俳優が語るギア Vol.1 勝村政信「初スパイクはアシックスのインジェクター。憧れは、選手名がついた高級モデル」
フットブレインの司会でもお馴染みの俳優・勝村政信。53歳を迎えても、現役でサッカーを続けるフットボーラーでもある。勝村さんが愛用するスパイクにはどんなエピソードがあるのだろうか? サッカー仲間でもある菊池康平が「フットボーラー勝村政信」の素顔に迫った。
菊池 康平
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2016/09/14
菊池 勝村さんには色々とお聞きしたい事があり、楽しみにしていました。早速ですが、ギアの話ということで、1番最初に買ったスパイクはなんですか?
勝村 アシックスのインジェクターです。サッカーを始めたのが中学からで、その時にインジェクターを履きました。近所の蕨スポーツでたまたま買ったのですが、インジェクターはそんなに高くもなく、ちょうど良かったんです。お店に行くと商品説明のところに『取替え式』と『固定式』と書いてあって、取替え式の方がお得なんじゃないかなと思って買いました。
菊池 取り替え式はスタッドを付け替える為のハンドルが付いていて、高級感がありますよね。
勝村 でも、いま考えると固定にしておけば良かったなと思っています。使用範囲が広いから。その当時、店に並んでいたのがプーマの「キングペレ」やアディダスの「ワールドカップ」でした。最高級のカンガルー革を使っていて、「スパイクにカンガルーの革を使うんだ!」という驚きがありましたね。
菊池 スパイクを選ぶ際に、こだわりはありましたか?
勝村 当時はアディダスが人気だったので、漠然とアディダスがいいのかなと思っていました。この時は西ドイツが強かったから、西ドイツのメーカーが間違いないのかなと。
菊池 当時、印象深いスパイクなどありましたか?
【西ドイツ代表のクラウス・フィッシャー】
勝村 サッカー選手の名前がついてるスパイクが多かったですよね。スパイクのベロの部分に顔がプリントしてあって。西ドイツ代表だった、クラウス・フィッシャーモデルとかね。フィッシャーは、当時放送されていた『ダイヤモンドサッカー』で、オーバーヘッドキックが代名詞になっていたんですよ。ほかにも「バイスバイラースーパー」というスパイクがあって、それがまたカッコ良くて欲しくて。
菊池 名選手の名前がついたモデルが流行っていたわけですね。
勝村 そう。ほかにも「ボンホフMG」(編注・元西ドイツ代表/ボルシアMGで長く活躍した名MF)というスパイクのラインがカッコ良くてね。メーカーはミツナガだったかな。でも中学生だから買えなくて…。
とにかく、よくショップへ見に行っていました。
菊池 他に印象に残っている選手はいましたか?
【西ドイツ代表のマンフレッド・カルツ】
勝村 マンフレッド・カルツもいたな〜。長身で、ストッキングを下げるタイプの選手でした。カルツもベロに顔が入っていたんです。当時は、スパイクに選手の名前がついてるだけでドキドキしましたよね(笑)。蕨のサッカーショップ「ドゥー」に、よくスパイクを見に行ってたなぁ。
菊池 僕も同じく、カッコいいスパイクに憧れてショップに見に行ってました。勝村さんほどではないかもしれませんが(笑)
第2回に続く
取材/菊池康平 写真/清水知良