『西大伍』鹿島アントラーズ攻守の仕掛人vol.1「プレーを変える幅の広さが自分の強み」
J1リーグ2連覇に向かって突き進む鹿島アントラーズ。これまで、J1リーグを8回、Jリーグカップを6回、天皇杯を5回も制覇している日本で屈指の最強サッカークラブだ。現在、アントラーズで主に右サイドDFとして攻守に渡って大活躍をする『西大伍』選手に、単独インタビューを試みた。
佐久間秀実
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2017/11/11
2017年11月5日、J1リーグ首位を走る鹿島アントラーズと浦和レッズとの一戦。後半35分、西大伍選手が右サイドを駆け上がり遠藤康選手から受けたパスをダイレクトでクロスを上げると、レアンドロ選手が右足のボレーでゴールを決め鹿島が1ー0で勝利し、リーグ2連覇にぐっと近付いた。
試合後、見事なアシストを演出した西選手に話をうかがってみた。
――素晴らしいダイレクトのクロスを上げましたね。あれは狙い通りですか?
西:たまたまですよ。
果たして、あのプレーは、たまたまだったのであろうか?
以下は、2017年9月に行ったインタビューの模様となる。
――まず、サッカーを始めるキッカケを教えていただけますか。
西:あまり覚えていないのですが、父親が社会人サッカーをやっている時に自分もボールを蹴るようになっていたみたいです。本格的に始めたのは小学2年からで、トップ下など前のポジションをやっていました。プロになってからも、攻撃的なポジションをやっていました。
――西さんが小さい頃に、リフティング少年としてテレビ番組に出演されていましたが、かなりリフティングを練習していたのですか。
西:札幌選抜のセレクションで合格するため、リフティングの練習はしていました。子供の時は練習をするとすぐ上達するので、毎朝やっていました。その成功体験が大切だと思います。
――フリースタイル・フットボールについては、どう思いますか。
西:かっこいいと思います。自分も高校の時、テレビ番組「やべっちFC」の中でリフティングの宿題があるので、それをよく練習していました。
――小学生に、この練習をしたほうが良いとかありますか。例えば、ボールを30m位上に蹴り上げてそれをトラップして、再び蹴り上げてトラップするのを繰り返すなどの変化を付けるのが大事だと聞いたことがあります。
西:それはあるかもしれないですね。でも、プロになるのは運みたいなものがあります。それは自分で引き寄せるというのもあるとは思いますけれど、どんな親であったか、指導者や仲間など人との出会いも大切だと思います。
――チームもでしょうか。
西:どのチームに行っても大丈夫な人もいると思いますし、それは運命でしょうね。
――プロ選手をいつから目指しましたか。
西:僕は、小さいころからチームの中では上手い方だったので、自然とプロになると変な自信を持っていました。
――北海道の冬、どう練習をしていましたか。
西:冬は雪があるので、室内でフットサルをやっていました。フットサルの大会にもよく出場していました。そこで技術を習得できたのも大きかったと思います。相手との距離感など、フットサルの方がサッカーよりも近い距離でプレーする時間帯が多く、その中でボールを上手く扱えるようになりました。
――初めて履いたスパイクを覚えていますか。
西:最初は全く気にしないで、クリックス・ヤスダのスパイクを小学生の高学年時代に履いていましたね。選抜チームの中でヤスダが流行っていました。
中1の時にパラメヒコがかっこいいので一度履いてみて、それからは高校までアディダスを履いていました。プロに入ってからはナイキですね。
――ナイキを初めて履いてみて、どうでしたか。
西:今まで天然革のスパイクを履いてきましたが、ナイキは頑丈で壊れにくく、動いていて足が靴の中でずれることもないです。僕の足はそこまで細くはないですが、少し細めのスパイクをずっと履いています。
――新しいスパイクを履くと、きつく感じますか。
西:ちょっときついですが、革を伸ばすための木型を使ってフィットさせるようにしています。こだわりは、それくらいですね。
――スパイクの重さを気にしていますか。
西:軽いのをずっと履いてきているので、軽い方が良いです。
――西さんのプレーのこだわりやストロングポイントを教えていただけますか。
西:基本的に「何でもできること」だと思っています。相手と味方の状況を見て、プレーを変える幅の広さが自分の強みです。
――今のポジションがサイドバックですね。
西:本当はサイドバックやりたくないですよ(笑)。
――そうですか。サイドバックは、物凄く重要なポジションじゃないですか(笑)。
西:そう言われていますし、そう思います(笑)。
――では、どこをやりたいですか。
西:理想を言えば、トップ下とかゴールに近い位置になります。やっぱり、ポジションによってプレーの優先順位も変わってくるし、サイドバックは自分の後ろに誰もいないですから。より安全で確率の高いプレーを選ぶじゃないですか。
それが、チャレンジという意味では少し物足りないです。前のポジションにいたら、失敗しても次があると切り替えができる。前線にいれば、確率の低いプレーもチャレンジできますから。
――J1リーグ戦のベガルタ仙台戦(2017年4月16日)で、西さんがドリブルで切れ込んでいってゴールを決めたシーンがかなり素晴らしかったですよね。
西:あの時は、中央の位置にいたのでドリブルを選択しましたが、普段はそんなにドリブルはしません。サイドにいると縦に速く仕掛けるなど、プレーの選択肢が限られてしまうので、そのような勝負は難しいです。
真ん中にいた方が良いです。僕はそんなにスピードがあるわけではないので、縦に行くと相手に読まれた状況で縦に仕掛けるのは難しい。パスの選択肢も混ぜながらのドリブルとなります。
vol.2へ、続く。
■プロフィール
西 大伍(にし だいご)
1987年8月28日
北海道札幌市出身
J1リーグ・鹿島アントラーズ所属
ポジションは、DF、MF
元日本代表
鹿島アントラーズ
http://www.so-net.ne.jp/antlers/
取材協力/鹿島アントラーズ
試合写真/瀬川泰祐
練習写真/八木茂樹
取材写真/池田鉄平 佐久間秀実
試合後、見事なアシストを演出した西選手に話をうかがってみた。
――素晴らしいダイレクトのクロスを上げましたね。あれは狙い通りですか?
