Bリーガーに訊く!千葉の〝和製ビッグマン”伊藤俊亮が抱くギアへのこだわりVol.3「足で床を掴む動作が試合で最も重要なこと」
千葉ジェッツ・伊藤俊亮選手インタビューの最後は、プレイヤー視点からのバッシュの選び方について。そして、バスケを通じて伝えたいことを熱く、熱く語ってもらった。
佐藤 主祥
|
2017/06/29
<インタビュー第1回はこちら>
<インタビュー第2回はこちら>
―これからバスケをやりたい方に向けてお話して頂きたいのですが、伊藤選手が重要視しているバッシュの選び方を教えてください。
伊藤: まず、自分がプレイするにあたってどのくらい動くのか、その運動量によってバッシュの選び方は変わってきます。初心者や軽い運動くらいであればトレンドのローカットモデルで大丈夫だと思いますし、逆にがっちりとホールド感のあるシューズでは動きづらいと感じることもあります。
少し動きが本格的な感じになってきたら少しずつハイカットにしたりとか、実際に履いてみて感覚をチェックすることによる調整が必要になってきたりします。料理の味付け、味見、の作業ですね。
あとは、バスケットボールってシュートやリバウンド等でよくジャンプして踏み込むことが多いじゃないですか。その時の足の踏み込み方って人それぞれで癖みたいなのがあるんですよ。例えば、O脚の人はエッジから入る踏み込み方なので、シューズが外側のくるぶしに当たって痛めることがけっこう多いんです。こういう感じで…。
―確かに、着地した左足が外側に当たってしまっていますね。
伊藤: そうなんです。この動きで痛くなる人は、実はシューズの中のヒールカップという部分のエッジが当たっていることが多いです。本来はかかとを包み込むことによってホールド感や安定性を出す機能の為にありますが、動き方によってはずっと履いていると結構つらい痛みになります。
なので、お店で試せるのであれば履いた時に靴紐を縛って、くるぶしがバッシュの外側に当たって痛みが出そうかどうかチェックすると全然違うと思います。
―なるほど。サイズ感はどうですか?ジャストサイズがいいのか、それともちょっと余らせたほうがいいのか。
伊藤: バスケ選手はちょっとだけ余らせる人が多いですね。僕は特にテーピングを巻くので、サイズに余裕がないと履けませんし。
それに、シューズの中に余裕がないと試合中で”足で床を掴む”という動きができなくなり、実際によいプレーができないんです。そういう意味でも、フロアでしっかり自分のパフォーマンスを発揮できるように大きめのサイズを選んでいます。
―バスケ以外でも、そういう床だったりグラウンドの地面を掴む動きをするために、5本指ソックスを履く選手が増えていますよね。
伊藤:確かにそうですね。各メーカーでも力を入れていますし、それほど床を掴む動作が試合において重視されてきている、ということだと思います。
―では、日本におけるバスケットの発展についてお伺いしたいのですが、伊藤選手は個人的にもTwitterやブログでファンと交流されていますよね?これはバスケ界を盛り上げるという意味でも意図的に行っているのですか?
伊藤: はい、意識的に取り組んではいます。プロ化する以前とは比べられないくらいよくはなっていますが、バスケットボールはまだまだメディアに取り上げてもらえる位置にないと思います。
毎日スポーツニュースとしてバスケットボールの番組やコーナーがあるわけではありませんし、ブースターの皆さんに情報を発信していくためには個人が自分からやるしかないのが現状だと思います。
ただ、バスケットを仕事にしていると、調子や成績によって良い時もあれば悪い時もある。そういう気持ちに左右されながらSNS等をやっていると、すごく疲れて嫌になってしまうんですよね。なので、その感情をコントロールしながら、しっかり自分の広報もしつつ、どこかちょっと抜けているような良い雰囲気で言葉を発信出来るように意識はしています。
実は、今年の3月にJ2でキングカズこと三浦知良選手が50歳14日での最年長ゴールを決めた時に、文具を扱っている「株式会社キングジム」さんの公式Twitterに「J最年長ゴール記録おめでとうございます!」って、わざと間違えて絡んでみたんです(笑)。
お約束、みたいなものなのですが(笑)。キングジムさんは名前が男性っぽくてかっこいいのに、とても女子力の高い商品も多くTwitterアカウントの公式の投稿もその雰囲気が素敵なんです。
そうしたら「それキングカズさんな」ってしっかり突っ込んでくれたんですよ(笑)。
それがちょっとしたきかっけになって、あれよあれよという内にBリーグ全体に飛び火してしまって、キングジムさんの商品でBリーグとのコラボグッズ制作をやらせてもらえるようになりました。
―すごいですね!!そこから仕事に繋がるなんて(笑)。
伊藤: 本当にありがたいお話しなんですけど、こういった他企業との交流も含めて、今まで日本のバスケットボールを見たことがない人や興味がなかった人、色んな人に知ってもらえるきっかけになればと思っています。
―インタビューの最後に、伊藤選手がバスケを通じて伝えたい事があればお聞きしたいです。
