「4470万」&「6億8000万」に「0」&「12」…データで見るNPBとMLBの違いとは?
NPBとMLB、それぞれの違いを“数字”を通して紐解いてみる。※トップ画像出典/Getty Images
「4470万」と「6億8000万」はなんの数字?
「4470万」と「6億8000万」はいったいNPBとMLBのなんの“数字”か?これについて杉谷は「分かってしまいますね。やっぱり現役時代も、この表を見ていましたから」とコメント。
正解は、“選手の平均年俸”。MLBジャーナリストのAKI猪瀬によると「MLBの平均年俸の分母になる数字は、各球団40人しかメジャー契約が結べないので、40×30=1200人の平均が6億8000万円」だそうだ。さすがメジャー、スケールが違う。
もちろん驚くべきは超高額年俸だけではない。MLBには、手厚い年金制度もあると補足する猪瀬。MLBでは、一定期間以上プレーをするともらえる年金制度があり、10年以上プレーすると満額の21万ドル(約3000万円)が62歳から生涯、毎年支給されるという。これまでMLBに10年以上在籍した日本人選手は、野茂英雄にイチロー、松井秀喜、大家友和、ダルビッシュ有投手の5人。
あと1年在籍すれば満額支給だった選手は、長谷川滋利、田澤純一、上原浩治ら3人。満額ではないものの、稼働年数によって年金がもらえるようだ。また選手の家族には、全員に保険料も別途支給される。まさに”至れり尽くせり”だ。
「146.6」と「151.6」…平均値では見えないMLBの“威力”
では「146.6」と「151.6」はなんの数字だろうか。正解は…ストレートの平均球速(km/h=キロ)。
猪瀬によると、パイレーツ所属のアロルディス・チャップマン投手は170.3キロを記録するMLB史上最速のボールを投げるそうだ。さらに2023年メジャーデビューしたエンゼルス所属のベン・ジョイス投手は、大学時代すでに169.8キロを投げていたという。
ちなみにNPBの最速は、日本ハム時代の大谷翔平投手(現ドジャース)とロッテ佐々木朗希投手が記録した165キロだ。
対戦したなかでストレートが一番すごかった投手を聞かれた杉谷は、「ダントツで、ソフトバンクホークスにいるリバン・モイネロ投手」と即答。「155~156キロだったんですけど、スピンの量と威力!モイネロの真っ直ぐは二度と打てない。火を噴くぐらい浮いてくる」と振り返った。
NPBでは考えられない!?MLBならではの「12」とは
では「0」と「12」これはいったいなんの数字だろうか。正解は、一軍出場経験のない監督の人数。
MLBには、出場経験のない監督が12人もいる。ダルビッシュ有と松井裕樹投手が所属するパドレスのマイク・シルト監督は、プロ野球の経験が全くない。高校、大学の野球コーチから、メジャースカウト、マイナーコーチと段階を踏んでMLB監督となったそうだ。
日本も負けていない「29219」と「29293」とは
さて、では「29219」と「29293」はなんの数字だろうか。正解は、平均観客動員数だ。
北米では長らく人気が低迷していたMLBだが、2023年シーズンは前年より観客動員数は増加している。杉谷さんは「お客さんの数を選手は見ていますね。やっぱり気にします。1つのプレーに湧きあがる歓声で気持ちがグッと上がる」とコメント。さや香の石井さんも「NGKと祇園(ぎおん)花月でテンション違うもん」と、客の数でテンションが違ってくるとボケていた。
MLBは毎年600人指名!「それでも少なくなった」
「120」と「600」はどうだろうか。正解は、ドラフトで入団する選手の最大人数。
NPBは各球団で原則10人なので、12球団で最大120人。MLBは20人なので、30球団で600人となる。AKI猪瀬によると「600人でもMLBでは少なくなった」とそうだ。2011年までは1球団が50位まで指名ができたというから驚きだ。
ドラフト経験がある杉谷は、「なかなか呼ばれなくて、これはダメだって思った6巡目に電話かかってきて、『次行きます』って言われて。『うわぁ良かった』って思って、会見場に行ったのを覚えています」と当時を振り返った。
『ABEMA MLB’s ON FLEEK』#8「MLB算スペシャル」より
配信日:2024年6月7日(金) 12:00 〜 12:15 毎週金曜に配信
内容:日本人選手の見どころ&独自の情報などMLBをもっと見たくなる情報を週1で発信。
※記事内の情報は放送当時の内容を元に編集して配信しています