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文武両道”から生まれたJリーガー中町公祐が歩んだサッカー人生とギアへのこだわり Vol.2

横浜F・マリノスのリーダー格であり選手会長の中町公祐選手。彼の人生はまさに”文武両道”という言葉で表される。Vol.2ではJリーガーから大学サッカーへ、そこから再度Jリーグへ挑戦という稀な経験から感じたサッカーへの想いを語ってもらった。

Icon       池田 鉄平 | 2018/08/09
vol.1はこちらか


ベルマーレからのクビ宣告、そして大学へ

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一度プロの扉をたたいて、湘南ベルマーレを退団した後、次を考えるタイミングでもあったと思います。特別自分でこうしたかったけれど上手くいかなかったことなどありますか??

 中町: これが全くなかったんです。湘南の4年間で66試合出てるんですよ。周りの同期と比べても出場している方ですし。

当時、あるクラブスタッフには、納得いかないことがある度に結構意見を言ってしまって・・・。今思えばもっとうまい伝え方あったんでしょうけど、当時は納得いかないことはとことんぶつかっていきましたね。

もうちょっと上手く解決をしていく方法をとれれば良かったんでしょうけれど、当時の自分にはその懐の深さはなかったのかもしれません。
 

――クビになった時、やはりショックでしたか。 

 中町: う~ん。なかったんですよこれが。逆に言うとクビになった瞬間というよりも、そのシーズン途中から全く出られなくなったことの方が悔しかったですね。

最後の勝負をかけていた年だったので。一回だけ泣きながら、「俺はJ1で活躍できる選手だ」と悔しさを噛み殺した日がありました。

ベルマーレをクビになったということに対するショックや、チームがなかったという悲愴感もあまりなく、「慶應でお願いします!」となった後は、自分の中では覚悟が決まっていたので、自分がJ1で活躍するイメージというか、漠然としたものだけど自分がステップアップしていくイメージは持っていました。

学生だと、試合に出られない選手が試合に出ている選手を応援するわけで、これってプロにはないこと。 プロだと、味方同士とはいえライバル関係だから、心の底から同じポジションの選手を応援できるといったら正直そうではない。

そういう意味で、慶応では原点を感じられたので嬉しさもあったし、監督に信頼される喜びもありましたね。

プロとして全部用意されている環境から、1からやっていくという環境が全く嫌ではなかったし、自分のタイプ的に、監督に信頼されることももちろん大事なのですが、自分に近い選手同士から信頼を得たかったので、その部員たちの信頼を得るために何をするか、ということを考えることがむしろ楽しかったです。
 

 Jリーグへの復帰した中町選手の現在地

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――その後アビスパ福岡に入り、改めてJリーグに戻られるわけですが、その時の思い出を教えてください。 

 中町: あの年(2010年)がいちばん楽しかったですね。プロとして自分が活躍して登っていくのを実感したのが、あの年でした。年間10得点取れたし、そしてJ1昇格もできましたし。

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 そして2012年、今の横浜F・マリノスの話がくることになりますね。 

 中町: 内情的には本当に悩みました。アビスパ福岡がJ2に降格してしまったし、その年はキャプテンでしたから。

ただ、ステップアップのためにはアビスパとは別れる時なのではないかなと。気が付けば7年マリノスにいますね。自分の中でもいちばん長いキャリアになっています。
 

――しがらみとか条件とか全く関係なく、本当はここでプレーしたかったという場所はありますか?

 中町: 国内でいうと、嘘偽りなくF・マリノスです。自分が小さい頃はヴェルディかマリノスの時代だった。マリノスのスマートさに惹かれていて、キャップとかも持っていたくらいです。

海外だと、英語圏の海外のクラブですね。サッカー選手として海外に行っておきたいという夢はありますよ。自分の中で興味があるのは特別ヨーロッパというわけではないですね。
海外ならどこでもというのはあります。 しいてあげるならアメリカですね。サッカー以外のエンターテイメントなところとかに惹かれます。 

――人生を考える上で、サッカー選手の人生が終わってからのことも色々考えることがあるかと思います。なにか今、こんなことがやりたい!と思うことはありますか?

 
 中町: 周りの幸せが自分の幸せという価値観なので、ボランティアや教育系などにかかわりたいなと思っています。

お金を稼いでも自分のために使うというよりは人のために使いたいですね。

アフリカにボールを送ったりとか。あと、今は病院との関わり合いの中で医療系のことで色々実行しているものもあります。その規模は今後も広げていきたいと思います。


vol.3につづく。 http://king-gear.com/articles/887


取材協力/横浜F・マリノス
写真/長田慶