藤巻亮太インタビュー「なぜ歌い、なぜ登り、なぜ球を蹴るのか?」 Vol.3ヒマラヤで見つめ直せた人生
藤巻亮太といえば何を思い浮かべるか? 誰もが知っているレミオロメンの名曲の「粉雪」を思い浮かべる方が多いと思う。しかしながら私は登山を思い浮かべてしまう。なぜなら約5年前に初めて会った際にもらった名刺の強烈なインパクトが忘れられないからだ。Vol.3ではヒマラヤに行って感じた話や、辛かった時期にフットサルに支えられた話などです。
菊池 康平
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2017/11/07
<Vol.2はこちらから>
――ヒマラヤ!!かなりレベルが上がりましたね(笑)
藤巻 いきなりヒマラヤのカラパタールという5,000mオーバーの山でエベレストがすぐそこに見える山に行くという・・・(笑)
ーーでもその山も極端な話ですが、死ぬ可能性があるんじゃないですか?
藤巻 結局のところ登山経験があるとはいえまだまだ素人なので、クレパスとか雪崩とかがあるような山ではなくて、高山病だけ気を付ければ大丈夫なレベルの山です。トレッキングの延長でいける1番高い山の様な感じですかね。
ーー高山病は大丈夫でしたか?
藤巻 1回なりました。頭がズキズキしてきたので薬で対処しました。
ーー5,000mオーバーの山ってマイナス10℃とか15℃か聞きますが、かなり寒いですよね。
藤巻 山頂のほうはマイナス15℃で、体感温度になると風が吹いてたらマイナス20℃ぐらいになりますね。寒いので生姜湯を飲んで体温を上げながら登りました。
ーー確かギターを背負いながらですよね?
藤巻 そうそう(笑)山頂で弾いたらどうかなって思いギターを買って持っていきました。ギターはポーターさんが持ってくれたんですが。
ーー名刺の山頂でギターを弾いている写真はその時の写真ですね。登山って個人的にストイックなイメージがありますが、なぜ登るんでしょうか?
藤巻 素人の僕に聞きます?(笑)そこに山があるからって言ったほうがいい?(笑)
まぁやっぱり30代になった時にレミオロメンからソロになって、それが自分の中で大きな出来事で、すごく悩んで、レミオロメンを10年やってきた中での初期衝動とは違うものになっていき、本当にこれでいいのかなと思っていて。
それでも日常に追われすぎていて何が大変なのかもわからなくなって、自分を顧みる時間もない時期で、その時に初めてヒマラヤのあるネパールという物理的にも遠い土地に来て、そこで精神的にも離れられて自分を客観的に見つめ直すことができたんです。
網でいったら自分の心の目が詰まっていて、どうでもいいようなことをため込んでいくんですよね。旅していくと網の目が緩んでいくんですよ。
そうすると、どうでもいいことがどんどん自分から落ちてくのがわかって、そのことを考えると最初の富士登山よりもヒマラヤに登ったことが精神的に大きかったですね。
ヒマラヤの登山は2~3週間歩くので、物凄く自分と向き合えるし、客観的にもなれて「登山ってこういう気持ちになれるんだ!」と感じました。その経験は自分が30代の入り口で得た一番の宝物ですね。
ーーその2週間近くの間は「生きるとは?」とか考えますよね。
藤巻 そうですね。それでソロ活動をやる決意をしました。
ーーソロ活動をすることについては自分が伝えたいことをシンプルに伝えていきたいという想いがあったからでしょうか?
藤巻 日々の生活の中でも、やりたい事とやるべき事がごちゃ混ぜになっていくじゃないですか。趣味でやりたいことでもプロジェクトになってしまうとやるべきことになってしまう。
そのこと自体は否定はしませんが、やるべきことを積み上げていく中で自分が消耗していくのがわかるんです。
だからやりたいことをやろうと思って、レミオロメンの曲としてはちょっと個人的すぎる感じのダークな曲がいくつかあって、でもこれが今悩んでいる自分のリアルな姿だから、ここと向き合ったほうが前に進めるんじゃないかと思い「オオカミ青年」というアルバムを制作しました。
ーー確か2012年ぐらいですよね?