伊藤:特に子供たちに伝えたいことなんですけど、新しい選択肢を見付けられる人間になってほしい、ということです。失敗したり、壁にぶち当たってしまうと、その道は「もうダメだ」と諦めて、段々と自分で選択肢を少なくしてしまう。その状態になってしまうと、自分はこれからどの方向に進めばいいのか分からなくなってしまいます。
バスケット教室では、何となくやらないで「積極的にやろうね」って子供達にはよく言うんですけど、この〝積極性”ってキーワードには受け身にならずに自分で道を切り開いていける、様々な選択肢を見付けることができる人になれるように、という意味も込めているんです。
なので、なんとなく目の前にあった選択肢だけに捉われず、自分の力で色んな将来への方向性を導き出してほしいと、僕はバスケットを通じて伝えていけたらなと思っています。
―素晴らしいお話しだと思います。これからの子供たちに、一人の人間としての可能性を広げるという部分で、一番重要な考え方ですね。伊藤選手に置き換えてみれば、バスケット選手という選択肢を掴み取ったわけですよね。
伊藤:そうですね。僕はそれをバスケットから学んだので、これまでの選手人生で得たものを一人でも多くの人に返していく。それができれば、ちょっとした恩返しになるのかなと。
そういう意味でも、バスケットというスポーツをより知ってもらえるように、今はバスケ観戦を文化にしていけるよう尽力したいと考えています。 バスケットボールを体育でやったことあるけど、それ以来関わりがなかった、って人も多いと思うので。
―最後に、千葉ジェッツは今期のレギュラーシーズンの観客動員数トップを誇る人気チームではありますが、今の時点で更にお客さんを増やすためのプランみたいなものはありますか?
伊藤:今はやっとアリーナで満席状態が続くようになってきたので、これからは座席の価格設定だったり、お客さんの出迎え方も考える必要があると思っています。
例えば、グッズを買いたいと思っても、チケットを買って会場に入らないと売り場まで辿り着けないので、アリーナの外に物販スペースを設けたりとか。
―アーティストのライブ会場みたいな感じがいいですね!
伊藤:そうですね!物販等のブースもたくさんあって、アリーナから漏れてくる歓声とかだけでも盛り上がれるような。試合はもちろんそうですが、会場がある敷地にいるだけで楽しめるように、もっと色々と選手間でも話し合って、 もっと多くのブースターさんにバスケットボールのいろんな楽しみ方を提案していけるように工夫を施していきたいですね。
取材協力/株式会社千葉ジェッツふなばし、株式会社ブースト
伊藤選手の所属クラブ 千葉ジェッツの情報は、こちらのバナーをクリック!
<インタビュー第2回はこちら>
―これからバスケをやりたい方に向けてお話して頂きたいのですが、伊藤選手が重要視しているバッシュの選び方を教えてください。
伊藤: まず、自分がプレイするにあたってどのくらい動くのか、その運動量によってバッシュの選び方は変わってきます。初心者や軽い運動くらいであればトレンドのローカットモデルで大丈夫だと思いますし、逆にがっちりとホールド感のあるシューズでは動きづらいと感じることもあります。
少し動きが本格的な感じになってきたら少しずつハイカットにしたりとか、実際に履いてみて感覚をチェックすることによる調整が必要になってきたりします。料理の味付け、味見、の作業ですね。
あとは、バスケットボールってシュートやリバウンド等でよくジャンプして踏み込むことが多いじゃないですか。その時の足の踏み込み方って人それぞれで癖みたいなのがあるんですよ。例えば、O脚の人はエッジから入る踏み込み方なので、シューズが外側のくるぶしに当たって痛めることがけっこう多いんです。こういう感じで…。
―確かに、着地した左足が外側に当たってしまっていますね。
伊藤: そうなんです。この動きで痛くなる人は、実はシューズの中のヒールカップという部分のエッジが当たっていることが多いです。本来はかかとを包み込むことによってホールド感や安定性を出す機能の為にありますが、動き方によってはずっと履いていると結構つらい痛みになります。
なので、お店で試せるのであれば履いた時に靴紐を縛って、くるぶしがバッシュの外側に当たって痛みが出そうかどうかチェックすると全然違うと思います。
―なるほど。サイズ感はどうですか?ジャストサイズがいいのか、それともちょっと余らせたほうがいいのか。
伊藤: バスケ選手はちょっとだけ余らせる人が多いですね。僕は特にテーピングを巻くので、サイズに余裕がないと履けませんし。
それに、シューズの中に余裕がないと試合中で”足で床を掴む”という動きができなくなり、実際によいプレーができないんです。そういう意味でも、フロアでしっかり自分のパフォーマンスを発揮できるように大きめのサイズを選んでいます。
―バスケ以外でも、そういう床だったりグラウンドの地面を掴む動きをするために、5本指ソックスを履く選手が増えていますよね。
伊藤:確かにそうですね。各メーカーでも力を入れていますし、それほど床を掴む動作が試合において重視されてきている、ということだと思います。
―では、日本におけるバスケットの発展についてお伺いしたいのですが、伊藤選手は個人的にもTwitterやブログでファンと交流されていますよね?これはバスケ界を盛り上げるという意味でも意図的に行っているのですか?
