
3月10日に等々力競技場で開催されたヴォルティス徳島戦の試合前には、感染対策を施した上で、選手達による募金活動を実施。サポーターが長蛇の列を作った。
昨シーズン限りで、18年間の選手生活に幕を下ろした中村憲剛さん(現FRO)は、募金活動を終えた後で囲み取材に応じ、「震災はいいことではないですけど、10年後にこのような(募金活動という)形で表現された。非常に感慨深いことですし、プロサッカークラブとしての存在意義もあったと思う」と、活動について言及。
この日の募金活動には、2011年9月に陸前高田で行われたサッカー教室に参加したという菅野朔太郎と酒井涼羽さんも参加。
中村憲剛さんは、「一緒に楽しくボールを蹴ったことがきっかけで、2人はここにいる。人生の変えるきっかけを作った」と、当時小学生だった2人と出会いや、その後の成長を感慨深げに語った。
現役時代の中村憲剛さんをはじめとする、フロンターレの選手と初めて出会った10年前のことを尋ねられた2人は、「テレビで見ていた選手たちが目の前にいる感動や驚きがあり、これからも頑張ろうという気持ちになった」(菅野さん)、「田舎でプロサッカー選手に会えることはめったになかったので、運命的なものを感じた」(酒井さん)と、当時を振り返った。
甚大な被害を及ぼした東日本大震災から10年の節目を迎えたが、今もなお3割の人が「復興が実感できていない」というデータも発表されており、今もなお、その傷跡の深さが窺える。(NHK世論調査より)
当時の記憶が鮮明に思い出された今だからこそ、改めて被災地に寄り添う支援のあり方を考えられてみてはいかがでしょうか。
【東日本大震災復興支援活動 Mind-1ニッポン プロジェクト 募金口座】
川崎フロンターレが実施している「Mind-1ニッポン プロジェクト」では、現在も被災者の援助や、復興のための募金を実施している。
■ 横浜銀行 武蔵小杉支店
横浜銀行 武蔵小杉支店 店番号 824 種目 普通 口座番号 6022220
口座名義 (株)川崎フロンターレ 東日本大震災義援金口 マインドワンニッポン
■ 川崎信用金庫 新城支店
川崎信用金庫 新城支店 店番号 010 種目 普通 口座番号 0734956
口座名義 (株)川崎フロンターレ 東日本大震災義援金口 マインドワンニッポン