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W杯最速決定の森保ジャパンに死角はあるかーアジアから世界仕様へ移行の“史上最強メンバー”の現在地

サッカー日本代表は、3月20日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第7節でバーレーンと対戦。2ー0で勝利を飾り、開催国であるアメリカ、メキシコ、カナダを除いては世界最速でW杯出場を決めた。25日に行われた第8節のサウジアラビア戦では0ー0の引き分けに終わったなか、これまで出番の少なかった選手に出場機会が与えられるなど、来年6月の本大会に向けて新たなサバイバルがスタートした。W杯優勝を掲げる日本が充実の陣容でアジアを席巻したなか、来年に向けて選手の入れ替わりは起こり得るのか。※トップ画像出典/Getty images

Icon 30716468 1048529728619366 8600243217885036544 n 井本佳孝 | 2025/04/02

カギを握る絶対的支柱の帰還

ここまでの最終予選の8試合で、失点数わずか2と圧倒的な数字を記録した日本代表。そんなチームで全ての試合に先発フル出場しているのがGK鈴木彩艶で、ここ数年で経験値を高めてサムライブルーの正守護神の座を掴んだ。浦和レッズからベルギーのシント・トロイデンを挟み、今季からはセリエAの名門パルマでレギュラーを務めて奮闘する。アンダー世代から切磋琢磨してきた大迫敬介、谷晃生との争いから抜け出した印象で、強国と親善試合を組む可能性がある森保ジャパンの戦いで、鈴木がさらなる進化を遂げられるかは来年のW杯においてもカギを握る。

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出典/Getty Images

CBでは最終予選全試合に先発出場した板倉滉が中心を担うなか、アーセナルでここ数シーズン故障離脱を繰り返す冨安健洋が戻ってこれるかが焦点。2年前のドイツとの親善試合ではスピードで互角以上に渡り合い、後方からの正確なビルドアップで攻撃面でも違いを出すなど、世界トップレベルのプレーを見せていた。町田浩樹、伊藤洋輝、瀬古歩夢らが候補に挙がり、高井幸大という20歳新鋭もいるものの、来年6月までに冨安が完全復帰への道のりを歩めるかにかかるところは大きい。

森保監督が最終予選で“攻撃的3バック”を敷いたことで影響を受けたのがSBの選手たちで、第二期の森保ジャパンにおいて4バックの右を務めていた菅原由勢は、最終予選2試合のみの出場でポジションを失った。しかし、今後世界の上位国と親善試合も考えられるなか、森保監督が3バック、4バックのシステムを併用することは考えられる。右では菅原や関根大輝、左ではCBもこなせる伊藤といった選手が引き続きスカッドに入っていくと予想される。

ステップアップも噂されるタレント

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出典/Getty Images

森保ジャパンの中盤のなかでも“鉄板”と呼べるのが主将の遠藤航と守田英正のコンビで、リバプール、スポルティングCPという名門でプレーする両者がW杯に向けてキーマンであることは変わらない。

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一方でこの2選手にアクシデントがあった際のバックアッパーは控えさせておく必要があり、前回メンバーでもある田中碧に加えて、今季ブンデスリーガ1年目から躍動する佐野海舟や、パリ五輪代表で主将を務めた藤田譲瑠チマといった選手が存在感を示せるかは注目となる。

最終予選ではWBに攻撃的な選手を採用した森保ジャパンのなかで、サイドアタッカーは豊富な人材を揃える。三笘薫、堂安律、中村敬斗、伊東純也が現在の主力であり、海外における経験値も豊富な4選手は引き続きストロングポイント。プレミアリーグでも屈指のドリブラーの評価を得た三笘や、ブンデスリーガで今季8得点を重ねる堂安はステップアップも噂されており、今夏にも移籍実現の可能性がある。W杯でもカギを握る2選手の動向は、森保ジャパンとのチームとしてのレベルアップにも関わってくる。

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出典/Getty Images

シャドーを担える存在としては久保建英、南野拓実、鎌田大地の3選手が定着しており、レアル・ソシエダで絶対的な存在に成長した久保は2026年大会を彩るひとりになる可能性がある。三笘、堂安らとともにステップアップが囁かれており、今夏の移籍市場でメガクラブへ挑戦を果たすのか。また、2010年の南アフリカW杯では本田圭佑が急成長で主力を担ったように若手選手の突き上げもチームのレベルアップへは求められている。そんななか、現在トルコのギョズテペでプレーする松木玖生は、所属チームで中盤だけでなく最前線を務めるなどプレーの幅を広げている。A代表では未招集であるものの、今後の活躍で割って入れるかは期待したい。

上田、前田は戦術のキーマンに

CFはカタール大会メンバーの上田綺世が26歳、前田大然が27歳と選手として脂が乗る時期であり、ポストワークで違いを作れる前者、前線からのプレッシングでチームを助ける後者は現在の代表においても戦術のキーマンとして機能している。一方3人目以降の争いは熾烈を極めており、最終予選で貴重なゴールを重ねた小川航基がスーパーサブとして存在感を示したなか、現在の調子にも左右される前線のポジションで、若手選手や経験豊富なベテランが存在感を見せれば序列が入れ替わる可能性は考えられる。

北中米W杯への出場を最速で確定させた森保ジャパンにとって、ここからの1年はこれまでのチームをアジア仕様から世界仕様へ移行させていく時期となる。これまで4度ベスト16の壁に阻まれてきたなか各選手は優勝を口にして、ベスト8以上の躍進を誓っている。各ポジションに世界各国で活躍するタレントを揃える“史上最強”と呼ばれる森保監督率いるチームが、ここからどのような積み上げを見せて来年に控える戦いに向かっていくのか。


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