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村上宗隆から新星まで注目選手が激突!【セ・リーグ&パ・リーグ】今季のホームラン王を徹底予想

近年の日本プロ野球は“打高投低”と言われ、ホームランが出にくいとされている。昨季は10本以上のホームランを打った選手はセ・リーグ14人、パ・リーグ13人だけに留まった。そんななか、33本を放った東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆、34本を放った福岡ソフトバンクホークス・山川穂高が2位に大差をつけてホームラン王を獲得した。今季は彼らが連続してタイトルを獲得するのか?はたまたニュースターや復活を期すベテランが奪い取るのか?両リーグのホームラン王争いを予想する。※トップ画像出典/photoAC

Icon setodaiki ph 瀬戸大希 | 2025/03/27

令和の三冠王・村上宗隆が有終の美で量産なるか

セ・リーグのホームラン王予想で筆頭にいるのは、昨季のタイトルホルダーでもあるヤクルト・村上宗隆だろう。

2022年に日本人選手シーズン最多新記録の56号本塁打を放ち、史上最年少となる三冠王を達成したことも記憶に新しい村上。ここ2シーズンこそ打率は落ちているが、持ち前のパワフルな打撃は健在で2年連続で30本以上をマーク。今オフにポスティングによるメジャー挑戦を表明しており、日本でプレーする最後のシーズンを有終の美で飾りたい思いも強いはずだ。しかし、右脇腹を痛めた影響でオープン戦は離脱中。開幕戦は絶望とされており、復帰まで1カ月近くかかる可能性もあるようだ。それでもシーズン後半に調子を上げてくる選手だけに、ケガ明けでも十分にホームラン王争いに絡んでくることは間違いないだろう。

不動の4番として40本を目指したい岡本和真

そんな村上に匹敵するパワーと実績を持つホームラン王候補は、読売ジャイアンツの主砲・岡本和真だ。通算6度30本以上のホームランを放ち、2023年には41本で念願のホームラン王に輝いており、広角に長打を打てるのが魅力だ。メジャーチームとのプレシーズンゲーム以降は調子を取り戻し、オープン戦ではコンパクトなスイングから長打を量産しており、調整は順調。どっしりと4番に座り続ければ2年ぶりの40本超えとタイトル獲得も可能だ。

広いナゴヤドームを苦にしない長距離砲・細川成也

2022年に現役ドラフトで横浜DeNAベイスターズから中日ドラゴンズに移籍し、才能を開花させた細川成也もホームラン王候補だ。同じ右打者の和田一浩コーチとの出会いをきっかけにスイングを改造。2023年に24本、昨季は23本のホームランを打って、チーム随一の長距離砲に成長した。オフには走り込みやマシンの打ち込みを徹底して行ったほか、体重も増加させてスイングの威力をアップさせた。ホームランの出にくいナゴヤドームが本拠地というハンデはあるものの、タイトルを狙える可能性はあるだろう。

メジャーリーガーを驚かせた左のスラッガー・佐藤輝明

阪神タイガースを代表する左のスラッガー・佐藤輝明もホームラン王を狙おうとしている。

ルーキーイヤーから弾丸ライナーでスタンドに軽々と放り込むなど、20本前後のホームランを放ってきた佐藤。しかし、スランプに陥ると全く打てない安定感のない選手だった。左肩が下がってしまい、内角は差し込まれ外角の変化球に泳がされてしまう悪癖があったが、オフはフォーム修正に時間を費やした。その成果もあってか、オープン戦では好調をキープ。プレシーズンゲームのロサンゼルス・ドジャース戦ではサイヤング賞2度の左腕・スネルから力みのない鋭いスイングで豪快な3ラン弾を放った。浜風に負けないパワーを年間通じて発揮できれば、ホームラン王もあり得る。

攻撃的2番で一発を狙うパワーヒッター・牧秀悟

ルーキーからレギュラーに抜擢され、打率.314、22本塁打、71打点のハイレベルな成績を残し、清原和博以来となる新人3割20本を達成した牧秀悟もホームラン王争いに絡むだろう。2023年には29本を放つなど長打力は申し分ないものを持っており、攻撃的な2番を務めることになりそうな今季は、打席数も増えることから他のバッターよりもホームランを打つチャンスが増えそうだ。

