【J1第5節】冷たい雨が降る中の一進一退の攻防ー足場の悪さが与える試合への影響とは

好調な湘南のFW福田翔生が2試合ぶりの先発

FC東京は、今季から監督の松橋力蔵が就任。攻守ともに、より攻撃的なサッカーを追求している。今節は3人先発メンバーを変更し、DF土肥幹太、DF白井康介、FW山下敬大がスターティングメンバーで出場した。

対する湘南は、就任5年目の監督である山口智の下、昨季の課題であった守備を強化したチーム作りをしている。今節は、ここまで2得点と好調なFW福田が、2試合ぶりにスターティングメンバーで起用された。

両チームともに堅い守備を見せて前半戦はドロー

試合開始16分、左サイドから攻撃するFC東京は、MF高宇洋がゴール前へヒールパス。これに反応したMF俵積田晃太が振り向きながらシュートを打つも、ボールはゴール左へ。

対する湘南は、20分に左サイドでパスを回し、最後はFW鈴木章斗がミドルシュートを打つ。しかし、相手ディフェンスの体を張った守りにブロックされた。

25分、FC東京がコーナーキックを獲得。ニアサイドに蹴ったボールは、ディフェンスにクリアされる。こぼれ球を拾った湘南のMF藤井智也が、素早いドリブルで攻撃へ。しかし、すぐにDF岡哲平が奪い返し、開いた右サイドに展開した。

パスを受けたMF俵積田がゴール前にグランダークロスを送るも、味方とタイミングが合わず、クリアされる。そのこぼれ球にすぐに反応したFW仲川輝人がファーサイドに折り返し、最後はFW山下が頭で合わせる。しかし、GK上福元直人がぎりぎりのところで止め、ゴールを阻止する。両チームともスコアレス0-0で前半を折り返した。

FC東京が繰り返し得点のチャンスを作り出すが…

後半開始後59分、FC東京はDF岡とFW仲川のパス交換から、最後はDF岡がミドルシュートを放つも、ボールはクロスバーの上を超えてしまう。解説者の松原良香は「一連の流れはとてもよかったですよ。後半の立ち上がりから、積極的に岡が前に入っていく、そういう姿勢がとてもよいと思いますね」と話した。

攻撃の手を緩めないFC東京は、67分にも決定的なチャンスを作る。右サイドでディフェンスの裏をとった途中出場のFW佐藤恵允がパスを受け、ペナルティーエリア内にドリブルで侵入。ゴールライン近くからマイナスのパスを出し、フリーでMF俵積田がシュート。しかし、ボールが浮き、クロスバーを越えてしまう。

湘南は84分、FW福田とMF藤井のコンビネーションで、右サイドを縦に攻撃。ゴール前へのパスはクリアされるも、最後はこぼれ球をMF奥野耕平がミドルシュート。しかしゴールから大きく外れた。

解説の松原氏は「結構、今日は両チームともシュートが浮いて、大きくゴールから外れるシーンが多い。もう少し雨のことを意識してもよいかと思います」と話す。なかなかシュートが決まらない原因として、雨の影響もあると解説した。

後半アディショナルタイムに突入。猛攻撃を仕掛けるFC東京は、ペナルティーエリア内で細かくパスを回し、最後はMF高がシュートを打つも、DFキム・ミンテにブロックされる。そしてこぼれ球を、FW仲川が拾いシュートを放つが、クロスバー上にボールは浮いてしまう。

その後、FC東京に再度、攻撃のチャンスが訪れた。途中出場のMF常盤亨太がペナルティーエリア内からグランダークロスを入れる。同じく途中出場のFW野澤零温がゴール前中央からシュートを打つも、ゴール右に外れてしまう。何度もチャンスを演出するが、得点に繋がらず、0-0のまま試合終了となった。

スコアレスドローの試合で活躍したFW佐藤とGK上福元

FC東京は、細かいパス回しの中で何度も決定的なチャンスを作っていた。とくにFW佐藤が投入されてからは、ゴールへの推進力が上がり、FC東京が優勢の時間が増えた。残念ながらゴールには恵まれなかったが、今後決定力不足が解消されれば、チームの順位も上がるだろう。

守備の時間が長くなった湘南は、GK上福元の安定感に支えられていた。粘り強く守るなかで、とくに前半のFC東京FW山下のヘディングシュートを止めたビックセーブは、チームのピンチを救う見事なプレーであった。

今節は強い雨の中での試合となり、ピッチのコンディションはあまりよくなかった。それぞれのチームのよさが発揮しづらかっただけに、次節の活躍に期待したい。

「DAZN明治安田J1リーグハイライト FC東京vs湘南：第5節」（2025年3月8）より
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