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【J1第3節】柏の復活を目指すロドリゲス新監督による“ポゼッションサッカー”とは

柏復活へ向けて、新監督の戦術がハマった!2025年2月26日、三協フロンテア柏スタジアムにて、柏レイソルvsセレッソ大阪が行われた。Jリーグは2025年シーズンが開幕し、早くも第3節を迎える。今回の試合では、明暗分かれた両新監督の戦術に迫った。※トップ画像出典/photoAC

Icon kinggear icon KING GEAR編集部 | 2025/03/21

柏とC大阪、2人の新監督に率いられた戦術の違いに注目

今シーズンから柏の指揮を執るリカルド・ロドリゲス監督は、1974年スペインで生まれの現在50歳。国内では、2017年から2020年まで徳島ヴォルティスを率いて2020年にJ2リーグ優勝を果たし、J2優勝監督賞を受賞。2021年から2022年にかけてJ1浦和レッズの監督を務め、天皇杯優勝(2021年)とFUJIFILM SUPER CUP制覇(2022年)を達成している。柏の2024年シーズン成績は17位と低迷したため、監督の手腕に期待がかかる。彼の戦術は、攻守にわたってボールを保持し続ける「ポゼッションサッカー」だ。攻撃面では「ポジショナルプレー」を重視し、選手の立ち位置を細かく定め、精密なパスワークで前進することを目指している。この戦術は、選手間の連携を高め、ボール保持率を上げることで相手にスキを与えないことが狙いだ。守備では「素早い切り替え」と「アグレッシブな守備」を追求している。ボールを失った瞬間から素早く守備態勢に移行し、激しくボールを奪いに行くスタイルを採用している。

一方、C大阪の新監督は、アーサー・パパス。 1980年2月生まれのオーストラリア人指導者だ。25歳で選手を引退後、本格的に指導者の道を歩み始めた。オーストラリアのオークリー・キャノンFCでの最年少監督就任を皮切りに、世界各地でキャリアを積み、2025年からC大阪で指揮を執る。パパス監督の戦術は、攻撃的サッカーだ。具体的には、攻撃の連動性の向上が重要な焦点となっている。昨シーズンの課題であった個人依存を改善し、チーム全体で連携した攻撃を展開することを目指している。

そんな2人の戦術を踏まえ、試合を振り返ってみよう。

先制はC大阪・北野の先制点でリード

2025年2月26日、試合は柏のホームである三協フロンテア柏スタジアムで行われた。試合開始早々、C大阪が積極的な姿勢を見せる。前半10分過ぎ、C大阪が先制点を挙げる。ゴール前の激しいボールの奪い合いから味方が後ろから倒され、ゴール前に縦にこぼれたボールにFW北野颯太が反応。ペナルティエリア手前から振り向きざま右足でゴール右下に決めた。北野は同28分にも、左サイドからMF田中駿汰のパスを受け、左足で積極的にゴールを狙う。さらに、終了間際にもゴール右前から起点となるパスでFW中島元彦の決定機を演出するなど動きが光った。

柏は、この失点で出鼻をくじかれる形に。対角へのロングボールを起点にサイド攻撃を試みるも、C大阪の堅守を崩せず、前半は0-1でC大阪がリードする。

開幕から3戦無敗と好スタートを切った柏

柏が追いついたのは後半20分過ぎ。柏は、自陣から右対角サイドへロングパス。持ち上がったMF久保藤次郎のパスを受けた途中出場のFW木下康介が、ファーサイドに早いパス。最後は詰めていたFW垣田裕暉がゴールになだれ込みながら同点ヘッドを決めた。

勢いに乗る柏は、攻撃の手を緩めない。後半29分、FW木下が追加点を挙げ、逆転に成功する。C大阪陣でボールを奪った柏MF小屋松知哉が、すぐさま中央のFW木下にパス。FW木下は、ペナルティエリア手前から右足でゴール右下にロングシュートを叩き込んだ。

柏はロドリゲス監督が標榜するポゼッションサッカーでC大阪に攻撃をさせない。C大阪が、なかなかボールに行けない状況で、ボールを支配し続けた柏が2-1で逆転勝利した。開幕から柏は2勝1分けと負けなし。C大阪はガンバ大阪との「大阪ダービー」に勝利するも、湘南ベルマーレと柏に敗れ2連敗となった。

明治安田生命J1リーグ ハイライト 柏 vs C大阪 : 第3節(2025年2月26日)より

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