西:たまたまですよ。
果たして、あのプレーは、たまたまだったのであろうか?
以下は、2017年9月に行ったインタビューの模様となる。
――まず、サッカーを始めるキッカケを教えていただけますか。
西:あまり覚えていないのですが、父親が社会人サッカーをやっている時に自分もボールを蹴るようになっていたみたいです。本格的に始めたのは小学2年からで、トップ下など前のポジションをやっていました。プロになってからも、攻撃的なポジションをやっていました。
――西さんが小さい頃に、リフティング少年としてテレビ番組に出演されていましたが、かなりリフティングを練習していたのですか。
西:札幌選抜のセレクションで合格するため、リフティングの練習はしていました。子供の時は練習をするとすぐ上達するので、毎朝やっていました。その成功体験が大切だと思います。
――フリースタイル・フットボールについては、どう思いますか。
西:かっこいいと思います。自分も高校の時、テレビ番組「やべっちFC」の中でリフティングの宿題があるので、それをよく練習していました。
――小学生に、この練習をしたほうが良いとかありますか。例えば、ボールを30m位上に蹴り上げてそれをトラップして、再び蹴り上げてトラップするのを繰り返すなどの変化を付けるのが大事だと聞いたことがあります。
西:それはあるかもしれないですね。でも、プロになるのは運みたいなものがあります。それは自分で引き寄せるというのもあるとは思いますけれど、どんな親であったか、指導者や仲間など人との出会いも大切だと思います。
――チームもでしょうか。
西:どのチームに行っても大丈夫な人もいると思いますし、それは運命でしょうね。
――プロ選手をいつから目指しましたか。
西:僕は、小さいころからチームの中では上手い方だったので、自然とプロになると変な自信を持っていました。
――北海道の冬、どう練習をしていましたか。
西:冬は雪があるので、室内でフットサルをやっていました。フットサルの大会にもよく出場していました。そこで技術を習得できたのも大きかったと思います。相手との距離感など、フットサルの方がサッカーよりも近い距離でプレーする時間帯が多く、その中でボールを上手く扱えるようになりました。
――初めて履いたスパイクを覚えていますか。
西:最初は全く気にしないで、クリックス・ヤスダのスパイクを小学生の高学年時代に履いていましたね。選抜チームの中でヤスダが流行っていました。
中1の時にパラメヒコがかっこいいので一度履いてみて、それからは高校までアディダスを履いていました。プロに入ってからはナイキですね。
――ナイキを初めて履いてみて、どうでしたか。
西:今まで天然革のスパイクを履いてきましたが、ナイキは頑丈で壊れにくく、動いていて足が靴の中でずれることもないです。僕の足はそこまで細くはないですが、少し細めのスパイクをずっと履いています。
――新しいスパイクを履くと、きつく感じますか。
西:ちょっときついですが、革を伸ばすための木型を使ってフィットさせるようにしています。こだわりは、それくらいですね。
――スパイクの重さを気にしていますか。
西:軽いのをずっと履いてきているので、軽い方が良いです。
――西さんのプレーのこだわりやストロングポイントを教えていただけますか。
西:基本的に「何でもできること」だと思っています。相手と味方の状況を見て、プレーを変える幅の広さが自分の強みです。
――今のポジションがサイドバックですね。
西:本当はサイドバックやりたくないですよ(笑)。
――そうですか。サイドバックは、物凄く重要なポジションじゃないですか(笑)。
西:そう言われていますし、そう思います(笑)。
――では、どこをやりたいですか。
西:理想を言えば、トップ下とかゴールに近い位置になります。やっぱり、ポジションによってプレーの優先順位も変わってくるし、サイドバックは自分の後ろに誰もいないですから。より安全で確率の高いプレーを選ぶじゃないですか。
それが、チャレンジという意味では少し物足りないです。前のポジションにいたら、失敗しても次があると切り替えができる。前線にいれば、確率の低いプレーもチャレンジできますから。
――J1リーグ戦のベガルタ仙台戦(2017年4月16日)で、西さんがドリブルで切れ込んでいってゴールを決めたシーンがかなり素晴らしかったですよね。
西:あの時は、中央の位置にいたのでドリブルを選択しましたが、普段はそんなにドリブルはしません。サイドにいると縦に速く仕掛けるなど、プレーの選択肢が限られてしまうので、そのような勝負は難しいです。
真ん中にいた方が良いです。僕はそんなにスピードがあるわけではないので、縦に行くと相手に読まれた状況で縦に仕掛けるのは難しい。パスの選択肢も混ぜながらのドリブルとなります。
vol.2へ、続く。
■プロフィール
西 大伍(にし だいご)
1987年8月28日
北海道札幌市出身
J1リーグ・鹿島アントラーズ所属
ポジションは、DF、MF
元日本代表
鹿島アントラーズ
http://www.so-net.ne.jp/antlers/
取材協力/鹿島アントラーズ
試合写真/瀬川泰祐
練習写真/八木茂樹
取材写真/池田鉄平 佐久間秀実