伊藤: はい、意識的に取り組んではいます。プロ化する以前とは比べられないくらいよくはなっていますが、バスケットボールはまだまだメディアに取り上げてもらえる位置にないと思います。
毎日スポーツニュースとしてバスケットボールの番組やコーナーがあるわけではありませんし、ブースターの皆さんに情報を発信していくためには個人が自分からやるしかないのが現状だと思います。
ただ、バスケットを仕事にしていると、調子や成績によって良い時もあれば悪い時もある。そういう気持ちに左右されながらSNS等をやっていると、すごく疲れて嫌になってしまうんですよね。なので、その感情をコントロールしながら、しっかり自分の広報もしつつ、どこかちょっと抜けているような良い雰囲気で言葉を発信出来るように意識はしています。
実は、今年の3月にJ2でキングカズこと三浦知良選手が50歳14日での最年長ゴールを決めた時に、文具を扱っている「株式会社キングジム」さんの公式Twitterに「J最年長ゴール記録おめでとうございます!」って、わざと間違えて絡んでみたんです(笑)。
お約束、みたいなものなのですが(笑)。キングジムさんは名前が男性っぽくてかっこいいのに、とても女子力の高い商品も多くTwitterアカウントの公式の投稿もその雰囲気が素敵なんです。
そうしたら「それキングカズさんな」ってしっかり突っ込んでくれたんですよ(笑)。
それがちょっとしたきかっけになって、あれよあれよという内にBリーグ全体に飛び火してしまって、キングジムさんの商品でBリーグとのコラボグッズ制作をやらせてもらえるようになりました。
―すごいですね!!そこから仕事に繋がるなんて(笑)。
伊藤: 本当にありがたいお話しなんですけど、こういった他企業との交流も含めて、今まで日本のバスケットボールを見たことがない人や興味がなかった人、色んな人に知ってもらえるきっかけになればと思っています。
―インタビューの最後に、伊藤選手がバスケを通じて伝えたい事があればお聞きしたいです。
伊藤:特に子供たちに伝えたいことなんですけど、新しい選択肢を見付けられる人間になってほしい、ということです。失敗したり、壁にぶち当たってしまうと、その道は「もうダメだ」と諦めて、段々と自分で選択肢を少なくしてしまう。その状態になってしまうと、自分はこれからどの方向に進めばいいのか分からなくなってしまいます。
バスケット教室では、何となくやらないで「積極的にやろうね」って子供達にはよく言うんですけど、この〝積極性”ってキーワードには受け身にならずに自分で道を切り開いていける、様々な選択肢を見付けることができる人になれるように、という意味も込めているんです。
なので、なんとなく目の前にあった選択肢だけに捉われず、自分の力で色んな将来への方向性を導き出してほしいと、僕はバスケットを通じて伝えていけたらなと思っています。
―素晴らしいお話しだと思います。これからの子供たちに、一人の人間としての可能性を広げるという部分で、一番重要な考え方ですね。伊藤選手に置き換えてみれば、バスケット選手という選択肢を掴み取ったわけですよね。
伊藤:そうですね。僕はそれをバスケットから学んだので、これまでの選手人生で得たものを一人でも多くの人に返していく。それができれば、ちょっとした恩返しになるのかなと。
そういう意味でも、バスケットというスポーツをより知ってもらえるように、今はバスケ観戦を文化にしていけるよう尽力したいと考えています。 バスケットボールを体育でやったことあるけど、それ以来関わりがなかった、って人も多いと思うので。
―最後に、千葉ジェッツは今期のレギュラーシーズンの観客動員数トップを誇る人気チームではありますが、今の時点で更にお客さんを増やすためのプランみたいなものはありますか?
伊藤:今はやっとアリーナで満席状態が続くようになってきたので、これからは座席の価格設定だったり、お客さんの出迎え方も考える必要があると思っています。
例えば、グッズを買いたいと思っても、チケットを買って会場に入らないと売り場まで辿り着けないので、アリーナの外に物販スペースを設けたりとか。
―アーティストのライブ会場みたいな感じがいいですね!
伊藤:そうですね!物販等のブースもたくさんあって、アリーナから漏れてくる歓声とかだけでも盛り上がれるような。試合はもちろんそうですが、会場がある敷地にいるだけで楽しめるように、もっと色々と選手間でも話し合って、 もっと多くのブースターさんにバスケットボールのいろんな楽しみ方を提案していけるように工夫を施していきたいですね。
取材協力/株式会社千葉ジェッツふなばし、株式会社ブースト
伊藤選手の所属クラブ 千葉ジェッツの情報は、こちらのバナーをクリック!