
【J1第3節】キャプテンマーク付けた神戸・佐々木大樹が土壇場で大仕事
2025年2月26日、神戸のホームであるノエビアスタジアム神戸にて、ヴィッセル神戸 vs 京都サンガF.C.の試合が行われた。ここではヴィッセル神戸と京都サンガF.C.の「勝負は笛が鳴るまで分からない」激戦をプレイバックしようと思う。※トップ画像出典/photoAC

神戸のフォーメーションは4-1-2-3で、前節からスターティングメンバーを2人変更。DF松田陸、FW飯野七聖が名を連ねた。神戸は開幕から2試合連続ドローと、過密日程の中で試合を追うごとに負傷者が出る苦しいチーム状況。前節にエースFW大迫勇也が、今季初得点を含む2ゴールを奪ったことは明るい話題だ。一方、京都もフォーメーションは4-1-2-3で、前節戦からスタメンの変更はない。前節は持ち前のハイプレスで浦和レッズを圧倒。開幕戦の敗戦を経て“らしさ”を取り戻したなか、今節は今季初勝利、そして昨季の天皇杯準決勝のリベンジを誓う一戦となった。
京都GK太田岳志の好プレーに決定機つぶされた神戸
先制点は京都が奪った。前半12分過ぎ、ペナルティエリア手前まで持ち込んだFWラファエル・エリアスがスルーパスを送り、抜け出したFWマルコ・トゥーリオがペナルティエリア右からGKの股を華麗に抜く先制弾。FWエリアスからトゥーリオへのブラジル人ホットラインがつながった瞬間だった。
エリアスは、去年に続いて神戸戦でのゴール。GKと1対1のなかで、技ありの好シュートだった。
リードされた神戸は反撃を試みる。同14分、左サイドからFW飯野が完璧な崩しでクロスを入れる。それを受けたFW大迫がペナルティエリア中央から右足でシュートを放つが、京都のGK太田岳志の両足を広げたブロックに阻まれた。さらに、同27分には左サイドからドリブルで持ち運んだMF佐々木大樹がクロスを供給。相手の頭でクリアされるが、こぼれ球に反応したDF松田がペナルティエリア中央からボレーシュートを放つ。しかし、ボールはゴールの上へそれた。神戸は、アディショナルタイムにも右サイドからDF松田がゴール前にクロスを投入。4枚並んだ神戸のアタッカーのうち、MF佐々木が決定的なヘッドをゴール左隅に叩き込んだが、わずかに枠を外した。前半は0-1で京都がリードして終了。
神戸のエース大迫が2戦連続ゴールかと思われたが…
後半15分過ぎ、京都は前半途中出場のMF奥川雅也のパスがペナルティエリア内のFW原大智につながる。原は中央からスルーパスをFWラファエル・エリアスに通す。ペナルティエリア手前から左足で枠内に放たれた決定的シュートは、神戸GK前川黛也(だいや)にセーブされた。同点に追いつきたい神戸は、同28分にはDF広瀬陸斗がペナルティエリア手前からシュートを放つも、ゴール上に外れてしまう。同38分にはMF佐々木が同じような位置からワントラップで右足を振り抜いたが、これもゴールに嫌われてしまった。
決定的だったのは同40分過ぎ。ペナルティエリア内からMF佐々木が入れたクロスに、FW大迫がドンピシャで反応しシュートを放とうとするも、DFにブロックされる。こぼれたボールにMF佐々木が再度アタックのクロス。もう一度、反応したFW大迫だったが、放ったシュートはゴールを外れ、グラウンドに倒れ込んで残念がった。それでも神戸はあきらめなかった。後半アディショナルタイムに、右サイドから濱崎健斗がクロスを入れる。これに反応したDFマティウス・トゥーレルがペナルティエリア中央からヘディングで枠内にシュートを放つも、GK太田に弾かれる。こぼれ球に飛び込んだFW大迫がゴールネットを揺らして同点ゴールかと思われたが…VAR判定でFW大迫の最終ラインの位置取りがオフサイドとなり判定が覆った。
アディショナルタイムの猛攻! 最後の最後で待っていた劇的展開
時間切れで京都の逃げ切りかと思われた試合。最後の最後で劇的シーンが待っていた。
オフサイド判定の直後、神戸は中央から縦にロングパス。FW大迫が頭でフリックして前線のMF佐々木の前に落とす。佐々木は、ペナルティエリア手前から右足でゴール左上へループ気味にシュート。GKの上を抜けたボールがネットに到達した。キャプテンマークを付け出場していた佐々木が、土壇場で大仕事。ゴール後には大迫と抱き合うシーンもあった。この同点劇には、アシストした大迫のプレーも光っていた。
試合は1-1の引き分けで終了。神戸は攻撃力の高さを示しながらも、決定力の向上が必要なことが明らかになった。京都は守備の堅さを証明したが、攻撃の機会をさらに増やすことも課題となった。
明治安田生命J1リーグ ハイライト 神戸 vs 京都 : 第3節(2025年2月26日)より
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