
元日本代表キャプテンに学ぶ、アスリートの新時代と“自分らしさ”の両立【木村沙織×髙田真希対談】
木村沙織×髙田真希 元日本代表キャプテン同士の対談よりー女子アスリートメディアB&がコスメブランドLUMIURGLASと国際女性デー特別イベント終わりの囲み取材を行った。バレーボール界とバスケットボール界、それぞれの第一線で活躍してきた。異なる競技でありながら、共にトップアスリートとして歩んできた二人が、お互いの第一印象から、現役時代の苦労、引退後の展望、そしてスポーツ界における女性アスリートの新たな価値観について、リアルな声をお届けする。※トップ画像撮影/松川李香(ヒゲ企画)

初対面の印象は? 二人が感じた共通点とは
――お二人は今回が初対面ですか?
木村:はい。北九州でのイベントの際にお会いしました。その時が初めてです。
高田:そうですね。私はテレビでずっと拝見していました。試合もよく見ていましたよ。
――今日、実際にお話をされて、お互いの印象はいかがですか?
木村:お互い人見知りなので、少し距離を取りながら話している感じでしたね。でも、話していくうちに共通点がたくさんあると感じました。
――今後、プライベートでも交流を深めていきたいと思いますか?
高田:そうですね。私はまだ現役ですが、引退後の世界は未知の部分が多いので、木村さんにぜひいろいろとお話を聞いてみたいです。今日の会話の中でも、アスリートならではの悩みや経験を共有できることが多くて、とても共感しました。
アスリートとメイク|“自分らしさ”を表現する時代へ
――ウォータープルーフのメイクについても話題に出ましたが、スポーツ選手の間でメイクは普及しているのでしょうか?

木村:私たちの現役時代は、バレーボール選手でメイクをしている人はほとんどいませんでした。でも今は、メイクをして試合に臨む選手も増えてきているように思います。ネイルをきれいにしていたり、血色をよく見せるために工夫をしていたりする選手もいます。
私自身、メイクが好きだったので本当はしたかったのですが、「メイクする時間があるなら練習を」という風潮があって、なかなかできませんでした。でも今は、見た目を整えることがモチベーションにつながるという考え方も広まりつつあります。日本でも、もっと自由に取り入れていけるようになればいいなと思います。
高田:そうですね。日本ではまだメイクをしてプレーする選手は少ないですが、海外の選手たちは当たり前のようにメイクをしています。昔は「メイクをする時間があるなら練習を」という考えが強かったですが、今は自分らしさを大切にする時代。ウォータープルーフのメイクなども進化しているので、好きな人はどんどん取り入れていいと思います。
次世代アスリートへ伝えたいことー「挑戦すること」の大切さ
――女性アスリートとして、これからの世代に伝えたいことはありますか?
高田:挑戦することはとても大切です。失敗を恐れずに、自分の可能性を信じて一歩踏み出すことが、成長につながると思います。特にスポーツの世界では、失敗から学ぶことが多く、それが次の成功へとつながることもあります。だからこそ、やりたいことがあれば、迷わず挑戦してほしいですね。周りの意見や常識にとらわれず、自分自身の信念を持って行動することが大事だと思います。たとえ思い通りにいかないことがあっても、それもすべて経験として自分の力になっていくはずです。後悔しないように、自分の道を切り拓いていってほしいです。
木村:バレーボール界では、年々競技を続ける期間が長くなってきていますが、一方で若い世代が早く辞めてしまうこともあります。その理由の一つに、「髪を染めてはいけない」「ネイルやメイクがダメ」といったルールがあると聞きます。そういった制約が原因で競技を続けられなくなるのはもったいないですよね。
自分の好きなことをしながら、気持ちを前向きにして競技に打ち込める環境があれば、もっと楽しく続けられるはず。最近はルールも変わってきて、ピアスやネイルが許されるチームも増えています。スポーツ選手だからといって型にはめられる必要はないと思います。自由なスタイルでプレーできる時代になってほしいですね。
トップアスリートから学ぶ次世代のリーダー論

トップアスリートとしての経験を共有し合いながら、お互いの世界に共感を抱いた木村沙織と高田真希。スポーツの枠を超え、女性アスリートの在り方も多様化している今、彼女たちのような先駆者が発信するメッセージには、大きな意味がある。競技に全力を注ぐことと、自分らしさを大切にすること。その両立を模索する次世代アスリートにとって、二人の言葉は貴重なヒントとなるに違いない。
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