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TOKYO DIME.EXEが、チーム創設10周年の今季1stラウンドを制覇!王座奪還へ向け好発進【3x3.EXE PREMIER 2024 開幕戦レポート】

バスケットボール3人制プロリーグ「3x3.EXE PREMIER JAPAN 2024」が5月18日、東京都千代田区のワテラスで開幕。リーグ・チームともに10周年を迎えた「TOKYO DIME.EXE」が約6時間におよぶ熱い戦いを制し、記念となる今季初ラウンドを優勝で飾った。MVPには攻守で貢献度が高かった西畝優(にしうね・ゆう)が選出。試合終了後には、会場に集結した大勢のファンやチーム関係者らがコートに集まり、ともに喜びを分かち合った。

Icon 1482131451808 佐藤 主祥 | 2024/05/22
2日間にわたって行われる開幕戦の初日には、JAPAN XEBIOカンファレンスに所属する12チームが参加。3チーム×4グループに分かれて総当りのリーグ戦を実施し、各グループの1位通過チームによる決勝トーナメントで順位を決めていく。

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筆者撮影
開幕戦の舞台となったのは、JR新御茶ノ水駅から徒歩2分ほどの距離にある神田淡路町「ワテラス」。「和」「輪」「環」の3つの“WA”をコンセプトにデザインされ、新しいコミュニティが誕生する場所として展開している。

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筆者撮影
コートの周りには、多種多様なグルメが楽しめるようキッチンカーが配置され、チーズをふんだんに使用したハンバーガーや、焼きたてのクレープ。3x3.EXE PREMIERの2024シーズンのオフィシャルメインパートナーとなった、アサヒビール株式会社のスーパードライなどを販売。

設置された飲食スペースで食事することはもちろん、ビール片手に盛り上がり、3x3の世界観に酔いしれるファンも。イベント中は最高気温28度と終始暑さが続いていたことも相まって、この日の試合観戦にはより最高のお供となっていたことだろう。

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筆者撮影
加えて、子どもも楽しめるようキッズ用のバスケットゴールを設置。実際に選手たちのパフォーマンスを見て興奮した子どもたちが、夢中になってボールを追いかけ、シュートに挑む姿が多く見られた。

3x3.EXE PREMIERはショッピングセンターや駅前などのわずかなスペースで開催しているため、買い物帰りや仕事の休憩中にふらっと気軽に立ち寄ることが可能。バスケに馴染みのない子どもたちでも、無料で観られることで興味を持ち、すぐさま体験できる。この光景から、競技発展のための入り口として、同リーグがいかに力を入れているかが見て取れた。

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筆者撮影
そして、いよいよ2024シーズンが開幕。オープニングゲームを飾ったのは、リーグ同様に創設10周年を迎えた「TOKYO DIME.EXE」と「ZETHREE ISHIKAWA.EXE」。2014年からリーグを牽引し、歴史を彩ってきた、まさにメモリアルな一戦から始まった。

なかでも注目選手として名前が挙がっていたのがTOKYO DIMEのA.J.ブラマー。203cmという身長を活かし、ゴール前での接戦を次々とものにしていく。抜群のフィジカルで相手を寄せ付けず、17-16で試合を制してスタートダッシュに貢献した。チームは続くゲームでも勝利し、一番乗りで決勝トーナメント進出を決めた。

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一方、初戦で敗れたZETHREE ISHIKAWAは2試合目の「YOYOGI INFINITE.EXE」戦で、制限時間ギリギリでのKO勝利(21-18)を演出。リーグ誕生当初からともに歩んできた10周年プレイヤーの柴田政勝が、試合を決めるシュートをねじ込んだ。

得点後に行う、お馴染みの“しばにゃんポーズ”を披露すると、待ってましたと言わんばかりに会場は大歓声に包まれた。同じグループのTOKYO DIMEが1位通過を決めたため、セミファイナルには進めなかったものの、選手とファンが一体となって掴んだこの勝利は、今シーズンのスタートとして紛れもなく大きな白星となったはずだ。

