
【J1第4節】横浜FM vs 湘南の神奈川ダービー 横浜FMの初勝利か湘南の連勝か、栄誉を手にするのは?
2025年3月1日、日産スタジアムで横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレが行われた。横浜FMは開幕から3戦未勝利と、2018シーズン以来7年ぶりの不名誉な記録を刻んでいる。ホームで何としてでも今季初勝利を手にしたい。対する湘南は、J1で開幕から3連勝はクラブ史上初。連勝記録をどこまで伸ばせるのか。正反対の状況の2チームによる神奈川ダービーを振り返る。※トップ画像出典/PhotoAC

横浜FMは先発を大幅変更、湘南は開幕から絶好調のFWが欠場
今季から、新監督スティーブ・ホーランドが就任した横浜FMは「アタッキンングフットボール」を掲げている。昨季からの課題であった守備に重点を置き、さらにより攻撃的な勝つサッカーを目指している。AFCチャンピオンズリーグエリートでの戦いもあり過密日程での疲労があるため、前節のスターティングメンバーから4人変更。DF永戸勝也が開幕戦以来の先発、FWエウベルは今季公式戦初先発となった。
一方、湘南は、5年目となる監督の山口智の下、豊富な運動量をベースに果敢にアタックを繰り出すサッカーを得意とする。とくに裏を狙う動きが活発なチームだ。今節は開幕から3戦で2点を獲得したFW福田が欠場し、FW根本凌が今季初出場で初選抜となった。
勝ちに飢える横浜FMがコーナーキックから先制
試合開始20分、横浜FMはペナルティエリア手前でパスを回す。最後は、DF松原健がミドルシュートを打つも、クロスバーを越えてしまう。
35分、左サイドからボールを運ぶ湘南は、DF畑大雅が右サイドにパスを出す。MF藤井智也が反応し、MF小野瀬康介が裏をとったところにパスを供給するも、そのあとが続かずにクリアされる。こぼれ球をMF平岡大陽が拾い、ミドルシュートを放つもゴール左に外れてしまう。
先制点を決めたい横浜FMは、38分にコーナーキックのチャンスを獲得。DF永戸がペナルティエリアに蹴り、MF植中朝日がヘディングで合わせ、ボールはゴールネットへ。横浜FMが先制した。そして、1-0のまま前半を折り返す。
流れに乗った湘南が執念の同点ゴール
後半開始後、湘南が主導権を握る。後半10分、右サイドから攻撃し、MF鈴木雄斗がゴール前にクロスを送る。横浜FMのDFジェイソン・キニョーネスがクリアするも、中途半端な対応になってしまい、そのボールにMF平岡が反応。シュートを放つもGK朴一圭が右手で弾く。しかし、最後は途中出場のFW石井久継がこぼれ球を押し込み、ゴール。湘南が同点に追いついた。
解説の福田正博は「キニョーネスの守備のところは、対応が難しいです。それに対して、湘南はゴール前に3、4人入ってきています。層が厚い攻撃ができていました」と、湘南の攻撃を解説した。
追加点が欲しい両チームだが、一進一退の攻防が続く。27分、横浜FMのMFジャン・クルードが、ペナルティーエリア付近でボールを取り返し、すぐ攻撃に転じる。ゴール前にパスを供給し、最後は途中出場のFW遠野大弥が振り向きざまにシュートを放つ。しかし、GK上福元直人に阻まれる。続いて28分にも、MFクルードが、ディフェンスをかわし、ミドルシュートを打つも、GK上福元にセーブされた。
湘南も追加点を狙っていく。MF奥野耕平がクロスを入れるもクリアされる。セカンドボールをDFキム・ミンテがダイレクトでシュートを放つ。しかし、GK朴が右手で好セーブ。追加点を許さない。そのまま同点で試合終了。横浜FMは今季初勝利を手にすることができず、湘南も連勝記録を伸ばすことができなかった。
GK朴の鉄壁の守りとFW石井の積極的な攻撃が光った対決
今季の課題に守備を挙げている横浜FM。一瞬の守備の乱れから失点してしまったが、GK朴の活躍がチームを支えていた。守備は完全には崩されていないものの、ミドルシュートを打たれた場面では好セーブでゴールを死守。またゴールライン近くでの相手の折り返しを阻止し、得点のチャンスを作らせない様子も見られた。しかし、攻撃面に目を向けると、今季はまだ試合の流れの中からの得点をきめられていない。ホーランド監督が就任し、守備の面での改善が見られたからこそ、次は攻撃でもよさを発揮する横浜FMを期待したい。
一方、湘南は開幕からの3戦で2得点と大活躍のFW福田が欠場したが、その穴を埋めるようにU-20代表帰りのFW石井が活躍。果敢にゴールを狙う姿勢を見せ、同点ゴールを決めた。長いシーズンの中で、若い選手の活躍はよりチームを活性化させるだろう。連勝記録はストップしたものの、いまだ負けなしの湘南。ここからどこまでその強さを維持していくのか期待したい。
「DAZN明治安田J1リーグ ハイライト横浜FM
vs湘南:第4節」(2025年3月1日)より
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