【J1第2節】波に乗る広島と今季初勝利を目指す横浜FM、厳しい試合を制したのは？

前半戦から一進一退の攻防に

まずチャンスを作り出したのは広島。前半20分の空中戦を制すと、小気味の良いパスを4本つなぎ、前線へ走り出していたMF田中聡へ。田中はペナルティーエリア手前の中央から、低い弾道でシュートを放つ。惜しくもボールはGKの正面に飛び、ゴールとはならなかったが、スピード感のあるパス回しからのチャンスメイクで横浜FM守備陣を驚かせた。一方、横浜FMも積極的な攻撃を見せる。22分、左サイドでボールを受け取ったFW遠野大弥は、相手DF塩谷司との1対1の攻防を制すると、ペナルティーエリア中央へクロスボールを上げる。これに反応したのがFWアンデルソンロペス。相手DF佐々木翔の体を使ったマークをなんとか制すと、倒れ込むようにしてヘディング。ゴールとはならなかったが、1点をもぎ取りに行く気迫のプレーで味方を鼓舞した。

互いにシュートを打つも先制点は許さない

さらに27分、横浜FM右サイドのスローインから始まったボールは、空中戦の末に中央付近へと転がる。ゴールまで20メートルはあろうかという位置だったが、フリーになっていたFWヤンマテウスが左足で豪快にシュート。ボールは高い弾道でゴールをはるかに越えたが、わずかなチャンスからでもシュートを打つ積極性をみせた。

互いに得点を許さないまま迎えた42分、横浜FMは奇襲を仕掛ける。左サイドから下がった位置にボールを渡すと、受け取ったMFジャンクルードは約40メートル先のゴール前へ遠距離のクロスを上げた。ボールはゴール前で待ち構えていたロペス、相手GK朴一圭のちょうど中間へ。ロペスはチャージを仕掛けるが、同じく朴もボールをつかみに行った。シュートかセーブか。一瞬の攻防はわずかに朴のチャージが上回り、横浜FMは得点とはならなかった。こうして互いにゴールを守ったまま前半戦は終了。一進一退の攻防は後半戦へと続く。

ついに均衡が破られた後半戦

後半開始早々、試合は動いた。46分、広島は右サイドから攻撃を仕掛ける。相手FW植中朝日との激しいボールの奪い合いを制した田中は、FW加藤陸次樹へボールを渡す。加藤は即座にクロスを上げると、ゴールエリア手前で待っていたFWジャーメイン良が体を倒しながらシュート。ボールは体を使って止めようとした相手DFの手に当たり、ハンドの判定に。PKを獲得した。

キッカーはジャーメイン。ゆっくりとした助走から、ボールは右側ポストのわずか数センチ手前方向へ低い弾道で放たれた。相手GKのダイビングも届かず、ボールはゴールネットを揺らす。試合の均衡を破る貴重な一発を祝福するべく、ゴールを決めたジャーメインへとベンチからチームメイトが駆け寄って喜び合った。

この一発が広島を勢いづけた。試合がリスタートした直後の49分、激しいチャージでボールを奪うと、FWトルガイアルスランからMF川辺駿、MF中野就斗へと細かいパスで右サイドへ展開。そのまま中野がドリブルでゴール前へと進出すると、左足で豪快に降りぬいた。高い弾道のシュートはゴールネットを越えるが、試合の主導権を完全に握った。

横浜MFも再三に渡ってチャンスを作るが…

しかし、横浜FMも黙ってない。56分、右サイドを使ってチャンスを作ると、DF松原健はゴール前へとクロスを上げた。そのボールは相手DFに当たり、不規則な回転を見せるが、植中はなんとそのままボレーシュート。ボールはGKの正面へと向かい無得点に終わったが、難しいボールを空しっかりミートしてシュートする技術力の高さを見せつけた。

その後も攻め込み続ける横浜FM攻撃陣は、69分、85分とチャンスを作り出す。しかし、得点にはあと一歩、届かない状況が続いた。アディショナルタイムは6分。試合終了間際の96分、最後のチャンスが訪れる。右サイドからのクロスボールを上げると、相手守備陣に阻まれるが、そのこぼれ球がフリーになっていたMF天野純の目の前へ。絶好のチャンスボールとなり、左足でシュート。しかし、相手DF川辺の体を張ったディフェンスに遮られ、同点ならず。そのまま試合はゲームセットとなり、少ないチャンスをモノにした広島が開幕からの連勝を2に伸ばした。

「DAZN明治安田J1リーグハイライト【PICK UP MATCH】広島 vs 横浜FM : 第2節」（2025年2月23日配信）より
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