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筆者撮影
柴田と同じく10年間リーグに所属し、3x3の東京五輪男子日本代表でもある落合知也が率いる「ALPHAS.EXE」も、昨年王者の実力を見せつけ2連勝で決勝トーナメント進出。彼は2大会連続の五輪出場を目指して奮闘している最中でもあり、そのプレーには大きな注目が集まった。

準決勝では、昨年の準優勝チーム「SHINAGAWA CC WILDCATS.EXE」との決戦が実現。接戦が予想されたが、序盤からALPHASが流れをつかむ展開に。落合が司令塔として的確なパスで試合をコントロールし、チャンスがあれば自らも2ポイントシュートを放つなど攻守で活躍。中盤の段階で点差を大きく広げていく。

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筆者撮影
その中で、ゴール前での接触プレーによって転倒し、ひじ付近から出血するシーンも。だが、ベンチに下がっても前のめりになって声を出し、チームを鼓舞し続ける落合。精神的支柱として、圧倒的な存在感を示していた。

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筆者撮影
終盤にはSHINAGAWA CC WILDCATSの猛烈な追い上げで4点差にまで迫られたが、落合の厳しいマークや田中晴瑛のスピード感ある守備で猛攻をしのぎ切り、17-13で勝利。決勝への切符を手にした。

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筆者撮影

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筆者撮影
もう一方の準決勝では、ここまで危なげなく勝ち進んできた「TRYHOOP OKAYAMA.EXE」がTOKYO DIMEと激突。チームの中心を担う向井祐介がゲームを組み立て、マイケル・フィリップスが豪快なダンクを決めるなど要所で見どころを作ったが、なかなか試合を通して流れを引き寄せることができず、12-21と大差で敗北。TOKYO DIMEの安定した試合運びが光った。

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筆者撮影
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筆者撮影
そして迎えた決勝戦。昼前から始まった開幕戦は夕方に差し掛かり、日差しはまだ強いものの、コートの半分以上が日陰に覆われるようになっていた。

その中で行われたTOKYO DIMEとALPHASの4戦全勝同士の対決は終始、一進一退のゲーム展開となった。両チームのファンだけではなく、ここまで多くの熱戦を楽しんできた観客たちも、最後の瞬間まで固唾をのんで見守っている。それほど緊迫した勝負が繰り広げられた。

注目プレイヤーである落合とA.J.ブラマーのマッチアップでは、この日一番の盛り上がりを見せ、リバウンドを取るための空中戦は、試合が終わりに向かっていくに連れて激しさを増していった。

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筆者撮影
迫りくる制限時間とも戦う中、TOKYO DIMが19-18と1点リードの場面、会場の熱気が最高潮に達した瞬間、入ればKO勝利が決まる2ポイントシュートが宙を舞い、そのままゴールネットへと吸い込まれていった。リバウンドを狙って追いかけた落合と田中は、敗北を確信し、悔しい表情をにじませた。

惜しくも準優勝という結果に終わったALPHASだが、今大会通して最後まで諦めず、つねに前を向くプレーが多く見られたのは印象深い。次戦に向けて、ファンはいっそう期待を膨らませたことだろう。

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筆者撮影
リーグとともに10周年という記念イヤー開幕戦を、見事に優勝で飾ったTOKYO DIM。MVPには、攻守で躍動し、アウトサイドシュートの確率の高さも光った西畝優が選ばれた。エース級の活躍を見せたA.J.ブラマーに加え、チームを支えた藤髙宗一郎に小松昌弘と、若手からベテランまで活躍できる絶妙なチームバランスが、今回の優勝をつかみ取った大きな要因と言える。

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筆者撮影
彼らが王座奪還に向けて最高のスタートを切ったことは間違いない。今シーズンの3x3.EXE PREMIERは開幕したばかりだが、「渋谷から世界へ!」というスローガンを掲げながら、どこまで飛躍を遂げていくのか。今後も注目していきたい。