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【J1第3節】序盤の首位攻防戦にふさわしい激戦!3連勝を飾るのは清水か広島か?

開幕連勝の好発進クラブが3連勝を賭けて激突!第3節を迎えた、Jリーグ2025年シーズン。2025年2月26日にIAIスタジアム日本平にて、明治安田J1リーグ第3節清水vs広島が行われた。清水エスパルスとサンフレッチェ広島による、序盤の首位攻防戦にスポットを当てた。古巣に恩返しする注目選手にも注目だ。※トップ画像出典/PhotoAC

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/03/18

オウンゴールで先制も立て続けのチャンスをものにできなかった清水

2025年2月26日、明治安田J1リーグ第3節の清水vs広島の一戦が、IAIスタジアム日本平で行われた。序盤から清水は猛攻で畳みかける。前半12分、MF乾貴士のシュートを広島GK大迫敬介が弾く。このこぼれ球に反応した清水MF松崎快が右サイドからクロスを上げ、それが広島DF荒木隼人に当たってゴールに吸い込まれた。オウンゴールで清水が先制点を奪取した。

25分以降、清水は立て続けにチャンスを作り出すが、得点に結びつかなかった。広島も攻めのターンだったが清水の堅固な守備に阻まれ、決定的なシュートまで持ち込むことができない。前半は清水の1-0リードで折り返した。

後半投入の塩谷司が仕事!見事なダイレクトボレーで同点に

後半開始直後、広島はDF塩谷司を投入し、サイドバックからの攻撃の活性化を図った。この采配が功を奏し、後半20分には同点に追いつく。CKから清水にクリアされたボールを、塩谷選手が見事なダイレクトボレー。豪快なミドルシュートに観客の目はクギ付けとなった。広島が試合の流れを変える重要な瞬間となった。

同点に追いついた広島は、徐々に試合の主導権を握る。同40分にはFW加藤陸次樹の際どいシュートを放つも、バーの上。一方の清水も、広島の攻勢に耐えながら反撃の機会をうかがう。終盤には鋭いシュートでゴール右隅をかすめるなど、広島ゴールを脅かす場面もあった。

しかし、両チームともに決定的な得点の機会をものにできず、試合は1-1のドローで終了した。この結果、両チームの開幕3連勝はならなかったが、勝ち点1を分け合う形となった。

シュート数は清水が10本、広島が7本。CKは清水が5本、広島が6本。ファウル数は清水が7回、広島が12回であった。数字の上では清水がやや優位に試合を進めたことがうかがえる。

清水は組織的な守備と素早い攻撃の切り替えを見せ、広島は粘り強さと個人の技術力で同点に追いついた。清水の攻撃陣は、乾選手やFW北川航也、広島から完全移籍したDF住吉ジェラニレショーンらが先発で出場し、チームに勢いをもたらした。とくに住吉選手は前半の決定機に何度も絡むなど活躍した。

古巣への恩返し─動き光った清水の住吉ジェラニレショーン

住吉選手は、アメリカ生まれの日本育ちという特異な背景を持ちながら、日本のサッカー界で着実にキャリアを積み重ねてきた。1997年10月にアメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで生まれた住吉選手は、高校時代を日本大学藤沢高等学校で過ごし、2年生で「第93回全国高等学校サッカー選手権大会」でベスト4進出という輝かしい成績を残した。その後、国士舘大学に進学。ここで大きな転機が訪れた。FWからSBへ転向し、後のプロキャリアに大きな影響を与えることになる。

住吉選手は2020年、J2水戸ホーリーホックへ加入。同年6月ザスパクサツ群馬戦でプロデビューを果たした。2021年7月、住吉選手は広島への完全移籍。J1リーグの強豪チームへの移籍は住吉選手にとって大きな挑戦となったが、広島では十分な出場機会が得られず、2025年シーズンからは清水へ完全移籍していた。この日の試合は古巣・広島への“恩返し”という気持ちもあったのだろう。

今後のシーズンに向けての貴重な経験となったドロー

後半の清水も、広島の攻勢に対して反撃の機会をうかがった。終盤には鋭いシュートでゴール右隅をかすめるなど、広島ゴールを脅かす場面も。しかし、両チームともに決定的な得点の機会をものにすることができず、試合は1-1のドローで終了。両クラブにとって開幕3連勝とはならなかったが、勝ち点1を分け合う形となった。

両クラブにとって、第3節の引き分けは今後のシーズンに向けての貴重な経験となったことだろう。清水は堅守速攻のスタイルをさらに磨き、広島は粘り強さと個の力を生かしたプレーでチーム力の向上を目指すことになる。


「DAZN明治安田生命J1リーグ ハイライト 清水 vs 広島 : 第3節」(2025年2月26日配信)より
※記事内の情報は配信時点の情報です。