%e7%ac%ac1%e8%a9%b1 %e8%a1%a8%e7%b4%99

なぜ水中から陸上に?元水泳メダリストの星奈津美が東京マラソンへ挑戦!「Vol.2 ハーフで知ったフルマラソンの恐ろしさ 」

ロンドン五輪とリオ五輪で200mバタフライに出場し、2大会連続で銅メダルを獲得した星奈津美さん。そんな星さんは2016年10月に引退し、現在は今週末25日に開催される東京マラソン2018に向けて最終調整中だ。Vol.2ではハーフマラソンの大会に出場し、フルマラソンの恐ろしさを感じた話などを聞いた。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2018/02/22
Vol.1はこちらから

――走るのは、苦痛ではなかったですか?ただ走るのって学生時代の部活だったら、罰ゲームのような存在だったじゃないですか?   

:きつかったです(笑)主人が行けなくて一人で走ることになった時は、全然気が乗らなくて。1人で走ると話す相手もいないですし、早く終わらせたくなって、ペースが速くなってしまうんですよ。ペースが上がりすぎちゃって足に負担がかかり、11月にシンスプリントになりました(笑)
   


――凄い共感できます。同じ理由で私も長距離を走る際は常に誰かと走ってもらってました。シンスプリントはマラソンをしている方によく起こる故障ですよね。今は大丈夫そうで良かったです!走り始めて何か気持ちの変化はありましたか?   

:走り終わった後の達成感はありますね!昨日はたくさん走ったから今日は泳ぐ日にしようと思って、30分泳いでも、慣れから楽な泳ぎ方をしてしまって全く疲れないのでカロリーが消費されないんです。ただのリラックスになってしまうんです。走った方が追い込めるんですよ。

Thumb dscf0772

――話が戻りますが結局、年内は15kmくらいまで走る距離を伸ばせたんですよね?   

:実は12月23日に西岡コーチと荒川で開催されたハーフマラソンに出たんですよ。大会の雰囲気を知ることと、今の自分がどれくらい走れるかを確認したく出場しました。目標を2時間10分(1キロ6分前後ぐらいのペース)としました。   

――結果はどうだったんですか?   

:スタートから同じペースで走ることを第一に走りました。自分にとって未知の距離である15km以降に股関節まわりがつまったり、足が張ってきたりはしましたが、完走できました。タイムは2時間6分でした!   

――目標達成ですね!!15Km以降の星さんにとっての未知の世界はいかがでしたか?   

:まず思ったのが「ハーフでこんなにきついのか・・・」というのが一番でした(笑)フルマラソンは恐ろしいなと思いましたよ!
 

走る前は、ゴールする瞬間に「あと倍はまだしも、もうちょっと走れるなと」と思えるかなと予想してたんですけど、結構いっぱいいっぱいでした。初めて体験する距離で、足に痛みが出たのが一番大きかったかもしれないですね。   


――ハーフでも走りきれたことは自信になったんじゃないですか。数か月前は全くゼロだったじゃないですか。 

:そうですね。走り切れましたし、タイムも目標より良かったので、出場しておいてよかったと感じてます。   

――個人的な課題なんですが、トイレに行きたくなったりしませんでした?私は大阪マラソンを走った際もスタート直後から行きたくなりトイレを常に探して走っていました(笑)   

:実際、トイレが行列だったんですよ!私は大丈夫だったんですが実際に大会に出てみて トイレも想定しておくのは大事だと思いましたね。ウォーミングアップもストレッチなどをしっかり出来なかったので、次への課題となりました。   

――走っている最中にゼリーなどの栄養補給はしましたか?   

:アミノ酸の粉末だけ、最後の5kmで飲みました。それまでも給水は意識して取りました。   

――給水の仕方も大会に出ると経験になりますよね。ご主人も同じタイムで走り切ったということですが、スポーツをしていた方なんですか?

 :部活程度のスポーツはやってたみたいです(笑)東京マラソンに普通に応募してたまたま当たったんですよ。それもあって物凄くモチベーションが高くて、このチャンスを無駄にしちゃいけないとか言って走ることに、はまってますよ(笑)   

――でも練習パートナーがいて本当に良かったですよね!   

:主人が走るからこの寒い中だけど一緒に練習に行かなきゃ!とかなり救われてはいます。年末年始も一緒に走ってました。主人が色々調べて「4日以上、練習を空けてはいけない!」と言っていて大晦日ギリギリまで走りました。まあ元旦は休みましたけど(笑)


Vol.3へ続く

表紙写真提供:ミズノ株式会社

【プロフィール】

星 奈津美
Natsumi  Hoshi
     
■生年月日:1990 年 8 月 21 日 
■出身地:埼玉県 越谷市
■春日部共栄高校~早稲田大学卒~スウィン大教

2014 年 
ミズノ株式会社入社 ミズノスイムチーム所属

2017 年 4 月~ 
東洋大学非常勤講師         

2017 年 6 月~ 
(公財)日本水泳連盟 アスリート委員

【略歴】
 
競泳を始めたのは 1 歳半の時にベビースイミング教室に通い出したのがきっかけだった。 

鷺後小学校・栄進中学校を経て春日部共栄高校に進学すると、1、2 年生の時にはインターハイの 200mバタフライで 2 連覇を達成した。

3 年生の時には、日本選手権 200mバタフライ決勝で、高校新記録 2 分 07 秒 38 をだして 2 位となり、北京オリンピック代表に選ばれた。

早稲田大学・スウィン大教に籍を置きながら競技を継続、2014 年にミズノ株式会社に入社し競技を続ける。

その間、2015 年 8 月 世界水泳選手権 200m バタフライ決勝で、競泳女子の日本選手として大会史上初の金メダル獲得の他、3 大会連続のオリンピック出場・2 大会連続でメダルを獲得した。 

2016 年 10 月 国民体育大会をもって現役引退。現在、ミズノスイムチーム コーチを務めながら、水泳の普及活動を行っている。
 
【経歴】
2006 年 高校 1 年 インターハイ 200m バタフライで初めての全国大会優勝 

2007 年 ジュニアパンパシフィック大会にて初の日本代表入り
 
2008 年 北京オリンピック 200m バタフライ 10 位

2010 年 パンパシフィック選手権 200m バラフライ 5 位

2011 年 国際大会代表派遣選考会 200m バラフライ優勝 日本新記録(2:06.05)

世界水泳選手権 200m バタフライ 4 位 日本新記録更新(2:05.91)

2012 年 ロンドンオリンピック代表選考会 バラフライ優勝 日本記録更新(2:04.69)

ロンドンオリンピック 200m バタフライ 銅メダル獲得

日本学生選手権 200m バタフライ 4 連覇達成

2013 年 世界水泳選手権 200m バタフライ 4 位

2014 年 パンパシフィック選手権 200m バタフライ 準優勝

アジア大会 100m バタフライ 4 位 200m バタフライ 準優勝

2015 年 世界水泳選手権 200m バタフライ  優勝
※日本競泳女子選手では大会史上初の金メダル

2016 年 日本選手権 200m バタフライ  7 連覇
リオデジャネイロオリンピック 200m バタフライ 銅メダル獲得
※2 大会連続メダル獲得は、日本人女子 3 人目