藤巻 その頃ですね。最初ソロになったときは登山のおかげで客観的になれた体験もあり、ただレミオロメンから借りてきたエネルギーをソロ名義で表現したので、一作目の作品を発表してライブまでやってしまうとその思いが成就してしまうんですよ。
そこからが大変で、語ることや歌うことがなくなっちゃって「オオカミ青年」から2作目の「日日是好日」まで3年半空くんですよ。ここが一番大変でしたね。そして現実逃避のように山に登り、現実逃避のようにフットサルをするという・・・(笑)
ーーちょうどその頃にフットサルで初めてお会いしましたよね。
藤巻 そうでしたね!ただそういう時でもスタジオには行くんですけど、できないんですよ曲が。何しに来たんだろうと思うほど不毛に終わる日々が長くて、精神的にまいるんですよ。
自分がどこに向かっているのかがわからなくなっている時期に、フットサルをやっている時間が1番の支えになりましたね。
スタジオ作業は基本的に1人でこもって1人で帰りますけど、フットサルをやる時は誰かに会って、フットサルして、終わって、ご飯を食べに行って、みんなで色々な話をするのも面白い。もちろん体を動かすのも面白い。2つの意味で自分の人生のバランスをとることができました。
そういう意味でも1番つらかった3年半は定期的にフットサルができたことで、心と体のバランスをとることが出来た、ありがたくてかけがえのない場所でしたね。
<Vol.4へ続く> http://king-gear.com/articles/579
取材中写真:瀬川泰祐
――ヒマラヤ!!かなりレベルが上がりましたね(笑)
藤巻 いきなりヒマラヤのカラパタールという5,000mオーバーの山でエベレストがすぐそこに見える山に行くという・・・(笑)
ーーでもその山も極端な話ですが、死ぬ可能性があるんじゃないですか?
藤巻 結局のところ登山経験があるとはいえまだまだ素人なので、クレパスとか雪崩とかがあるような山ではなくて、高山病だけ気を付ければ大丈夫なレベルの山です。トレッキングの延長でいける1番高い山の様な感じですかね。
ーー高山病は大丈夫でしたか?
藤巻 1回なりました。頭がズキズキしてきたので薬で対処しました。
ーー5,000mオーバーの山ってマイナス10℃とか15℃か聞きますが、かなり寒いですよね。
藤巻 山頂のほうはマイナス15℃で、体感温度になると風が吹いてたらマイナス20℃ぐらいになりますね。寒いので生姜湯を飲んで体温を上げながら登りました。
ーー確かギターを背負いながらですよね?
藤巻 そうそう(笑)山頂で弾いたらどうかなって思いギターを買って持っていきました。ギターはポーターさんが持ってくれたんですが。
ーー名刺の山頂でギターを弾いている写真はその時の写真ですね。登山って個人的にストイックなイメージがありますが、なぜ登るんでしょうか?
藤巻 素人の僕に聞きます?(笑)そこに山があるからって言ったほうがいい?(笑)
まぁやっぱり30代になった時にレミオロメンからソロになって、それが自分の中で大きな出来事で、すごく悩んで、レミオロメンを10年やってきた中での初期衝動とは違うものになっていき、本当にこれでいいのかなと思っていて。
それでも日常に追われすぎていて何が大変なのかもわからなくなって、自分を顧みる時間もない時期で、その時に初めてヒマラヤのあるネパールという物理的にも遠い土地に来て、そこで精神的にも離れられて自分を客観的に見つめ直すことができたんです。
網でいったら自分の心の目が詰まっていて、どうでもいいようなことをため込んでいくんですよね。旅していくと網の目が緩んでいくんですよ。
そうすると、どうでもいいことがどんどん自分から落ちてくのがわかって、そのことを考えると最初の富士登山よりもヒマラヤに登ったことが精神的に大きかったですね。
ヒマラヤの登山は2~3週間歩くので、物凄く自分と向き合えるし、客観的にもなれて「登山ってこういう気持ちになれるんだ!」と感じました。その経験は自分が30代の入り口で得た一番の宝物ですね。
ーーその2週間近くの間は「生きるとは?」とか考えますよね。
藤巻 そうですね。それでソロ活動をやる決意をしました。
ーーソロ活動をすることについては自分が伝えたいことをシンプルに伝えていきたいという想いがあったからでしょうか?
