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藤巻亮太インタビュー「なぜ歌い、なぜ登り、なぜ球を蹴るのか?」 Vol.2劣等感の塊だった学生時代

藤巻亮太といえば何を思い浮かべるか? 誰もが知っているレミオロメンの名曲の「粉雪」を思い浮かべる方が多いと思う。しかしながら私は登山を思い浮かべてしまう。なぜなら約5年前に初めて会った際にもらった名刺の強烈なインパクトが忘れられないからだ。Vol.2 では音楽と登山を始めたきっかけをそれぞれ聞いた。

Icon 16466945 810048175800857 1247399717 n 菊池 康平 | 2017/11/05
<Vol.1はこちらから>

ーー当時のサッカーでのポジションはどこだったんですか?  

藤巻 小学校の時はFWで当時は左ウィング。中学になってから左と右のハーフをやってましたね。沢山走らなきゃいけないポジションでした。今はゴリゴリの前で攻めるポジションです。  

ーー当時から今みたいに走れてたんですか?

 藤巻 ミニゲームしかやったことがないから、いざ試合になると、どうやって動いて良いかわからなくて大変でした。  

ーーでも県で3位は凄いですよね!高校ではブラバン部に入ってサッカーはやりたくなったりしませんでしたか? サッカーへの未練は無かったですか?  

藤巻 高校に入ってからはブラバン部に入りバンドも組んだから急に音楽!という感じになったので、音楽に夢中になってましたね。    

ーー音楽を始めたきっかけは何だったんですか?  

藤巻 最初のきっかけは通販でギターを買った先輩が、シャカシャカ弾いててカッコイイなと思って。田舎なんで楽器屋も遠くて僕も通販で買いました(笑)

シャカシャカ弾いてる内に高校に入り、コピーすることが面白くなっていきました。
  グリーンデイとかオアシスとかレニー・クラヴィッツとか。そういうのをコピーして学園祭出ようよ!みたいなノリでしたね。当初、曲は作らなかったんですけど。  

ーーよくモテたくて音楽を始める方もいますけど、そういうのは無かったんですか?    

藤巻  僕はそんなのはなくて。今の方がその気持ちはあります(笑)年々モテたい、モテたい!っていうのはありますよ(笑)あの頃は純粋にやってましたね。    

ーーその時の感情で曲のアプローチって変わるんですか?  

藤巻 さっきの何も長く続かないって話の伏線になるかもしれないですが、もともと建築士になりたかったんですよ。体操選手に憧れ、建築士を目指し20歳ぐらいまで人生がブレブレで自分が何者でもないって時に周りに夢に向かって頑張っている人がいて、そういう人が輝いて見えたんです。  

そういう人を見ると自分が劣等感の塊になっていて、何をやっても中途半端だし、建築士になりたかったけど、建築課に落ちて土木課で大学へ行ったりと、何かモヤモヤするものがあったんです。  

だけど、そこに対してモヤモヤするものが沢山あったからこそ19歳で初めて曲を作った時に、そのモヤモヤがブワァーっと曲に出たんですよ。それが僕の原点ですね。

何もないところから何かが生まれる瞬間ってすごいなと。いまだに人生の中で一番感動した瞬間は初めて曲を作ったときですね。
 
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ーーその曲は作品になっているんですか?  

藤巻 世には出ていないです。土木課だったので「コンクリート」って曲なんですけど(笑)その1曲を作ったときに1曲分だけ心が軽くなったというか、今までうずまいていたモヤモヤした劣等感が少しだけ前向きになって、そこからどっぷり音楽にはまっていって、20歳の時にレミオロメンを結成しました。  

ある意味で劣等感の塊が逆にポジティブに働いて原点になって、音楽を表現する素晴らしさに出会いました。    

ーー建築士になりたい願望があったのは何かを作りたい願望があったからでしょうか?

 藤巻 作りたいって想いはどこかであったと思うんですよ。実家が桃とブドウを作っていて、父親が何かを作っているというのを見ながら育ったので、何かを作ってみたいなという気持ちはあったと思います。  

それと純粋に建物の造形が好きだったというのと、ガウディが好きで初めての海外旅行でスペインに行きました。

そこでガウディの造った建物を見て、彼の自然のものを表現するという哲学と、その造形を幾何学的なものに表現しなおすという発想が物凄くかっこいいなと思っていた部分があったからだと思います。まあ結局、建築よりも音楽の方向になっていくんですけどね。  

ーーそれからレミオロメンでデビューされますが、まずは音楽の話の前にお聞きしたかったのが山の話でして、なぜ登山家の野口健さんと一緒に活動されるようになったのでしょうか?当時はレミオロメンが活動休止中の時期でしたっけ?  

藤巻 僕は山梨県出身なので「30歳までには富士山に登ってみたいな」と何となく漠然と思っていて、それでたまたま機会があって登ったんですよ。

富士吉田口から登って、最初は河口湖が見えてきて、もう少し上がると河口湖の向こうに御坂山系が見えてきて、それを超えると甲府盆地が見え、登れば登るほど今度は長野が見え、新潟が見えてきて、どんどん景色が変わっていくんです。
 

それがもの凄く綺麗で、たまたま登った日が運よく晴れていて登ったその先から今度は御来光が見えてホントに綺麗だなぁと。ただその時は登山が一生の趣味になるとは思っていなかったけど、ただ凄くいいものだなと感じました。  

その後、当時レミオロメンの10周年記念の企画で別冊カドカワでレミオロメンのメンバーそれぞれが会いたい人と対談するという特集をさせてもらい、当時山を登ったばかりなので、山といえば野口健さんかなと思い対談して頂きました。  

実際に野口健さんのお話を聞くと、僕が富士山に登って「あぁ綺麗だなぁ!」っていうレベルじゃなくて、それこそ生きるか死ぬかのレベルで、登山中に死体をまたいで歩くとか、目の前で滑落した人を見たとか、なんで山に登るんだろうっていう哲学的な話になり、物凄く圧倒されましたね。  

その時は対談だけだったんですけど後日、モロッコ料理屋で偶然お会いすることがあって、その時に食事の約束をさせて頂いたんです。食事に行った時に年齢が近いというのもあったせいか意気投合し、そこから定期的に山へ連れて行ってもらいました。  

最初は八ヶ岳に連れて行ってもらい、その登山で野口健さんが僕の体力を認めてくれたみたいで、次はいきなりヒマラヤに行くことになりました。  

<Vol.3へ続く> http://king-gear.com/articles/571

取材中写真:瀬川泰祐

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【曲目】
01  優しい星
02  Blue Jet
03  Have a nice day
04  another story
05  マスターキー
06  波音
07  go my way   (TVアニメ「エンドライド」エンディングテーマ)
08  紙飛行機
09  北極星  (「リブ・マックス ホテルズ&リゾート」TVCMソング)
10  愛を
11  Life is Wonderful

Bonus Track(初回限定盤のみ収録)
12  LIFE   (『ツール・ド・東北』公式テーマソング)
13  3月9日  (大塚製薬「カロリーメイト」CMソング)

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「藤巻亮太 Polestar Tour 2017」 開催中!!

11/5(日) 広島 BLUE LIVE 広島
11/6(月) 鹿児島 姶良市文化会館 加音ホール
11/8(水) 福岡 イムズホール
11/12(日) 山梨 甲斐市双葉ふれあい文化館
11/18(土) 東京 昭和女子大学 人見記念講堂

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