
【J1第5節】今季初連勝をかけた戦い! 一進一退の攻防を福岡が制す「京都 vs 福岡」
3月8・9日に開催された明治安田J1リーグ第5節。京都は3試合ぶりとなるホームで福岡と対戦した。前節にはともに今季初勝利を果たしており、連勝を狙うチーム同士の対決でもある今試合。勝利を掴んだのはアウェイの地で戦う福岡だった。今回はそんな「京都 vs 福岡」の試合を振り返っていきたい。※トップ画像出典/PhotoAC

上昇への足掛かりを作る大事な戦い
京都は昨季序盤にリーグ最下位に転落するも、シーズン途中の立て直しや補強が奏功して14位でフィニッシュ。今シーズンはその流れをベースにハイプレスを信条とし、激しいボール奪取や速攻などに磨きをかけて上位を狙う。開幕戦では岡山を相手に黒星を喫してしまったが、第2節からの浦和、神戸、川崎Fといった強豪チームとの連戦で無敗を達成。前節はようやく今季初白星をあげ、いい流れで来ているのは間違いない。第4節までの戦績は、1勝2分1敗の12位となっている。
対する福岡は2023年にルヴァンカップ優勝を果たすも、昨シーズンは目標を達成できず12位で終了。今季は新指揮官に金明輝新監督が就任し、新たな体制で攻撃力アップを図りリーグ上位を目指す。開幕から3連敗を喫してしまうも、前節では昨季王者の神戸を相手に今季初勝利を飾る。イエローカード累積により退場者を出してしまったが、数的不利にもかかわらず最後まで堅守を貫き完封勝利を遂げた。第4節までの戦績は、1勝3敗で18位となっている。
そんな両チームにとって、今節は上昇への足掛かりを作るための大事な1戦と言っても過言ではない。昨季の対戦成績は1勝1敗。激しい打ち合いになることが予想される。
互いに多くの見せ場を作った前半
晴天に恵まれ観戦日和となったこの日、サンガスタジアム by KYOCERAには試合前からサポーターの大声援が響き渡っていた。そんなサポーターに笑顔を届けるのは、いったいどちらのチームになるのだろうか。
福岡ボールでキックオフ。序盤から行ったり来たりの展開が続き、互いに敵陣目掛けて積極的に縦に仕掛けて行く。今試合最初にシュートを打ったのはアウェイの福岡だった。前半4分と5分にシャハブ ザヘディが、6分には紺野和也がゴールに迫る。そして15分には松岡大起がパスカットでボールを奪い、それを受けた紺野がボックス付近まで運んでシュートに持ち込んだ。40分にはゴール前で敵味方11人の混戦となるも、空いたスペースを見逃さなかった紺野が至近距離からシュート。しかし、飛び出した相手GKに跳ね除けられてしまった。
一方の京都も多くの見せ場を作る。前半11分、相手がビルドアップを試みようとした瞬間、福岡慎平がパスカットに成功。それを受けた平戸太貴がペナルティエリア手前からミドルシュートを放つが、惜しくも相手GKにセーブされてしまう。23分には右サイドを駆け上がったラファエル エリアスがクロスを供給し、それを奥川雅也が反転してシュート。これも相手GKに阻まれるが、エリアスが素早いタイミングで上げたクロスと奥川の高い技術によるビッグチャンスだった。さらに39分にはFKを獲得。エリアスがフェイントをかけつつ平戸が右足でゴール左上を狙う。これも相手GKの好セーブでゴールラインを割ることはできないが、距離がありながらも勢いのあるボールにスタンドが沸いた。
両チームともに多くのチャンスを作り出すも得点は生まれず、スコアレスのまま後半へ。京都はロングボールを駆使し、福岡はカウンターを仕掛けるシーンが多く見られる前半だった。
接戦を制したのは福岡。敵地で今季初連勝を遂げる!
後半は開始早々に放たれた福岡のシュートから始まり、互いに打ち合う展開に。そして65分、遂に先制点が生まれる。福岡がディフェンスラインの背後へ送ったロングボールをウェリントンが頭で落とすと、右で並走していた紺野がそれを受けてペナルティエリア中央から左足一閃。ボールはゴール右下に吸い込まれた。
京都は選手を交代しながら1点を追いかけるが、福岡の人数をかけた堅守を突破できない。守備を強いられる場面も多く、相手の追加点を狙う攻撃からゴールを守り抜くのに精一杯だ。アディショナルタイムにエリアスがシュートを放つも、ゴール左に外れてしまう。そして55分に試合は終了し、福岡がウノゼロを達成して勝点3を獲得。今季初連勝を飾ってサポーターに笑顔を届けたのは、敵地に乗り込んだ福岡だった。
※記事内の情報は配信時点の情報です