藤巻 日々の生活の中でも、やりたい事とやるべき事がごちゃ混ぜになっていくじゃないですか。趣味でやりたいことでもプロジェクトになってしまうとやるべきことになってしまう。
そのこと自体は否定はしませんが、やるべきことを積み上げていく中で自分が消耗していくのがわかるんです。
だからやりたいことをやろうと思って、レミオロメンの曲としてはちょっと個人的すぎる感じのダークな曲がいくつかあって、でもこれが今悩んでいる自分のリアルな姿だから、ここと向き合ったほうが前に進めるんじゃないかと思い「オオカミ青年」というアルバムを制作しました。
ーー確か2012年ぐらいですよね?
藤巻 その頃ですね。最初ソロになったときは登山のおかげで客観的になれた体験もあり、ただレミオロメンから借りてきたエネルギーをソロ名義で表現したので、一作目の作品を発表してライブまでやってしまうとその思いが成就してしまうんですよ。
そこからが大変で、語ることや歌うことがなくなっちゃって「オオカミ青年」から2作目の「日日是好日」まで3年半空くんですよ。ここが一番大変でしたね。そして現実逃避のように山に登り、現実逃避のようにフットサルをするという・・・(笑)
ーーちょうどその頃にフットサルで初めてお会いしましたよね。
藤巻 そうでしたね!ただそういう時でもスタジオには行くんですけど、できないんですよ曲が。何しに来たんだろうと思うほど不毛に終わる日々が長くて、精神的にまいるんですよ。
自分がどこに向かっているのかがわからなくなっている時期に、フットサルをやっている時間が1番の支えになりましたね。
スタジオ作業は基本的に1人でこもって1人で帰りますけど、フットサルをやる時は誰かに会って、フットサルして、終わって、ご飯を食べに行って、みんなで色々な話をするのも面白い。もちろん体を動かすのも面白い。2つの意味で自分の人生のバランスをとることができました。
そういう意味でも1番つらかった3年半は定期的にフットサルができたことで、心と体のバランスをとることが出来た、ありがたくてかけがえのない場所でしたね。
<Vol.4へ続く> http://king-gear.com/articles/579
取材中写真:瀬川泰祐
New Album 「北極星」 発売中
[初回限定盤] VICL-64845 / 3,300円+税
[通常盤]VICL-64846 / 3,000円+税
【曲目】
01 優しい星
02 Blue Jet
03 Have a nice day
04 another story
05 マスターキー
06 波音
07 go my way (TVアニメ「エンドライド」エンディングテーマ)
08 紙飛行機
09 北極星 (「リブ・マックス ホテルズ&リゾート」TVCMソング)
10 愛を
11 Life is Wonderful
Bonus Track(初回限定盤のみ収録)
12 LIFE (『ツール・ド・東北』公式テーマソング)
13 3月9日 (大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)
iTunes Storeほか主要音楽配信サイト &Apple Music、dヒッツ、Spotify、LINE MUSICほか定額制聴き放題サービスにて配信中!!
01 優しい星
02 Blue Jet
03 Have a nice day
04 another story
05 マスターキー
06 波音
07 go my way (TVアニメ「エンドライド」エンディングテーマ)
08 紙飛行機
09 北極星 (「リブ・マックス ホテルズ&リゾート」TVCMソング)
10 愛を
11 Life is Wonderful
Bonus Track(初回限定盤のみ収録)
12 LIFE (『ツール・ド・東北』公式テーマソング)
13 3月9日 (大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)
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iTunes Store
https://itunes.apple.com/jp/album/id1274990901?app=itunes&ls=1
レコチョク http://recochoku.jp/song/S1005450729/
mora http://mora.jp/package/43000005/VE3WA-17948/
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「藤巻亮太 Polestar Tour 2017」 開催中!!
11/8(水) 福岡 イムズホール
11/12(日) 山梨 甲斐市双葉ふれあい文化館
11/18(土) 東京 昭和女子大学 人見記念講堂
写真集 「Sightlines」 発売中!