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【J1第6節】鹿島と浦和の手に汗握る死闘 試合終了直前にドラマは待っていた

2025シーズン、J1リーグは第6節に突入。2025年3月16日、県立カシマサッカースタジアムにて「鹿島アントラーズvs浦和レッズ」の試合が行われた。鹿島は破竹の4連勝中。4試合連続2得点以上の積極的な攻撃を武器に、今節も白星を手にできるのか。対するは前節で今季初勝利を手にした浦和。波に乗る強豪クラブが、勢いが付き始めた強敵を迎え撃つ。※トップ画像出典/PhotoAC

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/03/28

チームの要はともにFWの外国人ストライカー

鹿島は完勝だった前節と同じスターティングメンバーが名を連ねた。注目はFWの2人。前節の柏レイソル戦で自身J1・3度目となるハットトリックを達成したFWレオセアラと、ここまで5試合で3得点と勝負強いFW鈴木優磨だ。この得点力の高い2人にボールを集め、怒涛の5連勝を決めたいところ。チームは守備も堅く、ここまでの5試合で1試合につき2失点以上した試合は0。安定した守備から流れを作り上げられるか。

対する浦和も、初勝利をおさめた前節ファジアーノ岡山戦と同じスターティングメンバーで勝負に挑む。チームはここまで5試合で3得点と、攻撃力が課題に挙がる。今季は複数得点を挙げた試合がなく、均衡した1点勝負になることが予想される。注目はこれまでのチーム全3得点をすべてたたき出しているFWチアゴサンタナだ。前節の白星を決定づけた男の活躍に、期待が持たれる。他の攻撃陣も目覚めれば、勝利がさらに近づくだろう。

新加入のMF松本泰志が浦和の流れを作り出す

浦和は8分、相手ボールを奪うとMF松本泰志は倒れながらも前線にいたFWチアゴサンタナにボールを託した。ペナルティエリアの外付近でゴールまでは20メートル以上の距離が離れていたが、相手DF陣をドリブルで引き付けると、FWチアゴサンタナはゴールとの開いたラインを作り出して左足で勢い十分にシュート。

強いゴロ性のボールはバウンドを重ねてゴールへと一目散に向かったが、飛び込む相手GK早川友基の胸の中におさまった。先制点とはならなかったが、この日も浦和はボールを積極的にFWチアゴサンタナに集める。その期待に応え、チアゴサンタナも少しの隙を作り出しては攻撃を仕掛ける積極的な姿勢をみせた。
その後は、なかなか両チームチャンスを作り出せず、前半も終わりかと思われたアディショナルタイム48分。浦和が動く。自陣からのロングフィードにMF金子拓郎が頭で合わせると、ボールは無人の右サイドへと渡っていった。そこにダッシュ一番、DF関根貴大が追いつくと、ペナルティエリア付近からゴール前へと切り込んでいくMF松本泰志へクロスを上げた。ボールはブロックしようとした相手GK早川友基の目いっぱいに伸ばされた右手を交わすと、MF松本泰志のスライディングで投げ出された右足に当たり、ゴールイン。待望の先制点が浦和に刻まれた。

相手DFの頭数もそろっていただけに、クロスが通る位置は限定的だった。しかし、そこにDF関根貴大はぴしゃりとクロスを上げると、MF松本泰志はこれ以上のないダッシュとスライディングで文字通り身を挺してシュートしてみせた。浦和としては、今季FWチアゴサンタナ以外が生み出した初得点。MF松本泰志はサンフレッチェ広島からの移籍後初ゴールとなり、今季初の連勝に向けてこれ以上ない流れを作り出すことに成功した。

鹿島GK早川友基が執念のファインセーブ

後半戦、追う鹿島は守備から流れを引き寄せる。61分、浦和はチャンスを作り出し、ゴール前でフリーのFWチアゴサンタナにボールを託す。ゴールまで約20メートルの場所から勢いをつけてシュートが放たれると、ボールは鹿島DF陣の足に当たり、予期せぬ軌道でゴールへとスピードを加速させてしまった。しかし、それに反応したのが守護神GKの早川友基。右手を精いっぱい伸ばすと、これ以上ないタイミングでボールを弾き、ゴールを守った。追加点を許さなかった身を挺したブロックに、攻撃陣のエンジンが徐々に点火する。

試合終了直前となった89分、鹿島はフリーキックを奪う。ゴールまで約30メートルの付近から軌道の高いクロスを上げると、空中戦に。こぼれ球をパスでつなぐと、左サイドにいたDF植田直通はやわらかな軌道のクロスを描く。それに頭を反応させたのは途中出場のMF知念慶。シュートしたボールは相手の頭をかすめ、軌道が変わってGKの反応とは真逆の方向へ飛んでいった。起死回生のゴールが飛び出し、鹿島は土壇場で同点に追いついた。MF知念慶はこれが今季初ゴール。これ以上ないゴールでチームを窮地から救った。

その後、アディショナルタイム5分間を経て試合終了。引き分けに終わった。

鹿島は5連勝とはならなかったものの、粘り強さで黒星を回避。一方の浦和は試合終了間際までリードしていたものの、勝ち点をするりと逃がす、後味の悪い引き分けとなった。


「DAZN明治安田J1リーグハイライト鹿島vs浦和 第6節」(2025年3月16日)
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