
大谷翔平は二刀流復活なるかー山本由伸はサイ・ヤング賞へ挑戦、佐々木朗希も先発ローテで奮闘!ド軍日本人トリオの現在地
昨年4年ぶりの世界一に輝いたドジャースは、2年連続のタイトル獲得に向けて2025年を迎えた。そんなチームにおいて、大きな役割を果たすのが日本人トリオの存在。移籍1年目の24年シーズンに史上初の「50-50(50本塁打50盗塁)」を達成した大谷翔平投手をはじめ、サイ・ヤング賞獲得も期待される山本由伸投手、ロッテからポスティングシステムで海を渡った令和の怪物、佐々木朗希投手はそれぞれが注目を集めるなか、今季をスタートさせた。※トップ画像 出典/MLB Photos via Getty Images

二刀流復帰には慎重な指揮官
昨シーズンに満票による3度目のMVPに輝いた大谷は、今やメジャーの顔と呼べる存在に地位を高め、カブスと戦った東京ドームでの開幕シリーズでは日本のスーパースターを目当てに大観衆が詰め掛けた。大谷フィーバーが巻き起こったなか、第2戦の第3打席で右中間スタンドへの1号。これまでのキャリアにおいても要所で輝きを放ってきた大谷。千両役者ぶりを日本のファンに見せつけた。

大谷はドジャースで2024年のシーズン途中から1番を任されており、今季も引き続きリードオフマンを担う。アメリカ本土での開幕となった3月26日(日本時間3月27日)のタイガース戦では、本拠地ドジャースタジアムの観客が見守るなか、左中間スタンドへ2試合連続の2号ソロ。エンゼルス時代の2023年からの3年連続本塁打王獲得に向けて、仕上がりのよさを見せた。
そんな大谷だが、2025年シーズンは投手としての復帰を予定しており、キャンプ前後にキャッチボールや投球練習をする姿が度々見られてきた。当初想定していた5月中の二刀流復活はずれ込む予定で、デーブ・ロバーツ監督も早期の投手稼働には慎重な姿勢を見せている。それでも、ドジャースの先発陣に大谷が加われば、2年連続世界一に向けても強力な布陣になるのは間違いない。それまでは打者に専念し、昨シーズン同様の活躍が引き続き期待される。
本領発揮するド軍の新エース
ドジャース移籍2年目を迎えた今季、本領を発揮しはじめたのが山本。オリックス時代に3年連続沢村賞とMVPに輝き、歴代の日本投手の中でも屈指の期待を背負って海を渡った2024年は、怪我での途中離脱が響き7勝2敗、防御率3.00と不完全燃焼。メジャーの雰囲気にも慣れた25年は順調な仕上がりを見せると、2年連続の開幕投手を務めた東京ドームでのカブス戦で勝利投手に輝いた。

そんな山本の勢いはアメリカに戻ってから加速し、フォーシームとスプリットを軸とした多彩な変化球を武器にメジャーの打者を牛耳っていく。4月11日(同12日)のカブス戦では6回9奪三振、18日(同19日)のレンジャーズ戦では7回10奪三振でそれぞれ無失点に抑える快投。オリックス時代を彷彿とさせる圧倒的な姿をメジャーでも披露し、防御率争いで首位に立つなど、開幕から圧巻の投球を続けている。
山本は勝利数、防御率、奪三振数でそれぞれナ・リーグの上位につけており、日本人投手では史上初のサイ・ヤング賞獲得にも期待を抱かせるスタートを切った。昨シーズンはおよそ3カ月の期間の故障離脱を経験した山本にとって、今季はシーズン通して稼働できるかが最大の焦点。2年目にしてドジャースの新たなエースを担う現状で、このまま先発ローテーションの中心として支配的な投球を見せられるかが史上初の偉業に向けてはカギを握る。
佐々木は開幕当初の制球難を改善
23歳にしてロッテからメジャーへの挑戦を認められた佐々木は、オープン戦での好投で開幕の先発ローテ入りを果たすと、カブスとの開幕第2戦で先発を任された。メジャーデビュー戦では3回1失点の投球で初回のマウンドでは160キロ超えを連発するなど、緊張を感じさせながらもその特大のポテンシャルを日米のファンに見せつけての出足となった。

そんな佐々木だが、デビュー登板のカブス戦では3回で5四球、アメリカでの初登板となった3月29日(同3月30日)のタイガース戦では4四球で1回1/3で交代を命じられるなど、デビュー当初は制球面で課題が見られ、球数が増えての早々の交代が続いた。それでも、出力を落としながらも徐々に適応を見せており、4月12日(同13日)のカブス戦からは3試合連続で5イニングを投げきり、直近のパイレーツ戦では93球を投げ抜いた。
佐々木はロッテで過ごした日本での5シーズンで規定投球回をクリアした経験がなく、メジャー挑戦前からシーズン通して稼働できるかは課題とされてきた。そんななか、ロバーツ監督は開幕から80球前後で降板させるなど、佐々木を徐々にメジャーの舞台へ適応させようとする意図が見て取れる。そんななかでもここまでは先発ローテの一員を担っており、どこまでアメリカ仕様にシフトチェンジできるかが移籍1年目には求められる。
大谷、山本、佐々木と3選手が揃った2025年のドジャースにおいて、日本人トリオがそれぞれの環境で奮闘を続けている。サイ・ヤング級の活躍を続ける山本、メジャー1年目で適応中の佐々木に加えて、開幕から野手としての出場を続ける大谷が終盤までに二刀流として復帰できれば、ポストシーズンでは日本人3選手による先発ローテ形成にも期待が高まってくる。メジャー屈指の戦力を武器に2年連続世界一を見据えるドジャースにおいて、サムライたちが見せる活躍には注目が集まる。