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巨人がBC茨城に若さの出た敗戦 駒田3軍監督も「夢を喰われないように頑張れ」と奮起促す

ルートインBCリーグで初の地区優勝を果たした茨城アストロプラネッツと、読売ジャイアンツ(3軍)によるNPB交流戦が、9月4日に日立市民球場で開催された。 この日の試合は、勢いに乗る茨城が 11―9で勝利を収め、秋のドラフト会議を控えた茨城の選手たちにとっては、貴重なアピールの場となったようだ。今回は、読売ジャイアンツの駒田徳広3軍監督に、この日の試合の総括や、交流戦の果たす意義について伺った。

Icon fopv vbvqbakadu 白鳥 純一 | 2022/09/30

2022年9月4日(土) 日立市民球場 BC茨城対巨人 試合結果
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巨人: 八百板卓丸 1号  ソロ(1回・二宮) 
茨城: 大橋諒介  2号3ラン(7回
・京本) 

■バッテリー

巨人:
高田竜星、石田隼都、川嵜陽仁、鴨打瑛二 京本眞、山田龍聖-大津綾也

茨城:二宮衣沙貴、巽真悟、清水絢斗、高橋 国杜、渡辺 明貴、森祐樹
-佐久田英尚 

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――長丁場のゲームになりました。まずは、試合を振り返って一言お願いします。
 

駒田:結果的にはやられてしまいましたが、ミスがありつつも、全体的には良いプレーの多い試合だったと思います。 今日のような乱打戦では、試合中に色々と“ややこしいプレー”が起こりますけど、そのぶん勉強になることは多く出てきます。

特に、守備面でのミスは良い勉強になるので、色々な反省点や、選手の成長や未熟なポイントを踏まえつつ、これから練習していかなければいけないことを試合後のミーティングでも確認しました。

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――今日の試合では、直近のドラフトで指名された6投手が登板されました。

駒田:
ここまで順調にきて高い評価を受けてきた投手の中には、茨城の足を絡めながらの攻撃に翻弄されたこともあり、この試合ではやられてしまった部分もありました。

シーズンの残り試合が少なくなり、2軍の選手が1軍に呼ばれる機会が増えますが、それは同時に、3軍からも2軍に呼ばれるチャンスが生まれることを意味します。 

もし2軍に上がって、そこでも頑張れたら、今度はフェニックスリーグや、来春の1軍キャンプに帯同できる可能性も出てきますし、チャンスはどんどん広がっていく。 1年目の投手とかは、特にそういうケースが多いので、目の前のたった1イニングが、自分の野球人生の足を引っ張ることがないようにしないといけない。

「もし、先頭打者に打たれてしまったとしても、『次の打者で絶対に止める』という強い意志を持って、試合に臨んでほしい」と、選手たちには話しました。 

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4回は石田が3者凡退の好投を見せた。

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ドラフト2位ルーキーの山田も8回から登板し、無失点に抑えた。課題の制球力を向上させ、来季の1軍デビューを目指す。

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 ――交流戦に挑む選手たちに向けて、駒田監督が伝えている言葉はありますか?

駒田:3軍は、18歳から23歳くらいまでの選手たちで、編成されています。なので、経験豊富なチームと対戦した時とかには、どうしても我々の未熟な部分が出てしまうことがあるんですけど。そんな選手たちに、僕が日頃から伝えているのが「我々は夢を叶えたんじゃない。夢を叶えるのはこれからだ」という言葉です。 

今、3軍とは言えども、NPBの一員になれているのは、「誰かのプロ野球選手になりたい」という夢を喰ったからでもある。選手たちが上を目指すためには、「なぜ、自分がドラフトで指名されたか」というものを、試合で見せられる必要があると僕は思っていて。

「肩が強い」、「クレバーなプレイをする」、「凄い本塁打を打つ」と言った得意ジャンルで違いを見せられないと、やがて夢を喰われてしまう。アマチュア選手と試合をするということは、「『誰かに自分の夢を喰われかねない状況』に置かれていることを意味するんだ」とは伝えています。
 

――今年1年で、最もチームの成長を感じられた点はどの辺りですか??

駒田:まあ、どこまでを“成長”と捉えるかにもよりますが。特に高卒の投手に素晴らしい成長が見えた1年だったので、来年が楽しみです。

一方の野手も、徐々にではありますけども、成長の兆しが見えています。「どういう風に試合を進めていけば、勝ちにつながるか」とか、「ジャイアンツの選手らしい細かい野球を、一つずつ習得する」を考えながら、日々の練習に取り組んでもらいたいです。

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この日の試合で、茨城アストロプラネッツの1日応援団を務めた純烈。 

――最後になりますが、ファンの皆さんにメッセージをお願い致します。

 駒田:今日は、多くのお客様にお越しいただき、純烈も盛り上げてくださって良かったです。 純烈さんのように、色々な方が野球界を盛り上げて下さるのはありがたいですし、これからもスタジアムに足を運んでくれたら良いなと思っています。

BCリーグのような地元の球団と試合をすることで、我々も野球界を盛り上げたいですし、選手たちの成長を見守りながらも、社会の役に立っていけたら良いなと思います。