モンテロ・サンタナ・森下らも虎視眈々とタイトルを狙う

彼ら以外にもセ・リーグのホームラン王候補はまだまだいる。広島東洋カープの新外国人選手で迫力ある打撃が持ち味のモンテロ、来日5年目を迎える東京ヤクルトスワローズのサンタナといった助っ人勢をはじめ、急成長を遂げる阪神タイガース・森下翔太や中日ドラゴンズの若き主砲・石川昂弥も黙ってはいないだろう。

パ・リーグのホームラン王争い筆頭は日本ハム・万波中正

続いてパ・リーグのホームラン王争いを予想していく。タイトル奪取に最も近いのは、北海道日本ハムファイターズの外野手・万波中正だろう。

日本とコンゴのハーフで身体能力の高さは入団当初から群を抜いていた万波。新庄剛志監督になってからは持ち前のフルスイングを自由にやらせてもらえるようになり、長打力が開花。2023年は25本、昨季は18本のホームランをマークし、チームの主力として活躍している。キャンプでは手首が早く返るクセを修正して強く押し返す打撃を習得するため、フライングディスクが付いたバットを振る練習を取り入れた。これによりゴロの打球が減り、センター方向への強い打球が増えるように。オープン戦でも変化球を豪快にスタンドインさせており、初のホームラン王も大いに可能性がありそうだ。

昨季のキングは開幕に標準、鷹が誇る右打者・山川穂高

そんな万波のライバルになり得るのは、昨季のホームラン王でもある福岡ソフトバンクホークスの山川穂高だ。

左足を高く上げて勢いを付けるスイングで長打を量産してきた球界トップのパワーヒッター・山川。強靭な下半身で溜めを作ることで、緩いボールをさばくテクニックも合わせ持っている。入団直後は確実性に欠けたが徐々に安定感を増していき、2018年に47本のホームランを放ちホームラン王に輝くと、通算4度のタイトルを獲得。特にソフトバンクへ移籍した昨季は約1年のブランクがありながら、不振を早めに乗り越えて本来のスイングを取り戻した。今季はオープン戦こそ不調だが、シーズンに入れば王者の風格を見せてくれるだろう。

パワーと器用さで本塁打を量産しそうなレイエス

助っ人外国人でホームラン王を狙えそうなのは、万波とチームメイトでもある北海道日本ハムファイターズのレイエスだ。

メジャー通算108本塁打の実績を誇り、大きな期待を背負って来日。1年目の昨季は103試合の出場ながらリーグ2位の25本をマークした。序盤こそ日本人投手の低めを突く投球や変化球に苦戦して2軍落ちも経験したが、8月以降はホームランを量産。外国人にありがちな大振りはせず、逆方向にも打てるバットコントロールと卓越した選球眼を持っており、パワーだけではない器用さも魅力だ。今季はオープン戦で右手首にデッドボールを受けたが、ケガを感じさせない力強いスイングをキープしており、年間通じて出場をすればホームラン王も狙えるはずだ。

ロッテのニュースター・山口航輝は覚醒なるか?

千葉ロッテマリーンズの和製大砲として期待を浴びている山口航輝もきっかけを掴めば、ホームラン王争いに絡む可能性を秘めている。

粗削りだがヘッドスピードの速さは球界トップクラスの山口は、2022年に16本、2023年に14本のアーチを放ち、昨季は開幕4番を務めた。しかし、故障もあって打率.200、2本塁打、13打点という屈辱のシーズンに。その悔しさを晴らすべく、オフは専属トレーナーと二人三脚で下半身を鍛えるトレーニングに取り組んで、安定したボディバランスを会得。「30本塁打は打ちたい」と目標を掲げており、有言実行となればタイトル獲得も夢ではない。

清宮・ポランコ・ソト・セデーニョらもキング候補

彼ら以外では、ホームランの放物線の美しさはピカイチの北海道日本ハムファイターズ・清宮幸太郎、千葉ロッテマリーンズの両外国人・ポランコ、ソトをはじめ、今季から埼玉西武ライオンズに加わったセデーニョ、体をシャープにしてキレが戻ったオリックス・バファローズの杉本裕太郎、福岡ソフトバンクホークスのヒットメーカー近藤健介あたりも候補になるだろう。

球場の雰囲気、チームの士気を一気に盛り上げるホームランはプロ野球の醍醐味。そんなホームランを量産してタイトルを獲得する選手は誰なのか?予想しながら楽しんでほしい。