
【J1第3節】横浜ダービー、粘り強い守備と組織的なプレーで互いに譲らぬ接戦の行方は?
“横浜の誇り”をかけ、ダービーの歴史を塗り替えにいく!2025年2月26日、横浜FMのホームである日産スタジアムにて「横浜FM vs 横浜FC」が行われた。今回はJリーグ2025年シーズンの注目カードの横浜F・マリノスと横浜FCによる“横浜ダービー”を振り返っていく。※トップ画像出典/photoAC

J1を舞台にした過去8戦は横浜FM4勝、横浜FC3勝
“横浜ダービー”は、横浜市を本拠地とする横浜F・マリノスと横浜FCの間で行われる熱戦。2007年3月の初対戦以来、過去8戦の対戦成績は、横浜FMの4勝3敗1分。とくにホームの日産スタジアムでは、8-1、4-0、5-0、5-0とまさに圧倒を続けてきた。対する横浜FCは、前節でファジアーノ岡山を下し、ライバルよりも一足先に今季初勝利を挙げている。最近の横浜ダービーでは、横浜FCの成長が顕著だ。J1での経験を重ねるにつれ、横浜FMとの実力差を縮めてきている。一方、横浜FMは、AFCチャンピオンズリーグでの好成績など、国際舞台での活躍も目立っている。横浜FCの四方田修平監督は「彼らを追い越していくには、絶対に結果を出さないといけない」と語る。両クラブは“横浜の誇り”をかけ、ダービーの歴史を塗り替えにいくつもりだ。
開始5分で横浜FCのFW鈴木武蔵が交代
横浜FMは、序盤からボールポゼッションを高めつつ、サイド攻撃を中心に展開。一方の横浜FCは、守備を固めつつカウンターを狙う形で応戦した。
横浜FCは、開始早々からアクシデントに見舞われる。わずか5分で先発のFW鈴木武蔵がFWジョアン・パウロに交代し、早くも1枚目のカードを切ってしまう。それでも前半13分、MF山根永遠が右サイドからパスを受け、ペナルティエリア外からロングシュートを積極的に狙っていく。同15分にも、ゴール左前からFWジョアン・パウロが放ったセンタリングの浮いたボールに、FW櫻川ソロモンが頭で合わせるもゴールはできなかった。同27分にも、FW櫻川はゴール中央から左サイドのジョアン・パウロに決定的なパスを通すなど目立っていた。
横浜FMも攻め込みはじめる。同17分には自陣から左サイドにパスを回し、DF鈴木冬一からボックス内にパスを通す。FW遠野大弥が右サイドに左足シュートを放つが、わずかにゴール右へ。同35分にはDF松原健がヘディングを試みるも横浜FCのGK市川暉記にキャッチされ得点にはならなかった。立て続けに攻める横浜FMは、同36分に中央から山根が相手ゴール前に縦パス。これに途中出場のFWアンデルソン・ロペスが反応。枠内にシュートを放つが、これもGK市川にキャッチされてしまう。
横浜FMは、サイドからスピード突破でゴール前に迫るが、横浜FCの守備陣は集中力を保ち、ゴール前での決定的な場面を作らせない。両チームとも中盤で激しい攻防を繰り広げつつ、前半は0-0で折り返した。
粘り強い守備と組織的なプレーで互いに譲らず
後半15分を過ぎると、試合のテンポが上がり始める。左サイドから横浜FC新井瑞希がドリブルで持ち込み、センタリング。横浜FMのGK朴一圭がパンチングしたこぼれ球に、FWジョアン・パウロがなだれ込みシュート。しかし、DF鈴木冬一が体を張ったスライディングで、決定的チャンスを阻止した。対する横浜FMも後半37分、ボールを受けた途中出場のFWエウベルが中央からシュートを放つも、DF3人が厚い壁になりゴールネットを揺らすことはできなかった。横浜FMは右サイドから立て続けにクロスを供給し、ゴール前で混戦となる場面も。アディショナルタイムには、右サイドからゴール前に上がったクロスボールのコースをFWアンデルソン・ロペスが頭で変える。それに反応して、中央に詰めていたMFジャン・クロードが左隅にヘッド弾。しかし、これもGK朴のスーパーセービングに阻まれた。
結局、試合終了までゴールネットは揺れることなく0-0のままスコアレスドロー。両クラブとも粘り強い守備と組織的なプレーで、互いに譲らず勝ち点1ずつを分け合う形になった。この結果を持ち第3節終了時点で、両クラブとも順位争いにおいて厳しい状況となった。実力が拮抗した感のある“横浜ダービー”。今後は、両クラブの激戦が期待される。横浜FMの安定した強さと横浜FCの成長が、地域のライバル対決をさらに魅力的なものにしていくだろう。
明治安田生命J1リーグ ハイライト【PICK UP MATCH】横浜FM vs 横浜FC : 第3節(2025年2月26日)より
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