
【J1第5節】開幕から4戦未勝利の浦和が昇格好発進の岡山を迎え討つー注目は浦和のFWチアゴ・サンタナ
2025年3月8日、浦和のホーム埼玉スタジアム2002にて、「明治安田生命J1リーグ」第5節の浦和vs岡山が行われた。ここまで4戦未勝利と厳しい船出となった浦和が、初昇格したJ1で好スタートを切り波に乗る岡山にどんな戦いを見せるかが見どころだ。※トップ画像出典/PhotoAC

岡山で絶対的地位を確立した江坂任が古巣の埼スタ”でどんな戦いをするか
ここまで4戦未勝利の浦和にとって、今シーズンの目標として掲げた「19年ぶりのリーグ制覇」には厳しいスタートとなっている。対する岡山は、ここまで2勝1分1敗と堅守速攻がJ1でも通用することを示してきた。今節はクラブとして“未知なるアウェイゲーム”だが、すでに絶対的存在としての地位を確立し、“埼スタ”に帰還するMF江坂任(2021~22年に浦和在籍)は心強い存在だ。
チアゴ・サンタナが膠着状態の攻防を破ったと思われたが…
試合直後から浦和が攻めた。右サイドからMF松本泰志が入れたクロスにMFマテウス・サヴィオに追いつき、中央からファーストシュート。決定機だったが、これは枠外に外れた。「入ってくる意識が高い選手ではないが、チャンスとあって入ってきましたよね」と、解説者はMFマテウス・サヴィオの意外な動きを評価した。
岡山もすぐさま攻撃を展開。ゴールキックから中央ヘディングを受け取ったMF岩渕弘人が右ペナルティエリア手前からシュートを放つ。しかし、ボールはゴールの左に外れてしまう。
20分過ぎ、浦和はペナルティエリア右手前からMF関根貴大からパスを受けたDFマリウス・ホイブラーテンが中央からヘッドで枠内へシュート。しかし、岡山の守護神スベンド・ブローダーセンにセーブされた。
膠着状態の攻防を破ったのは浦和。同40分過ぎ、ゴール中央からDF荻原拓也のパスに中央突破したFWチアゴ・サンタナがゴール右下にシュートを決める。浦和先制かと思われたが、VAR判定でFWチアゴ・サンタナがラストパスを受けたラインがオフサイド判定に。左足が出ていてゴールは幻となった。結局、前半は互いに譲らず、両チーム無得点のまま終了した。
今度こそ!GKの股を抜くチアゴ・サンタナの一撃が決まる
後半に入ると一転、激しい展開となった。
浦和は前半の反省を踏まえたのか、より積極的に攻撃を仕掛けてきた。開始直後、ついに均衡が破れる。右サイドから走り込みドリブルで駆け上がったMF安居海渡が入れたクロスは、相手DFにブロックされ方向が微妙に変わる。そのこぼれ球に反応したFWチアゴ・サンタナが巧みなトラップで収め、GKの股を抜くグラウンダーシュートをゴール右下に決めた。FWチアゴ・サンタナの冷静な判断と正確なシュートで待望の先制点を挙げた。
FWチアゴ・サンタナは、ブラジル出身の32歳。身長184cm、体重80kgの恵まれた体格を持つ。2021年に清水エスパルスでJリーグデビューを果たし、3シーズンで39得点を挙げる活躍を見せた後、2024年に浦和レッズへ完全移籍し、現在2年目のシーズン。昨シーズンは、チームトップの12得点を挙げるなど、浦和の攻撃の要として存在感を示した。打点の高いヘディング、超長距離のロングシュート、アクロバティックなボレーなど、多彩な得点パターンを持つ。この先制点で、前半の“幻ゴール”で浦和に漂ったイヤな流れを断ち切ったといえるだろう。
集中力を高めた浦和の守備陣が岡山の反撃を冷静に跳ね返す
追いつきたい岡山は、すぐに反撃を開始。攻撃のギアを上げ、浦和ゴールに迫る。後半途中出場のFWルカオが、右サイドからMF江坂のラストパスに反応し強烈シュートを放つも、ゴール左に逸れた。岡山は同27分にもDF佐藤龍之介が自らドリブルで持ち込んでDF陣を抜きシュートを放つもゴール右に外れた。浦和の守備陣も集中力を高め、岡山の攻撃を冷静に跳ね返す。
それでも岡山は浦和のディフェンスラインに揺さぶりをかける。サイド攻撃を中心に、浦和ゴールに迫る。アディショナルタイムには、またもFWルカオが決定機にヘディングシュートを繰り出したが、ボールはゴール右に外れた。
一方の浦和も、追加点を狙って攻撃の手を緩めない。FWチアゴ・サンタナを中心に、岡山のゴールを脅かす。しかし、岡山のDF陣も必死の守備を見せ、追加点を許さない。そして、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。
最終的に浦和が1-0で岡山を下し、貴重な勝ち点3を手に入れた。浦和はFWチアゴ・サンタナのゴールを守り抜き、堅守速攻のスタイルを確立。一方の岡山は、最後まで諦めずに戦い抜いたものの、決定力不足が課題として残った。
「DAZN 明治安田生命J1リーグハイライト 浦和 vs 岡山 : 第5節」(2025年3月8日)より
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