「北極星」を携えたツアーのファイナルは、5年間のソロ活動の集大成となる圧巻のパフォーマンス  

遠回りもしたけど
回り道もしたけど
ここまでの道のりが今の僕を作ってる
go my way　go my way    

いまの自分と常に向き合い、その時の感情をアルバムやツアーに反映させてきた藤巻亮太が、今回のツアーのオープンニング曲に選んだのは「go my way」だった。

実は、この「go my way」、昨年の“藤巻亮太TOUR 2016 ～春祭編～”では、セットリストのラストを飾っていた曲だ。

それを今回のツアーで、あえて1曲目に選んでいるあたりに、前回のアルバムからの流れを汲みながら、自信を深めて今回のツアーに至っていることを表しているように思えた。  



続いてニューアルバムから「波音」、レミオロメン時代の人気曲「南風」と、キャッチーでポップなラブソングで、会場に訪れたファンのハートを鷲掴みにし、再びニューアルバムからチョイスされた「紙飛行機」へと続く。

この軽快なロックナンバーは、故郷に戻って原点回帰した藤巻亮太が、再び羽ばたいていこうという未来への決意を歌いあげている。    

紙飛行機
飛んで飛んで
故郷の街が 小さく見える  

みんな元気かい
俺は変わった
胸のざわめき
その先へゆくのさ    

強い眼差しで1点を見つめながら歌う藤巻亮太の姿に、彼の強烈な意思を見た気がした。
 

その後、ライブは中盤から終盤に突入すると、いよいよバンドの一体感は最高潮を迎える。

ホーンセクションを加え、「Have a nice day」「日日是好日」「ゆらせ」「花になれたら」「雨上がり」と一気に、アップテンポでハイテンションな曲を続け、会場のボルテージは、一気にMAXに。

オーディエンスのテンションを感じてか、時折笑顔を見せながら、明るい表情で歌う藤巻亮太の姿がとても印象的だ。

この日のライブのMCの中で、彼の口から出た「今が一番充実してる」「なんの悔いもない」といった言葉からもわかる通り、ソロ活動の中で、自分のやりたかったことがアルバムと今回のツアーでできたという充実感が溢れ出ていた。

 
そして最後に、レミオロメンのメンバーへの想いを綴った「北極星」、チベットで作った壮大なスケール感の「 Blue Jet」と、今回のアルバムを象徴する最重要曲を、エモーショナルに歌い上げて、本編が終了した。  

さらに、アンコールでは、ファンのぬくもりに包まれるように、バンドメンバーとともに、ツアーTシャツに着替えて、ステージに再び姿を現すと、復興支援イベントである「ツール・ド・東北」のテーマソング「LIFE」、アルバムの最後を飾った人生の讃美歌のような曲「Life is Wonderful」、弾き語りによる「3月9日」を演奏し、全国9都市を回ったライブツアーは幕を下ろした。    

常に今の自分と向き合ってきた藤巻亮太だから、今回のセットリストは、今後の活動の道しるべになるような大きな意味が込められていることだけは容易に想像がつく。  

シンガーソングライターとして、大きな殻を破った感のある彼はがこの先、どんなストーリーを紡ぎ出してくれるのか。ますます彼の今後から目が離せなくなった。    


セットリスト
1.   go my way
2.   波音
3.   南風
4.   紙飛行機
5.   優しい星
6.   ハロー流星群
7.   かすみ草
8.   マスターキー
9.   月食
10. another story
11. 愛を
12. Have a nice day
13. 日日是好日
14. ゆらせ
15. 花になれたら
16. 雨上がり
17. 北極星
18. Blue Jet

アンコール
19. LIFE
20. Life　is Wonderful
21. 3月9日  


取材・文：瀬川泰祐
Live Photo by AZUSA TAKADA