
【J1第4節】接戦に強い町田が本領発揮で今季2勝目!名古屋は泥沼の開幕4戦未勝利に
2025シーズンの明治安田J1リーグは第4節に突入。3月2日に「名古屋グランパスvs町田ゼルビア」の試合が豊田スタジアムにて行われた。町田の勝利の軌跡を振り返る。名古屋による職人芸のプレーにかく乱されながらも接戦を制した秘訣は?※トップ画像出典/PhotoAC

町田が巧みなチームプレーで先制点を挙げる
名古屋グランパスは1分け2敗と未勝利が続く。開幕戦4失点で始まり、ここまで計9失点と守備陣の崩壊が目立っている。この試合ではDF佐藤瑶大、MF森島司が今季初スタメン、MF野上結貴が開幕戦以来3試合ぶりの先発メンバーとなった。中でも注目は佐藤。守備陣を立て直すとともに、チームの起爆剤となり流れを変えられるか。
対する町田ゼルビアは、1勝2敗ながら全試合が1点差と拮抗したゲーム作りを見せている。この試合も、堅い守りから攻撃へ転じるプレーがポイントになる。3戦連続で先発出場していたDF望月ヘンリー海輝、MF白崎陵兵をベンチスタートに据え、代わりにDF林幸多郎、MF下田北斗が今季初スタメン出場を果たす。新風がチームの追い風となれるか。
接戦を戦ってきた町田のチーム力は見事だ。前半戦、いきなり試合を動かした。12分、初スタメンで積極的な下田に、ハーフウェイライン付近でパスが渡る。前線に向けた視線の先には、マークを受けながらも単騎左サイドでチャンスを待つFW相馬勇紀。下田がロングパスで託したボールは前線へと向かう相馬につながり、そのままダイレクトでクロスを上げる。DF陣の間を割ってFW西村拓真がスライディングしながらボールに合わせ、右足で流れるようにシュート。先制のゴールネットを揺らした。
名古屋が作戦を練ったフリーキックでかく乱
今季は控え出場が続いていた下田は、鬱憤を晴らすようにボールの元へ切り込み、チャンスメイク。抜群の制度のパスを受け取った相馬も正確なクロスを見せる。受け取った西村は相手DF陣が追いつけないスピードでゴール前へ進出した。さらに下田がハーフウェイラインでボールを受け取り、再び西村に渡ったパスをシュート。追加点は得られなかったが、ゴールまでの時間はわずか7秒。相手DF陣を寄せ付けないスピード感のある攻撃を発揮。得点が入ってもおかしくない場面であり、職人芸とも言える各選手の長所が遺憾なく発揮されるプレーだった。
しかし、このまま黙っていないのが地力のある名古屋だ。19分、フリーキックを獲得。ゴールまで30メートル付近だったが、キッカーは町田守備陣の意表を突き、隣にいたMF稲垣祥へ。素早くマークの甘くなった左サイド付近のDF宮大樹へふわりとしたクロス上げた。それを宮はダイレクトでゴール前へとヘディング。受け取ったMF椎橋慧也は相手MF下田の厳しいマークに合い、ゴールに背を向ける形と難しい姿勢になったが、ノールックでパスを渡すと、ボールは完全にフリーとなった逆サイドのDF佐藤へ。スライディングしながら強烈なシュートを放つと、相手ゴールキーパーの反応も追いつかないままゴール。同点となった。
このプレーのポイントは、フリーキックで町田守備陣をかく乱させた名古屋の戦術。加えて椎橋が厳しいマークを粘り、なおかつこれ以上ない場所へパスを出したこと。初出場だった佐藤の同点ゴールは、記念すべきJ1初ゴールでもあった。試合はわずか数分で振り出しへ。このまま前半戦は終了した。
後半戦では接戦に強い町田がついに本領発揮
後半戦も町田の果敢な攻撃は続き、名古屋守備陣が食らいつく時間が続いた。すると73分、ついに試合が動く。
左サイドを使ったパス回しでチャンスを作り出すと、ボールは下田の元へ。ゴールまでは約20メートルと離れた位置だったが、一瞬のうちに素早い助走に切り替えると、その勢いをフルに生かして左足でシュート。地を這うようなボールに相手DFは体を使って制するが、スピードに乗ったボールは大きく跳ね返った。その球がフリーとなっていたFWナ・サンホの元へ渡ると、右足でダイレクトシュート。GKの反応もむなしく、勝ち越しを決める一発となった。
前半戦から果敢にプレーに参加していた下田の積極性が、この場面でも炸裂。離れた場所からのシュートでも、勢いのあるボールに相手DFは思い通りのディフェンスができなかった。さらには途中出場でチャンスが少ない中でも、しっかりと仕留めるナ・サンホの確実性が加わり、見事な勝ち越しシュートになった。
この1点が決め手となり、町田が2対1で名古屋を下した。両チームともに初スタメンが躍動したが、町田が総合力で上回り、今季を2勝2敗のタイに。一方の名古屋は、開幕から4戦白星なしと、厳しいシーズンの序盤となった。
「DAZN 明治安田生命J1リーグ ハイライト名古屋 vs 町田:第4節 」(2025年3月2日)より
※記事内の情報は配信時点の情報です。